|
||||||||
三蔵の手のヌクモリ
狂いだした歯車
紅のオイルを浴びて 歯車は乱れた方向へ回転する
ストッパーの外れたオルゴール
もうさまたげる物は何もない
その動力尽きるまで 何時までも動き続ける
肌から伝わってくる体温 これとよく似た覚えがある
こんなにいい匂いはしていないけれど
たしかにどこか似ている
どうせゼンマイ仕掛け
一度尽きたらもうおしまいさ
でも留め金なんて物もない
今なら全て届いていける
動き出した歯車
回さなきゃよかったのに
つぶやく声が鼓動にかき消される
レールはずれたトロッコ
もう留め金なんて効かないさ
今なら全て任せられる
END
|