転送量分散型 Webクラスタ・サーバーシステムの構築

Webクラスタイメージ Apache Rewriteモジュールを使用した
簡易Webトラフィック分散クラスタの
実装・構築リファレンス・マニュアル

1.はじめに

ADSLの普及とともにネットワーク社会はブロードバンド化の一途をたどり、企業・個人などが運営するウェブサイトは従来のテキスト(+簡単な画像)を中心としたHTMLの質素な構成のものから、動画(Flash,Mpeg等)を用いたり、ページデザインの細部に画像を用いるなどマルチメディアコンテンツを多用した華やかな構成が主となりつつある。それに伴いインターネット上のデータ転送量トラフィックも飛躍的に増えたのであるが、インターネット利用率も増え続けている今日、この傾向は今後も間違いなく続くであろう。

しかし、Web転送量の増加はサイト運営者にとっては頭の痛い問題である。Webサイトを運営するには、よほど大規模なサイトでない限りは適当な有料レンタルWebサーバー(あるいはWebスペース)を借りてそこに設置するのが一般的となるが、そうした場合、当然のことながらそのレンタルサーバー会社の定めるサーバー負荷や転送量の制限の範囲内でサイトを運営することになる。

しかし、このサーバー会社の課す「転送量制限」が意外とシビアで、光ファイバーなど高速通信網のインフラが整備され通信費は安くなってきているはずではあるものの、いまだに旧来のテキストを中心としたサイト構成を基準に転送量の上限が設定されていて、どこも十分確保されているとは言いがたいのが実情で、少し集客力のあるサイトを構築すると転送量超過となって高額な従量制追加料金を請求されたり、せっかく軌道に乗って落ち着いたサイトの移転を余儀なくされることが少なからずある。

リーズナブルな価格で「転送量無制限」を謳っているレンタルサーバーも一部あるものの、そのほとんどにおいてレンタルサーバー事業者側と利用者側で想定している転送量の基準には隔たりがあり、使い始めたら実際には不文律の転送量制限で規制を受けたり、また、まったく制限を課さないようなレンタルサーバーでは、レスポンスが悪く使い物にならないなど、多々の問題がある。

そこで、ここでは中規模以上のサイトを運営するにあたり、少しの工夫でWebサーバーをクラスター化して転送量を分散させ、安定なサイトを構築する試みについて、その方法と幾つかのリファレンスを提供する。これは強靭で高額な専用サーバーを借りることなく、転送量制限はあるものの安価でレスポンスの良い共用Webサーバーを複数組み合わせることで、応答の良いWebクラスター・サーバーシステムを低コストで構築しようというものである。

この方法は現在すでに運用を開始しているWebサイトでも少しの設定変更で適用可能であるので、転送量で悩んでいるサイト運営者の方は、ぜひとも試して頂きたい。

なお、このドキュメントはApache(1.3.xまたは2.0.x)でmod_rewriteモジュールが組み込まれており、htaccessでそれらの設定をすることが出来る、標準的なLinuxベースのウェブサーバー環境を想定している。

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