トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平25情使、第146号) 

烏帽子ヶ岳 (2195m 長野県) 2016.9.3 晴れ・曇り 2人

鳩打峠駐車場(7:03)→登山口(7:07)→小八郎岳分岐点(7:33)→小八郎岳(7:56-8:08)→巻道合流(8:17)→白ナギ(9:24)→飯島ルート分岐点(9:36-9:50)→セキナギ(10:05)→8/10地点(10:30)→9/10地点(10:56)→烏帽子岳山頂(11:23-12:30)→烏帽子岩(12:32-12:36)→セキナギ(13:18)→飯島ルート分岐点(13:40)→白ナギ(13:47)→小八郎岳巻道分岐点(14:30)→小八郎岳分岐点(14:46)→駐車場(15:08)

★9月3日に長野県の烏帽子ヶ岳に登ってきました。
★松川町の鳩打峠をスタート。
★カラマツ林を歩き、小八郎岳経由の道に入り、急斜面を登って小八郎山山頂へ。
★山頂からは南アルプスや信州の田園、そして反対側には目指す烏帽子ヶ岳が遠くに見えました。
★小八郎岳を下って、ササの刈り払われたなだらかな道を歩き、5合目を通過。
★ササに覆われた急斜面を登って白ナギを見下ろし、その先で飯島ルートと合流。
★左に向きを変えて、セキナギで絶景を楽しみました。
★岩や木の根に覆われた歩きにくい急斜面をゆっくり登って、8合目、9合目を通過。
★急登にバテながら、セリバシオガマの花に元気をもらって、烏帽子ヶ岳山頂に到着しました。
★雲が湧き上がって、展望は今一つでしたが、ガスの切れ間からわずかに中央アルプスを望むことができました。
★久しぶりのロングコースを登り切って、達成感のある素晴らしい山歩きとなりました。

 不安定な天気と多忙により、今年は8月に夏山に行けなかったことから、9月初めに1泊2日の山行を予定した。しかし、休日の天候が今一つであることから、日帰りの山歩きに変更。前夜泊すればロングコースの山に登れることから、長野県松川の烏帽子ヶ岳を選んだ。

 烏帽子ヶ岳は上伊那郡飯島町と下伊那郡松川町のほぼ境にある山で、中央アルプス南部の奥念丈岳から東の尾根の末端近くが烏帽子ヶ岳と小八郎岳となる。登りのコースタイムは約4時間。最近、登り2時間以内の山ばかり登っているので、果たして山頂に立てるだろうか・・・。
 
 前日の夜、自宅を出発して、中央自動車道のPAで車内泊。早朝、松川ICを目指す。飯田ICを過ぎて次の松川ICに近づくと、左前方に烏帽子の姿をした格好いい山が現れる。目的の烏帽子ヶ岳であり、登頂意欲が湧く姿をしている。

 松川ICを下りて最初の信号交差点を左折して県道15号線へ。片桐松川に架かった橋を渡って500mほど進んだ交差点の左側に「烏帽子岳・小八郎岳登山口」と書かれた看板がある。その下にはむらやま公園の標示がある。矢印に従って、ここを左折。
 
 100mほど先に三叉路があり、登山口は直進の標示。左はむらやま公園に至る。トイレに寄るため、この分岐を左に進み、河川敷にあるむらやま公園に向かった。ここには立派なトイレがある。大きな駐車場でUターンして、三叉路まで引き返し、登山口に向かう。
 
 林道の道幅は狭いが舗装されており走行に問題は無い。途中の分岐は左に入る。更に上ると広い草付きの駐車場が現れるのでここに車を停めた。広場との境がブロックで仕切られており段差がある。この上にも2カ所ほど小さな駐車スペースがあるが、すでに満車だった。数台の車が停まっており、登山者の多い山のようだ。駐車場からは伊那谷を隔てて南アルプスが見える。マツムシソウの花がたくさん咲いていた。
 
 靴を履き替えてスタート。林道を歩くとすぐに鳩打峠の標示板があり、「小八郎岳まで40〜50分 烏帽子ヶ岳まで3時間」と書いてあるが、3時間は小八郎岳からの時間のようだ。

 カーブを曲がると案内図と登山届け箱が設置してある。登山届けの用紙は置いてないので事前に用意する必要がある。また、小八郎岳と烏帽子ヶ岳の山頂で撮った写真を清流園などで見せると缶バッジがプレゼントされる標示もあった。バッジをもらうために、なんとしても山頂にたどり着かなければならない。
 
 登山口は案内図の横にある旧登山口と少し先の新登山口がある。新登山口から登ったが、すぐ上で旧道と合流している。適度な傾斜の道を登ることから、ピッチがつかみやすい。ササユリが自生しているようで、採取禁止の標示がある。
 
 アカマツ林を抜けカラマツ林へ。右にヒノキの人口林を見ながら尾根を歩く。登山口から25分ほど歩いたところで分岐が現れた。右は小八郎岳経由、左は巻道。小八郎岳に寄ることとし、右に進む。
 
 アカマツにロープが結んである場所を通過。地面にロープを結んだところが窪んでいる写真が置いてあった。単調な尾根道を分岐から20分ほど歩いたところで、右に小八郎岳への分岐があった。急斜面を1分ほど登ると東屋が見え、小八郎岳山頂に到着。
 
 山頂は草付きの広場となっており、東屋とベンチ、方位盤、石碑、そして1本のマツの木があった。たくさんのマツムシソウが満開で、蜜を求めて数匹のキアゲハが舞っている。先着の夫妻が休息中。
 
 山頂からの展望は素晴らしく、南アルプスの大パノラマが目の前に広がる。山頂付近が雲に覆われているが、仙丈ヶ岳や鋸岳など北部の山が望めた。北西にはこれから目指す烏帽子ヶ岳が青空を背景に鋭く尖った山頂が見える。何と遠いことか。山頂右下にはセキナギと呼ばれる崩壊地が確認できた。セキナギから山頂までは比較的近いように見えたが、このあと最大の難所がこの区間であることが分かる。
 
 展望を楽しんでいると、登山口で出会った夫妻が登ってみえた。石碑の前で写真撮影をお願いした。4名を見送って、小八郎岳山頂を後に、登ってきた道を下り、分岐から烏帽子ヶ岳方向に向かう。
 
 ササの道を歩き、左側に踏み跡の薄い道を見る。これは巻道の合流点と思ったが、さらにアップダウンしたところで巻道に合流した。合流点には3/10の標示。まだまだ先は長い。
 
 ササが刈り取られた道を右山で歩いて尾根道に出る。カラマツ林の中、単調な登りが続く。花はわずかにアキノキリンソウが見られる程度で、時折現れるキノコを観察しながら歩く。5/10の標示を通過。左側が切れ落ちた尾根の道となり、傾斜も増してきた。

 小八郎岳で出会った夫妻が展望地で休憩してみえた。ここから烏帽子ヶ岳の山頂が手前のピークに重なるように見えた。かなり近づいてきた。この辺りから道脇のササの刈り取りが行われておらず、ササが道を覆うほどのところもある。
 
 ロープが設置してある急斜面を登っていくと、左側が崩壊している白ナギと呼ばれる場所を通過。名前の通り、崩壊地には樹木がなく白く見える。崖縁を通過するのは危険なことから、道は右のササの中に付けられている。ササは背丈を超えるほど高くなり、木の根を乗り越えるところが頻繁に現れる。
 
 足下に注意しながら登り、6/10標示を通過。再び白ナギ上部へ。目の前には、念丈岳から大高森山、吉田山へと続く稜線が見える。マイヅルソウやイワカガミの葉を見ながら、低くなったササの尾根を歩いて、大きな標識のある広場に出た。ここが飯島ルートとの合流点。飯島ルートは初心者向きではないとの標示がある。ENUの足がつったので、パンを食べながら長めに休憩した。先ほどの夫妻がここで休憩することなく先に行かれた。
 
 ここから右に向きを変えて西方向に歩く。気持ちのいいササの尾根を一旦下り、ロープのあるヤセ尾根を通過。尾根を外して左山で登っていくと。先ほどのご夫妻に追いついた。大きな崩壊地のセキナギである。下を覗き込むと、恐ろしいほどの高度感である。崩壊は進行中で、いずれは登山道も崩壊してしまうと思われた。

 ここも白ナギと同様に道は尾根を右に外してササの急登。木の根が多く、新たに作られた道のようだ。セリバシオガマの白い花を見ながら、二人の後を追っていく。後方には先ほど見下ろしたセキナギが見える。木の根の斜面をトラバースして、再び2名に追いついた。ここもセキナギの上部で、ここからは南アルプスや市街地が望める。セキナギを後に、ササの尾根を登っていくとツガの林となり、ササは消え、イワカガミやセリバシオガマ、さらにゴゼンタチバナも現れた。

 ササが消え、様相が一変する。大岩が尾根に居座り、岩を左に巻いた幅の狭い道を慎重に通過。8/10標示を見てもう少しと思ったが、このルートの本番はこれから。倒木を越え、木の根がむき出しになった急斜面を登る。細いトラバース道もある。ひたすら登って大岩が現れたところで9/10標示。

 岩を巻き、ロープ場を通り、ぐんぐんと標高を稼ぐ。足を大きく上げる場所が連続してさすがに疲れてきた。下山してきた登山者と出会う。小八郎岳で出会ったご夫妻も既に下山してみえた。山頂の状況を伺うと、雲が出てきて展望は無いかもしれないと言われた。また、念丈岳に向かったパーティがあるそうだ。

 尾根を左に外して、再び現れたササの道を行くと、岩壁に当たり、ロープとクサリが設置してある。ストックを手首に通して登り、岩を巻き、その先で明るい稜線に出た。右は烏帽子岩であり、帰路に寄ることにし、左の樹林を抜けると岩が積み重なる山頂に到着。8合目を過ぎてからペースが落ちて山頂に着けないかもしれないと思ったが・・・。コースタイムを20分オーバー。実に登りがいのある山だ。

 山頂には誰もいなかった。ちょうど雲が湧き上がってきたところで、周囲の山々は望めたが、南駒ヶ岳や空木岳方面は真っ白。伊那谷の市街地や南アルプスも見えないが、北西には念丈岳が望めた。展望は今一であるが、4時間以上かけて登ったことから達成感は大きい。

 岩が積み重なった山頂のわずかな隙間で昼食の準備をした。メニューは卵雑炊。昼食をとっていると単独女性が念丈岳の方向から山頂に到着。聞いてみると、念丈岳に向かったパーティの一人で、とてもついて行けないので戻ってきたとのこと。ここから念丈岳までは2時間半かかる。相当な健脚でないと先には進めないと思った。単独女性は山頂に留まることなくすぐに下って行かれた。待ち合わせ場所は駐車場なのだろう。

 途中で追い抜いたご夫妻がなかなか山頂に到着しないのが気になった。昼食を終える頃、ようやく二人が登ってみえた。ご主人がバテて遅くなったとのことだった。やはり8合目より上のところがきつかったようだ。すぐ後に3名の女性が到着し、山頂は賑やかになった。ちょうどガスが切れ、雲のかかった南駒ヶ岳や空木岳が見えた。また、伊那谷も見ることができたが、その後、山頂はすぐにガスに覆われた。

 荷物をまとめて、山頂を後に登ってきた道をわずかに下ると烏帽子岩の下に出る。岩をよじ登って烏帽子岩の上に立った。ガスの隙間から下界を見下ろす。登ってきた尾根がS字を描いてガスの中に続いている。白ナギも見える。小八郎岳より向こうはガスの中だ。

 高度感を楽しんで岩から下りた。セキナギを通過するまでは、岩や木の根の急斜面や足下の見えないササ道であり、慎重に下った。白ナギからは単調な道を黙々と下り、小八郎岳と巻道の分岐点へ。山頂で出会った女性を追い抜いて、巻道に入る。

 カラマツ林を右に見ながら左山で緩やかに下る。道は一直線の下りとなり、足下にはヤマジノホトトギスやホタルブクロの花が見られた。再び左山となり、小八郎岳の分岐点で往路に合流し、ここから20分ほどで登山口に到着。休憩無しで山頂から一気に下ってきたので足がわなないていた。靴を履き替えていると、念丈岳に登られたパーティが戻ってみえた。

 帰路、清流園に寄る前に、松川町内の農産物直売所を回ってリンゴやナシを購入。規格外品は格安となっており、お土産に大量に購入。買い物の後、清流園で缶バッジをいただき、温泉で汗を流し、夕食をとった。ソースカツ丼やごぼとん丼、ローメンなどこの地方の名物メニューを美味しくいただき、岐阜に向かった。

 烏帽子ヶ岳は実に登りがいのある山だ。展望地も多く、登山道も変化に富んでいる。道を誤るようなところはないが、セキナギから上は細いトラバース道や岩や木の根がある斜面の登りが多く、慎重な行動が必要。奥が深いので、時間に十分な余裕を持って登れば、記憶に残る山歩きができる。
★烏帽子ヶ岳からの展望



★烏帽子ヶ岳の植物
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