Heating system 
ヒーティング システム
橘 朔夜 さま
「…何だこれは?」
憮然とした表情で八戒と悟空、そしてこの二人が持って帰ってきたものを見る三蔵。
睨まれてる二人は顔を見合わせて、やっぱりといった風情で乾いた笑いを浮かべている。
「三蔵、知らないんですか?」
天然かわざとかわからないボケを八戒がかましてくる。
「炬燵って言うんだぜ」
悟空が得意げな顔と口調で、三蔵にそれの名称を伝える。
「…っぐらい、知ってるに決まってんだろーが…っの、バカ猿がー!!」
スパーンと小気味よい音とおもに、三蔵愛用のハリセンが悟空の頭にヒットする。
八戒とて、言ってることは悟空と同じことなのだが、こういう場合、八戒が殴られることはまずない。
まぁ、こういう場合でなくても、三蔵が八戒を殴るというのはまず絶対にないのだが。
「…こんなもん、どうするつもりだと聞いてるんだ」
うんざりとしたした口調で、炬燵の入ってる箱を一瞥する。
「決まってるじゃないですか」
三蔵の言葉にニコッと笑って八戒が答える。
「皆でおこたに入って、暖まって遊ぶんだよ」
ねぇvvなぁ♪とお互いに顔を見合わせて笑う八戒と悟空の様子に三蔵は頭が痛くなってくる。
「…これ以上、暖房器具を増やしてどうするんだ…」
痛むこめかみを押さえながら、この家中にある暖房器具の数々を思い出し、溜め息を吐く。
エアコンからストーブ(それも電気・石油全ての種類が揃っている)・ホットカーペット果ては湯たんぽ・カイロに至るまで、ありとあらゆるものが、この家には取り揃えられていた。
それと言うのも八戒の
「僕、冷え性なんです」
という言葉とあったかい家族(どこか間違ってる気がするのだが…)への、強い憧れによるものらしい。
「いいじゃないですか。おこたで仲良く家族の親睦を深めましょうvv」
特大ハートマーク突きで、あっさりととんでもない台詞をはく八戒。
この家の住人は、三蔵・八戒・悟浄・悟空と一緒に旅をしていた男4人。
友情を深めようと言うのならわからなくもないが、よりにもよって家族とは…
「そうそう、家族仲良くおこたに入ってTV見ようぜ」
どう考えてもおかしいんじゃないかと普通なら思う台詞に悟空も同意する。
既に二人の中では三蔵が父・八戒が母・出来の悪い長男・次男が悟浄と悟空という構図が成り立っているらしい。
因みに、ポジション父と長男の二人はというと…
「あんなクソでかい素行の悪い、エロゴキブリ河童が俺と八戒から出来るわけないだろう」
「あいつら3人がままごとをするのはいいが、俺までいれんじゃねーよ」
ということだ。
悟浄のポジション以外には二人とも不満はないらしい。
「…怒ってます?」
難しい顔をしておこたを睨みつけている三蔵に八戒が恐る恐る声をかける。
「…仕方ねぇだろ、買っちまったもんは」
やれやれというのがはっきりとわかる顔で、深々とした溜め息とともに言葉が吐き出された。
「…使うんだろ。とっとと組み立てろ」
リビングのソファにどかっと座って、二人に言い放つ。
「はいvv」
三蔵の許可に機器として悟空と八戒が、こたつを組み立て始める。
数分後
「……」
出来たおこたを前に茫然とした表情で佇む三蔵。
作った八戒と悟空は既に炬燵に入ってぬくぬくと暖まりながら、
「三蔵?入んないんですか?」
「三蔵も早く入れよ」
と、三蔵が来るのを待っていた。
「…お前ら…」
心底うんざりした口調で囁く三蔵。
それもそのはず、二人が入ってるおこたの布団の模様が………
よりにもよって……兎のミッフィーちゃんなのである。
「可愛いでしょうvv」
ハートマークつきで八戒が言うのに、三蔵は真剣にそういう問題じゃねぇだろと力説したくなった。
だが、何を言っても無駄だということを知ってるだけに、三蔵は溜め息を吐いて仕方なさそうに、八戒の向かい側の炬燵の付属品としてついてきた座椅子に座り、炬燵に入り込む。
「あったかいでしょう?」
どこからともなく竹篭に入ったみかんをこたつの真中に置く八戒。
嬉々として悟空は、そのみかんを取り河を剥いて食べ始める。
「…そうだな」
もうどうにでもしてくれという気持ちで、三蔵は適当の答えながら、眼鏡をかけ手持ちの新聞へと目を通し始める。
パクパクと異様なスピードでみかんを消費していく悟空。
黙々と新聞を読む三蔵。
そんなな2人を微笑ましそうに見る八戒。
しばらく、そんな穏やかな時間が3人を包んでいた。
だが、それもほんの少しの時間の出来事でしかなかった。
「あっ…スミマセン」
少し態勢を変えようとした八戒の足が、向かい側の三蔵の足に当たる。
「いや…」
別に少し当たったくらいじゃ、痛くもかゆくもないのに、八戒はとてもすまなさそうにする。
三蔵はというと、返答はしたものの、思考はどこかに行っているらしい。
ただ、新聞を見たままの状態でなので、八戒と悟空が三蔵の様子がおかしいということを気付くことが出来なかった。
「食べ過ぎちゃダメですよ」
どんどんとなくなっていくみかんを見て、悟空に注意をする。勿論、柔らかい微笑みと口調で。
「うん」
元気に返事をしてはいるが、どこまで聞えているかわからない真剣さでみかんを食べる悟空。
「僕も一つ、もらいましょうか」
そっと八戒が竹篭へと手を伸ばそうとする。
みかんを一つとった瞬間、それはおこった。
「…っあ…」
ビクッと八戒の体が大きく跳ねる。
ともに、少し常より高い声が八戒の口から漏れた。
「どうしたの?」
ポトンと落としたみかんに気付いた悟空が、不思議そうに八戒を見る。
「なっ…でもありません」
少し掠れ始めた声で、噛み殺すように呟く。
ニコッと安心させるように微笑み悟空に向き直った後、キッときつい視線でもって三蔵を見る。
三蔵はというと、涼しい顔で素知らぬ振りで新聞へと目を通している。
だが、実のところ三蔵は、新聞に目を通してる振りをしながら、八戒の様子を面白そうに眺めていた。
何故、八戒が三蔵を睨み、三蔵が面白そうに八戒を眺めているかというと、悟空の知らぬところ…すなわち、炬燵の中で、現在、三蔵と八戒の攻防戦が繰り広げられていた。
その攻防戦とは、三蔵の足が八戒の足の間…ようするに、ズボンの上から八戒自身に足の指先で悪戯をし始めたのである。
器用に、親指と人差し指の間に挟んで扱いたり、親指を強く押し付けている。
「…っ…ぅ…」
少しずつ八戒の息があがり、艶を帯びてくる。
悟空にバレないように熱い吐息を吐き出し、唇を噛みしめて耐える。
ギュッと固く瞳を瞑り、快感を遣り過ごそうとする姿は、とても色っぽいもので、三蔵の気を昂ぶらせる。
「ぁ…っぃや…」
三蔵の足の親指の爪がひっかくように触れる。
ピクンと八戒の体が小刻みに震える。
「どうかしたのか?」
そんな八戒の様子に三蔵が心配そうな口ぶりで声をかける。
「何?八戒、どうかしたの?」
三蔵の声に八戒の様子に気付いた悟空がみかんから気を逸らして八戒を見る。
「どうもしてない…っです」
頬を朱に染めて、潤んだ瞳で、それでも何でもないと微笑む八戒。
「そう?」
納得がいかないが、八戒がそういうならと悟空はまたみかんへと意識を戻す。
「熱、あるんじゃないか?」
とても心配そうな口調で、三蔵が八戒の横に来る。
声は心配そうなものだが、瞳はとても楽しそうに八戒を見ていた。
八戒の前髪を掻きあげて、そっと額に触れる。
それも手でなく、自分の額でだ。
視界の端に悟空がこっちを見てないのを確かめて、すっと手を炬燵の中に潜りこませる。
「あっ…」
額を合わせたまま、紅い唇をペロッと舐めあげる。
そして、潜り込ませた手はズボンの中で勃ちあがりはじめた八戒をズボンの上から撫であげる。
その刺激に八戒の濡れた翡翠の瞳が大きく見開かれる。
「三蔵…っ…」
潜り込んだ腕を握り締め、縋るように三蔵を見る。
「うん?辛いか?」
もう片方の手を、自分の体で悟空から隠して、八戒の服の上から胸の尖りを抓む。
そうして、耳元で息を吹きかけながら囁くように問い掛ける。
「やっ…ぁ…」
大きく体を震わせて、顎を仰け反らして声を殺す八戒。
曝された喉元に唇を寄せて、赤い花弁を散らす。
「きついだろ?」
言いながら八戒の耳朶噛み、大きく張り詰めた八戒自身をズボンの上から握りこむ。
「ふっ…ぅ…んっ…」
三蔵の胸に顔押し当て、ポロポロと涙を零しながら、コクコクと頷く八戒。
張り詰めたものは、ズボンのきつさにそこから出たいと主張している。
「いいのか?ここで…?」
悟空のいる横で、これ以上、進めてもいいのかと聞く三蔵。
それは、終わった後の八戒の報復を見越しての予防線であった。
「ぃっ…ぃぃ…からぁ…」
もう、体全体が熱くて仕方ない八戒。
三蔵の声にさえ、感じてしまっている。
その上、声と唇で耳を、手で胸と自身を同時に弄られて、あまりにもの快楽におかしくなりそうだった。
潤んだ瞳を開けて、三蔵を見つめる八戒。
それに吸い込まれるように唇を寄せた三蔵。
二人の唇が触れ合う直前……
「あ〜っ!!」
悟空の大きな声が、濃密な空気が充満している部屋に響き渡る。
「…っ!!」
ビクッと三蔵と八戒、二人の体が跳ねる。
悟空の存在を思い出し、青ざめた八戒が三蔵の体に隠れるように顔を押し付ける。
悟空に見られたのかもしれないという不安が胸に突き刺さっている。
「どうした、悟空?」
それに気付いた三蔵が八戒の背を安心させるように撫で擦る。
そして、八戒の姿を隠すように自分の胸に押し込めて、三蔵が悟空に向き直る。
「三蔵、雪♪」
嬉々とした笑顔で、窓から見える雪を見る悟空。
その声に、ホッと力を抜く八戒。
「…あぁ」
三蔵もホッとしたのか、そっと息を吐く。
それと同時に、愛撫も再開させる。
「ふぁっ…ぁぁっ…」
抱きしめている手をそのまま下に滑らし、ズボンの中に手を忍ばせる。
まだ、固く閉ざされた蕾のまわりを擽るように触れれば、八戒から甘い声が漏れ出す。
「なぁなぁ」
「あぁ?」
意識を八戒へと戻していた三蔵は、悟空の声にうざったそうに答える。
それでも、八戒を弄ぶ手が止まることはなく、八戒は悟空に気付かれないようにその手の動きに耐えるだけだった。
「外、行って来る」
徐々に、強くなってきた雪に嬉しそうにはしゃぎながら、三蔵の返事も待たずに悟空は出て行った。
「っあぁぁぁ…」
悟空の姿が見えなくなったと同時に、三蔵の指が直に八戒に絡みつく。
限界まで張り詰めたものを、焦らすように5本の指が殊更ゆっくりと轟く。
座椅子の背もたれに体を預け、三蔵の指の動くままに声を上げる八戒。
「やっ…もっ…ィカせて…ああぁ…」
「もうか?」
溢れ出している雫を先端に塗りつけるように指を擦りつける。
ガクガクと首を振って、肯定を示す八戒。
「仕方ねぇな」
座椅子に座ってる八戒を、炬燵のテーブルの上に座らせ、八戒のいたところに三蔵が座る。
「ぃ…あっ…ぁぁぁあああ…」
八戒の足の間に顔を埋め、八戒自身を銜え、イケるように強く舌先で先端を刺激する。
一際甘い声を出して、体を痙攣させて、三蔵の口内に吐き出す。
バタンと倒れ込むようにテーブルの上に仰向けになる。
「…っどい…悟空が…いたのに…」
顔を横に向け、両手で顔を覆い隠し、肩を震わせる。
荒い息をつきながら、呟かれた非難の言葉。
「八戒…」
膝立ちに立ち上がり、八戒を覗き込む。
「…ぅして…」
潤ませた瞳を指の間から覗かせる。
「悪い…どうしても、我慢出来なかった」
恐がらせないように八戒の手を取り、顔から外させる。
優しく抱きしめて、テーブルから降ろして、自分の膝の上に座らせて抱きしめる。
「あんなの…」
優しい腕の感触に体を預けて、三蔵の手に自分の手を重ねる。
「すまん」
重ねられた手を握り締め、手の甲に接吻ける。
「んっ…」
一度達した体は、些細な触れ合いにも律儀に反応を返してしまう。
それに気付いた三蔵は、そのままペロッと八戒の手の甲を舐める。
ビクンと八戒の体が跳ね、睨むように八戒が三蔵に振り向く。
「…ダメか?」
泣きすぎて、赤く腫れた瞳にキスを落としながら問う。
「キス…してください…」
大人しく三蔵のキスを受けながら、ポツッと呟く。
「ちゃんとしたキス…してくれてないでしょう…」
「あぁ…これでいいのか…」
見上げてくる瞳に誘われるまま、頬に手を添え、赤く色づいた唇に唇を重ね合わせる。
「…んっ…ぅ…」
侵入してきた三蔵の舌に自分から舌を絡めて、積極的に接吻に応える。
吐息を奪い合うほどの激しい接吻を交わし、名残惜しげに離れた唇からは銀の糸が間を伝う。
三蔵は自分の唇を些か乱暴な仕草で拭ったあと、うってかわった優しい仕草で八戒の唇を拭ってやる。
八戒はそのまま三蔵の手をとり、指先にそっとキスを落とし、上目遣いで三蔵を見つめる。
「…いいか?」
指で唇をなぞりながら、耳元で低く囁く。
「…ふぅ…んっ…ぁ…」
コクンとわずかに頷いて、肯定の意を示す。
抱きしめていた体をテーブルに座らせる。
足を開かせ、間に顔を埋め、八戒の蕾に舌を這わせる。
「やっ…ん…ぁああ…」
舌先を窄めて、擽るように中を蹂躙していく。
そして手は八戒自身に添えられ、緩やかな刺激を送り込む。
唾液で中をたっぷりと潤して、舌を抜く。
変わりに八戒で遊んでいた指を中に埋め、変わりに口で八戒自身を弄る。
「っあ…あぁぁ…あぁっ…」
2本の指で八戒の弱い部分を突き、丹念に中を解していく。
唇は八戒から離れたかと思うと、舌を先端から根元へとツーッと滑らせる。
前、後ろと弄られ、八戒の理性は完全に溶ける。
「…ぃあっ…あぁ、ぅんっ…」
三蔵にされるがままに、ひっきりなしに声を上げる八戒。
甘く艶を帯びた声は、意味を成さない音だけを紡ぎだす。
その普段よりも高く掠れた声をもっと聞きたくて、三蔵は八戒の感じるポイントを責めたてる。
「…っ、ぁあ…もっ…きてぇ…」
熱く溶け出した中は、指よりももっと質量のあるものを求め疼き始める。
足りないとでも言うように三蔵の指を締め付ける八戒の中に、三蔵は苦笑を漏らす。
「…ったく、淫乱なやつだ」
「ふぁっ…だ…っれが…こんな体に…ひやっ…ぁああ…」
三蔵の言葉に反論しようとするが、先端を舌で舐められて言葉は喘ぎにかわる。
「俺だな」
きっぱりと三蔵が答える。
「ちゃんと責任をとってやってるだろう」
ニヤッと人の悪い笑みを浮かべる三蔵。
「それとも、ここで止めて欲しいのか?」
指をスッと引き抜き、八戒を見る。
「やっ…やめないで…」
懇願するように震える体を抱きしめて、三蔵を見つめる八戒。
「欲しいか?」
「欲しい…」
「…来いよ」
誘われるままに三蔵の上に跨る八戒。
「自分で入れるんだ」
啄ばむキスを八戒に与え、八戒とっては辛いことを要求する。
「…っな…無理です…」
恥ずかしそうに瞳を伏せて、嫌がる。
「出来るだろ」
唇を舌先でなぞって、八戒の行動を促す。
「出来なければ、このままだ」
「…ああんっ…」
スッと八戒自身を一撫でして、八戒をその気にさせる。
三蔵が諦めてくれないことを悟った八戒は、恐る恐る三蔵のものに手を添え、ゆっくりと飲み込ませていく。
「っく…うぅっ…さん…ぞぉ…」
辛そうに眉根を寄せ、手伝ってくれるように懇願する。
「出来ないか?」
「これ以上は…っ無理…」
三蔵の首に抱きついて、甘えた声で三蔵が動いてくれるようにお願いする。
「仕方ねぇな…」
クッと喉の奥で笑って、八戒の腰を両手で持ち、根元まで埋め込む。
「…ひぃ…あぁぁっ…」
いきなり最深部まで突き刺さった凶器に八戒は背を逸らせて、受け入れる。
「…きついな」
三蔵を締め付けてくる八戒の中に、三蔵は一つ舌打をする。
「…んなに、締めつけんじゃねぇよ」
八戒を持ち上げ、ギリギリまで引き抜き、また根元まで深々と貫く。
「んあっ…あっ、あ…ああっ…」
何度も上下に揺すぶられて、その都度、八戒の一番感じるところを突き上げられる。
ポイントを突かれる度に、八戒からは甘く高い声が紡ぎ出される。
より八戒を乱れさせようと、三蔵の手は八戒自身へと添えられ、先端を指の腹で擦り出す。
「あぁん…ダメェッ…やぁぁぁっ…」
「どこがダメなんだ、ココこんなにしておいて」
溢れる蜜を掬って、塗りこめるように扱きあげる。
「くぁっ…そ…っな…たら…あああっ…」
後ろは上下前後に思うがままに揺さぶられて、前は三蔵の手によって新たな快感を齎されている。
「何だ、もうダメか」
三蔵の動きに合わせて自らも動いてくる八戒を眺めながら、三蔵が問う。
「ダメ…イッちゃう…ひゃぁぁぁ…」
「ちっ…仕方ねぇな…」
自ら激しく動く八戒に、三蔵は最後の刺激とばかりに、八戒の先端を強く擦り、八戒の最奥まで叩きつけるように貫いた。
「あ…っあ…あああああぁぁぁぁ…」
一際大きな嬌声と共に、三蔵の手をしとどに濡らす。
三蔵も少し遅れて、八戒の中に激情を吐き出した。

「ただいまぁ〜♪…あれ?」
散々、雪と戯れていた悟空が帰ってきても、居間から返事は返ってこなかった。
「誰もいないの?」
居間に入り、炬燵に目を向ける。
「あっ…」
驚いたように一点を見つめて声をあげ、バッと自分の口を押さえる。
悟空の見つめている一点。そこには…
仲良く抱き合いながら、炬燵に入って眠る三蔵と八戒の姿があった。
その姿に悟空は嬉しそうに微笑み、静かに二人を起こさぬようにその部屋を後にした。

「…ん」
小さく閉じられたドアの音に、八戒が微かに身じろぐ。
「…まだ、寝てろ」
自分の胸の中に引き寄せて、耳元で優しく囁く。
「…はい」
三蔵の言葉に、ふんわりと微笑んで、そのまま眠りにつく八戒。
(悪かったな…)
三蔵が起きていたことに気付かずに出て行った悟空に心の中で、謝罪する。
まだ、もうすこしだけ寝かせてやりたいと思う。
また、起きたら騒がしい日常が始まる。
それまではしばしの休息を…
二人だけで…

                                               〜END〜






まさか朔夜さんから三八の、ましてや裏のお話を頂けることになるとは…ううっ、幸せですう〜っ(><)さすが朔夜さん。お上手だなあ…。また三蔵が鬼畜なんですよねえ…それがまさに私のツボvvでも最後は甘く終るという…うふふvv以前2人でコタツは美味しいシチュエーションだからぜひそれをネタで、とお話をしていたんですが、案の定、書くのが遅い私より先に朔夜さんがUPされました。ところがUPされていた以前のHPを閉鎖されてしまったので、あのコタツの件はなしということで、とお話したところ、頂いたしまったという…。確かに嬉しい。本当に嬉しいっ!棚からぼたもち?(いや、何かが違うと思う…)ところがこの素晴らしい小説を頂いてしまったので、私もやはりコタツネタを書かなくてはならないかと思うと、なんだか複雑な気持ちになってしまうのは、仕方がないと思います…くすん。あーあ、本当に書けるんだろうか…不安になってきたよ…。
本当に有難うございましたっ(><)