トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平25情使、第146号) 

三十三間山・轆轤山 (842m 663m 福井県) 2017.5.5 晴れ 2人

駐車場(8:02)→林道分岐(8:17)→最後の水場(8:32)→夫婦松(9:04)→風神(9:36)→稜線出合(9:39)→三十三間山山頂(10:00-10:10)→稜線出合・轆轤山分岐(10:25)→轆轤山(11:05-12:11)→稜線出合・轆轤山分岐(12:48)→夫婦松(13:09)→最後の水場(13:31)→林道分岐(13:40)→住吉神社分岐(13:49)→住吉神社(13:57)→駐車場(14:09)

★5月5日に滋賀県と福井県の県境にある三十三間山に登ってきました。
★倉見登山口から谷川に沿って林道を歩き、最終水場から人工林の山道へ。
★人工林を抜けて尾根に取り付き、夫婦松を通過。
★天然林の新緑の中、急傾斜の尾根をひたすら登りました。
★風神を通過して、左に向きを変え、木々の無い大展望の広い稜線へ。
★後方に日本海を見ながら急斜面を登り切って三十三間山山頂を踏みました。
★山頂を後に、尾根出合から南の稜線に入り、いくつかのピークを越えて轆轤山へ。
★誰も登ってこない轆轤山で、大パノラマを目の前に昼食を楽しみました。
★轆轤山への道ではたくさんのマダニの襲撃に遭遇したものの、大展望を楽しむ素晴らしいこいのぼり登山2日目となりました。


 高島トレイルは乗鞍岳から西へ三国山、赤坂山、大谷山、大御影山と県境に連なっているが、大御影山からは県境を離れて三重嶽、武奈ヶ嶽と南下していく。大御影山から高島トレイルを離れて県境をたどると三十三間山に至る。三十三間山は三重嶽のすぐ西側の福井県と滋賀県の県境に位置する。こいのぼり登山2日目は、三十三間山を選んだ。

 三十三間山の登山口は福井県の倉見集落にある。福井市街から国道27号線を南下し、左にある倉見集落を通過し終える辺りに三叉路があり、ここを左折。三叉路には「三十三間山登山道」の大きな看板が立っている。左折して時計回りに2車線の道路を走るとすぐに右側に「三十三間山登山道入り口」の看板と広い駐車場。その片隅にはログハウスのトイレがある。

 トイレのある駐車場の先にもう1つ駐車場があり、一番奥に登山口があることからトイレに寄って川沿いにある一番奥の駐車場に車を停めた。2〜3台の車が駐車してあり、中央に登山届箱がある。登山届けを提出してスタート。登山口には「織田信長ゆかりの住吉神社」の看板と、右の農道方向に「住吉神社・山ノ神」の矢印があった。住吉神社には帰路に寄ることにして未舗装の林道に入る。

 2分ほどで鳥獣の進入防止柵があり、登山者用通路と書かれた扉を開けて人工林の道を歩く。杉林の中に石垣があり、昔は農地だったことがわかる。杉林の中でひっそりと咲くイチリンソウやニリンソウの優美な花に見送られて先に進む。左に谷川、右の斜面に大きな岩を見ながら歩くと、林道が分岐しており、登山道は右。山頂まで3kmの標示。

 ここから支流の谷を左に見ながら石ころだらけの道を行く。コンクリートの台座の上に積まれたケルンを通過。分岐から15分で細くなった谷を渡る。ここが「最後の水場」で何本ものパイプが設置してあり、水が飲めるようになっている。冷たい水で喉を潤し、山頂まで2.4kmの登りにかかる。

 人工林の中、道を誤らないようにロープが張り巡らされており、ロープに沿って左方向に歩く。よく踏まれたトラバース道は狭いところもあり、ロープが設置してある。水場から10分ほどで天然林の尾根に出た。チゴユリが可憐な花を咲かせている。尾根の右をトラバースで歩くところもあるが、道は尾根に沿っている。ヤブツバキがたくさん見られた。

 溝道やロープ設置の場所を通過。シカの皮剥防止のネットがかけられた人工林との境を歩き、西から上がってくる尾根に合流。木々の隙間から水を張った田園が見下ろせる。子供連れのファミリー4人に追いつかれた。軽装で、ランニングシューズの彼らは地元の方のようで、走りながら軽快に登っていく。

 4人を見送りながら、「ちょっといっぷくしませんか。十村岳人会」の標示を通過。いくらか急な斜面を、右前方から朝日と心地よい風を受けながら黙々と尾根を登る。天然林の新緑が美しい。

 小広場に出ると「夫婦松 山頂まで1.5km」の標示。2本の松は枯れて、1本は低い位置で切ってあり、夫婦松には見えないが、枯れる前は2本の松が寄り添っていたようだ。夫婦松の写真を撮って、さらに続く急斜面の尾根を登る。随所にロープが設置してあり、テープの目印もあるが、道はしっかりしており迷うようなことはない。

 山頂まで1km地点を通過。ブナの木が増えてきた。周囲の林も疎林となり、左前方には樹間から三十三間山が見え始めた。気持ちの良いブナの林を登ると「風神 山頂まで700m」の標示があり、右の道に踏み込んでみると石碑がありサカキが供えてあった。

 石碑に手を合わせて、すぐ上の稜線に登ると、いきなり大展望地である。今まで展望がなかっただけに感動の瞬間。青空の下、周りをぐるぐると見回す。ここから道は直角に左に向きを変える。下山時に右の尾根に入り込まないようにロープが設置してあり、今登ってきた方向に「倉見(十村)」と矢印がある。右の尾根の先には轆轤山があり、禿げたなだらかな山が望めた。

 三十三間山山頂方向に向かう。灌木の尾根を少し歩くと前方に三十三間山の全容が現れた。樹木のない山頂への道がうねるように続いている。ザックのこいのぼりをなびかせながら、気持ちの良い草原の道を歩く。進むにつれて尾根は芝生の草地となり、展望を遮るものは何もない。

 北西には三方五湖。国道27号線沿いの田園が入り組んだ山々の間を埋め、その先には日本海の小島や岬が箱庭のように広がっている。南西の遠くに見える富士山のような格好の良い単独峰は青葉山のようだ。その美しい山容から別名若狭富士とも呼ばれている。帰路、寄り道をする轆轤山に続く起伏の少ない稜線が素晴らしい。

 何枚も写真を撮って、緑に輝く山頂に向かう。背の低いササの斜面に取り付き、灌木のトンネルを登っていくとなだらかなブナ林に出た。足元にはカタクリの花が見られた。左に歩くと、三角点と標示柱のある三十三間山山頂に到着。木々に囲まれて展望はない。先着の単独男性から冬には4mほどの雪が積もるなどこの山の話を聞くことができた。山頂の周囲には美しいブナ林があり、カタクリやタムシバ、ミヤマカタバミの花が見られた。

 写真を撮って、登ってきた道を下る。何人かの登山者と出会った。人気の山である。稜線出合まで戻って、ここから轆轤山を目指す。ロープを跨いで枯れたススキの尾根に入る。ススキの枯れ葉で道はわからないが、踏まれた跡があり、尾根を外さないように緩やかに下っていく。

 ススキの道は灌木の道となり、木の下をくぐるように歩く。イカリソウの花を見ながら、再びススキの道に出て緩やかに登る。イワカガミの花も見られた。尾根は右に折れて再び左に折れる。裸地の急斜面を滑り落ちないように下って登り返す。前方に見える丸いピークは692mピークのようだ。

 尾根にあるツゲなどの灌木はシカに食われて棒状の樹形になっているのが面白い。高島トレイルの赤坂山で見たものと同じである。シカが多いことから、マダニのチェックをすると、ズボンに茶色のマダニの若虫が何匹も付いていた。なるべく草や木に触れないように692mピークを登る。

 ピークの下りの道は低い木々に覆われた道で、マダニが間違いなくいるので、道を外して木のない裸地を下った。次のピークはなだらかで木や草が無く、土が露出している。なぜ木や草が生えないのか不思議である。マダニの心配もなくピークの上に立つと、さらに先に裸地のピークがあり、頂上に石があるのが見えた。轆轤山である。

 左には谷を隔てて高島トレイルの峰が連なる。大きな2つの山塊があり、左が三重嶽、右が武奈ヶ嶽。いつか歩いてみたい稜線である。轆轤山に向かって砂礫の広い尾根を歩く。草木がない丸いなだらかな尾根は、双六岳など森林限界以上のアルプスの雰囲気がある。異国の砂漠地帯か火星のような他の惑星を歩いているような気分にもなる。不思議な地形を持つ山だ。

 シカが食わないアセビの満開の白い花を見ながら轆轤山山頂を踏んだ。山頂は広く、白い岩の横に打ち込まれた杭と、その下に山名標示板が置いてあった。ケルンもある。山頂は360度の展望地。遮るものは何もない。ここからも三方五湖から青葉山まで180度の日本海側が望め、また反対側には三十三間山から高島トレイルの三重嶽や武奈ヶ嶽などが望める。

 ケルンの横で日本海を見ながら昼食にする。メニューは卵雑炊。三十三間山方向から1名の男性がこちらに向かってくるのが見えたが、手前のピークで引き返された。この日、轆轤山山頂を踏んだのは我々だけのようだ。もう少し登山道を整備すれば面白いコースになると思う。さらに尾根を歩いて林道経由で周回もできるようだが、途中、踏み跡がないとのネット情報だったので、帰路は引き返すことにし、下ってきた道を戻った。

 692m付近で再びマダニの襲撃を受けたが、頻繁にチェックして払い落とし分岐点まで戻った。分岐点から、何人かの登山者に交じって登ってきた道を下る。駐車場に着く少し手前の林道に住吉神社への分岐があったので神社に向かう。鳥獣害防止フェンスに沿って歩くと住吉神社の境内に出た。

 織田信長が倉見集落を通過したときに信長の乗った馬が動かなくなったり落馬する者があったりしたことから、神社に祈願したことで信長にゆかりのある神社となったそうだ。神社に参拝して、駐車場に向かったが途中でフェンスに遮られ、やむを得ず田畑の畦を歩いて登山口にある分岐に戻った。登山口の分岐から神社を目指すと道が草に消えて戸惑うに違いない。

 三十三間山は何といっても山頂手前の展望地がすばらしい。日本海側のパノラマは一級の眺望である。途中、展望地が無いだけに稜線に出た時の感動は大きい。三十三間山は登山者は多く、道を誤るような場所もない。しかし、轆轤山への尾根に整備された道は無く、夏にはススキに覆われてヤブになる。また、マダニも多い。雪が消えたころがベスト。

 次は、目の前に見えた三重嶽・武奈ヶ嶽を歩いてみたい。
 
★三十三間山・轆轤山からの展望



★三十三間山・轆轤山の花

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