概要

コンパクトハッチバックの熟成と進化が進んでいる。あるものは、ハッチバックとしての形態で、 燃費などの経済性を重視したもの。また、ミニワゴン的なパッケージングでコンパクトにして荷室 を広げたもの。ミニバン要素を加え、ハイトなパッケージングで、室内の開放感と多彩なシートア レンジを可能にしたものなど。ユーザーはよりしたたかに自らの使用用途を考慮に要れ、経済性、 取り回し、使い勝手のバランス、好みで選べるようになった。さて、ここ最近のコンパクトカーの 見直しが進む中、新たなコンパクトハッチバックが登場した。このページで紹介するフィットであ る。
目玉は燃料タンクを助手席下に配置したことによる後席のフロアからルーフまで最大限に生かした シートアレンジ。コンパクトサイズを超えた使い勝手は必見。環境性能もトップクラスで、なんと FF車で23.0km/L(10・15モードによる)!を実現。経済性も上々。
小さいサイズでも内容盛りだくさんそんなフィットを紹介しましょう。


外観

曲線、曲面だけに頼りすぎず、うまく直線エッジを利かせたデザインでコンパクト2BOXの中で もアクティブスポーティなフォルム。切れ上がった大型のヘッドランプが特徴。他にも、アルミシ リンダーを意識したテールランプデザインや出っ張りの少ない空力ドアミラー、ワンモーションの ような開口部の大きい、サイドグラスデザイン等随所にこだわりもみせる。ショートオーバーハン グ、ロングホイールベースで居住性にも貢献している。

Fit FRONT

フィット・フロント部

Fit REAR

フィット・リア部

Fit TALE LAMP

アルミシリンダーデザインのテールランプ部

他に、S Packageというパッケージオプションを選択するとフロント、サイド、リアのア ンダースポイラーで武装した上に、フォグランプがつき、ヘッドランプガーニッシュがボディ同色 になるなどよりパーソナルイメージを強調した仕様も選べる。

Fit S Package

フィット Sパッケージ装着車

Fit S Package HEAD LAMP

フィット Sパッケージボディ同色ヘッドランプガーニッシュ

カラーバリエーションは10色。本当に「好きな色」の車があるかもしれない。

写真上は、フィット(ボディカラー:ミラノレッド) Aタイプ オプション装着車

写真下は、フィット(ボディカラー:アイスブルーメタリック) Aタイプ Sパッケージ&オプション装着車


装備

計器は、スポーティな独立3眼メーターを採用。しかも淵をアルミ調メータリングにすることで、 黒地にアクセントを与えている。白く太い文字で視認性良好。

METER PANEL

メーター周り

インパネ、ダッシュボードは手前に膨らんだ丸みを帯びたデザインで基本はブラックで、インパネ、 メーターの周辺はグレイを配色。ダッシュボードの下にはインパネトレイを、グローブボックスは 上下二段式とするなどシンプルだが収納機能も巧みである。この他にも収納には事欠かない、うれ しい発見がいっぱいあるぞ。

IN.PANE.

インパネ周り

オーディオ関係は、Aタイプ以上にAM/FM付CDプレイヤーが標準装備(Yタイプはオーディ オレス仕様車のみ設定)され、Aタイプはフロント2スピーカー、Wタイプにはフロント2、リア 2の4スピーカーが標準装備される(Aタイプにはオプション設定)。また、AUX外部入力端子 により、ポータブルMDやカセットなども接続して音楽を楽しむこともできる(オーディオレス車 には装着されない)。
この他には、メーカーオプションでAタイプ以上にナビゲーションシステムが設定され、3Dマッ プや交差点拡大分割表示や検索モード等のナビ機能の他にTVやCD,MDオーディオコントロー ル、オプションでVICS、双方向通信機能対応インターナビシステムにも拡張できる。但し、ナ ビがCDのため、ROM使用中はCDは使用できない。これについては、ディーラーオプションで DVDナビも設定されているので、考えてみてはいかがでしょうか。

CENTER CONTHOLE

センターコンソール:オーディオ&CVTレバー

シート生地は基本的にセンター部ブラック、サイド部グレー配色は統一で、通常(Y,Aタイプ) は、センター部ジャージ、サイド部トリコットを採用。Wタイプのみセンター部ダブルラッセルを 用いて上級グレードの差別化をしている。

SHEET FRONT

フロントシート部

SHEET REAR

リアシート部

※写真は、Aタイプの内装です。

室内ユーティリティは、フィットの最大アピールポイント。ラゲージルームは通常状態では、特に 広いという印象は少ないが、それでも開口部を効率的に取ったりタイヤハウスの処理や燃料タンク を前助手席下に配置することで深さをとっている。床面地上高は470mmで試行錯誤と設計の妙を 感じさせてくれる。

LUGGAGE1

ラゲージルーム 通常時

リアシートをたたむと、最大1720mmの奥行きが得られ、大きい買い物や2人分+αのキャンプ 道具などは難なく積める(リアシートは分割可倒だ)。

LUGGAGE2

ラゲージルーム 後席を倒した状態

後席を倒して助手席シートバックを倒すとラゲージから2400mmの広大なスペースが得られ、長尺 ものも積める。後席をそのままで前席のヘッドレストをはずすとセミフラットなくつろぎ空間も出現。 又、後席シート座面を跳ね上げると、高さ1280mmというハイトな空間が出現(分割式両席可能)。 背の高い荷物、ベビーカーも運べる。この限られた空間で多彩なアレンジ、まさに”ウルトラシート” だ!

REAR SHEET ARENGE

後席シート座面跳ね上げ状態/奥は倒した状態

安全装備系では、G−CONに加え、デュアルエアバッグ、前席用i−サイドエアバッグ(全車にメ ーカーオプション)、ABS(アンチロックブレーキシステム)、ブレーキアシスト、EBD(電子 制動力配分制御)、フロント3点式ロードリミッター付きプリテンショナーELRシートベルト、フ ロント頸部衝撃緩和シート、頭部衝撃保護インテリアなどクラスでも充実内容。

日常使用+αの使い勝手を実現した使用用途はあとはユーザーのいかにこれを生かすかになるだろう。 ファミリーカーにもセカンドカーにもレジャーカーにもなり得る。闇雲に大きい車ではなく、ジャス トサイズに目を向けてみるのもいいのではないですか?


車種構成

搭載エンジンが1.3Lのみで3グレードの設定。これにそれぞれ4WDが選択できる。
Yはパワーウィンドウ、パワードアロック、オーディオなどをはじめレス装備が増え、まさにベーシッ ク。Aは日常快適装備が一通り標準化され、使い勝手は上々の内容。フィットの良さを味わえるグレー ドだ。Wは、より快適装備を強化し、電動格納ドアミラーや、オーディオの4スピーカー、エアコンが オート化、本革巻きステアリングなど上級イメージ。よりゆとりを求めるユーザー向きだ。又、フロン ト操舵の切れ角の関係上、通常はインチアップできないが、メーカーオプションの15インチアルミホ イールを選択した場合のみ可能となる。よって、15インチアルミに興味がある人もWタイプからオプ ション選択することになる。ミッションは全車ホンダマルチマチックCVTだ。気になる価格は以下の 通り。

・Sパッケージ(A,Wに設定):ボディ同色ヘッドランプガーニッシュ、フォグランプ、アンダースポ イラー(フロント/サイド/リア)
A:+16.0万円(Fパッケージとセットオプション)
W:+18.0万円(15インチアルミとセットオプション)

・Fパッケージ(Aに設定):プライバシーガラス(リアドア/リアクォーター/テールゲート)、ルー フセンターアンテナ
A:+4.0万円


おせっかい

では、興味がわいた人へのお節介。
Yタイプは、オーディオはもとより、パワーウィンドウ、パワードアロックなど、快適装備で簡素化され る。フィットという”素材”としてや業務用途での使用であれば選択の余地もあるが、通常の方には、A タイプがおすすめ。上記の装備は標準化されメーカーオプションの選択余地も増える。ワイアレスがつく のもうれしい。当然、快適装備は充実し、ユーティリティ性は高い。
Wタイプはどちらかというとパーソナル色が強くなる。ドアミラーが電動格納式になったり、ステアリン グは革巻き化、インナードアハンドルのめっき処理など、+αのイメージを強くしている。予算面で余裕 があれば選択するもいいだろう。
まず、フィットを味わうならAタイプがいい。4WDはデュアルポンプ式のリアルタイムを採用し、積雪 地域、アウトドア派むけ。


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