ここ最近ホットな市場になっているコンパクトカーに新型が登場。コンパクトカーの謳い文句ともなって
いる経済性、実用性・・・ここにプレミアム感を加えたのが、istだ。さて、そのプレミアム感だが、
クラスにこだわらない品質、装備、快適性、加えて洗練された新デザイン。
”for your 1st”を掲げた「ist」を見ることにしよう。
厚みのあるフロント、その中央に大きく口を開けたグリル。両サイドにはフロントフェンダーに沿った曲
線をしながらひし形をかたどったかの個性あるヘッドランプ。また、四隅にはクラスでは大径(15イン
チ)を採用したホイール&タイヤで車のサイズのわりには非常に存在感の大きな車である。少しSUV的
要素も入れながらオフくさくなく洗練されたスマートなセンスを感じる。
デザインには3つのテーマがあって、「インテリジェンス」、「エレガンス」、「アクティブ」。存在感
と洗練感まとめのうまさはまさにインテリジェンス、知的な要素。大径タイヤを覆うかのワイドに柔らか
く膨らんだフェンダーとその上にドアノブラインに前から後へフェンダーアーチラインをつなぐかのサイ
ドキャラクターライン、両フロントサイドからバックドアに流れるワンモーションウィンドウライン。こ
の微妙な流れはエレガンス要素。最後になんといっても存在感あるフロントマスクと大径タイヤによるス
ポーティな雰囲気はまさにアクティブ要素といえよう。確かにここに見やればこの三要素は目に付くとこ
ろ。小さいボディにこのシャープさと滑らかさの共存という造形は本当にうまくまとめられている。
さてどう自分の個性に映えるように演出するか・・・それはオーナーのセンスのみせどころ。
イスト・フロント部
イスト・リア部
イスト・サイド
カラーバリエーションは8色。デザインラインを際立たせるメタリック&マイカ系が中心。
写真上は、イスト(ボディカラー:ブラックマイカ) 1.5S”Lエディション” オプション装着車
インテリアはライトグレーとダークグレーがあるが、Sはダークグレーのみの設定となる。中央のエアコン 口、オーディオ枠、エアコンパネルから下まで、ダッシュ両脇など各所にメタル調シルバーを配し、ダッシ ュボード上面やドア内部の一部、革巻きステアリング時のグリップ箇所にはエンボス加工を施しスポーティ さを演出している。操作系をインパネ上部に集め、下部には収納を配し機能性を重視。このインパネにある 半透明の”ist”ロゴのあるプッシュオープン式カバーを持つボックスはイルミネーテッドマルチボック スといい、その名の通りドアの開閉時にボックス内のアンバー照明が点灯(写真参照)し、結構おしゃれ。 しかも、ディーラーオプションになるが七色に点灯させることも可能。筆者は結構気に入ってしまった・・ ・。
インパネ周り
センターコンソール:オーディオ&ATレバー
メータはセンターメーターを採用。スピードメーターは白、タコメーターは黒とちょっとしたこだわりの演 出?センターメーター自体にはじめての人には慣れを要するが、自然に目に入るようになってくるのでそれ までのご辛抱を。
メーター周り
フロントは両脇を盛り上げたスポーティシートを採用。ファブリック地で座りごこちも自然な感じ。ヒップ ポイントは乗用車からみると高めで、椅子に座るような感じで腰をあまり落とさなくていいのが特徴。この 辺りは少しRVチック。また、運転席後にはお買い物フックを装備し、スーパーコンビニの袋やちょっとし た手提げを下げられる。これは結構重宝する。 リアは大人4人のスペースを確保し、実用レベル。6:4可倒式を採用するがリクライニング、スライド機 構はない。ボディサイズを考えると仕方なしか。とかく、シートはしっかりしているので中長距離ドライブ にも耐えられるだろう。
フロントシート部
リアシート部
※写真は、1.5S Lエディションの内装(ダークグレー)です。
ラゲージルームは4mをきる2BOXを考えると特に目立って大きいとも小さいともいうわけではない。 つまり標準レベル。2シーターにするなら後席を倒せばそこそこ大きな空間を得られるし、2ウェイの デッキアンダートレイを装備するので床の蓋をあければ傘とかちょっとしたものは収められる。また、 両側にはユーティリティフックを装備しているのでつることも可能。
ラゲージルーム 通常時
可倒式リアシート片側前倒し時ラゲージルーム
全リアシート前倒し時ラゲージルーム
2ウェイリアデッキアンダートレイ 前
2ウェイリアデッキアンダートレイ 後
デッキサイドユーティリティフック(左右に各々一箇所設置)
安全装備系では、GOA(全方位コンパティビリティボディ構造:新構造!)に加え、デュアルエア
バッグ、サイドエアバッグ(全車にメーカーオプション)、ABS(アンチロックブレーキシステム)
、ブレーキアシスト、EBD(電子制動力配分制御)、フロント3点式プリテンショナー&フォース
リミッター付ELRシートベルト、WIL(頸部障害低減)コンセプトシート、頭部衝撃緩和構造イ
ンテリアなどクラスでも充実内容。
また、対歩行者に対する歩行者障害軽減ボディを、バンパー、ワイパーピポット、ボンネット、
フェンダー各所に採用している。
パワーユニットとなるエンジンは1.3と1.5を用意。汎用のFとスポーティで上級なS、これに 駆動方式FFと4WDを設定している。FのFFは1.3のみで、4WDは全車1.5となる。
コストパフォーマンスには1.3Fが優れるが、istのコンセプト、上級装備を楽しみたいならディ スチャージヘッドランプも装備される1.5S系から選びたい。
今回乗ったのは1.5S”L edition”。もっともistのコンセプトを堪能できるグレード。
ディスチャージヘッドランプ、本革巻きステアリング、電動格納式ドアミラー等、クラス上のゆとりが
得られる。取り回しはクラス標準的で特に苦労なく乗れる、若干フロントの傾斜があるもののオーバー
ハングは短いのですぐに慣れられるだろう。
1.5Lエンジンは車格に見合ったもので秀逸と言うわけではないものの扱いやすい。街中でも出足は
よく、加速も滑らか誰もが普通に気楽に乗れる安心感もあった。特に上級意識を置いていることもあり
騒音関係は出足は普通だが、巡航走行時でのエンジン音はとっても静かである。100km/hでもノ
イズは耳障りではなく快適なドライブが楽しめる。高速域での快適さは15インチタイヤの恩恵もあっ
て安定性上々で不安はない。中長距離では特に力を発揮してくれるだろう。
総論的にはパワーがガンガンあるわけではないので攻めるような走行には不向きだが、巡航走行時での
静粛性、安定感は本当に快適。フロントウィンドウも大きく、室内も明るく、圧迫感もない。それでい
てちょっとしたこだわりの内装や存在感あるもののあくの強くないちょっとおしゃれな外観。日常の足
から遠出まで「ちょっとドライブ」もしたくなる車でした。
1.5S”L edition” シルバーメタリック 前
1.5S”L edition” シルバーメタリック 後
1.5S”L edition” シルバーメタリック 横