ホタル・飼育・手賀沼・釣り
ホタルの飼育(幼虫の食欲2)

 先日の観察から、なかなか大きくならない幼虫はあまり餌を食べないことがわかった。そこで、この小さな幼虫を他の個体に近づけるための工夫を試みた。
 捕食を促すためには幼虫の活動を活発にさせることが必要であると考えた。今年は暖冬で、気温が例年になく高めである。それでも幼虫が生まれた時期と比べると10℃以上の差があると思われる。暖冬とはいえ夏から秋にかけて餌をたくさん食べなかった幼虫が10℃以上も下がった水の中で捕食活動が活発になることは期待できない。そこで意図的に飼育槽の水温を高くすることにした。これによって餌に対する反応も良くなると思われる。
1.まず魚の飼育用水槽に水を入れる。
2.小型のヒータで水槽の水温を上げる。
3.水槽の水にホタルの幼虫が入った飼育槽をのせる。
 (幼虫の飼育槽が水槽の水に浸かるようにする。)

平成16年12月15日〜16日
15日 8:00PM
 水温を上げる前の飼育槽の水温は、
13℃であった。
 餌のカワニナのまわりに幼虫はいない。
15日 11:00PM
 水温は19℃。
 幼虫は1匹だけ確認できた。
16日 6:00AM
 
水温は20℃。
 餌のまわりにたくさんの幼虫が集まっていた。
16日 10:00PM
 水温は20℃。
 餌のまわりだけでなく、その周辺を歩き回る幼虫も多かった。
 以上の結果から、水温の上昇に伴い幼虫の動きが活発になり、餌に寄って来る数も多くなることが明らかになった。この方法によって小さな幼虫も冬の間に他の幼虫の大きさまで育てられる。ただし、水温が高いので他の飼育槽より水質が悪化しやすいため、水の管理には十分気をつけたい。