第2部 沖縄で…
第1章 沖縄到着
「お久しぶりです」
到着ロビーでエダを待っていたのは、某建設会社の沖縄営業所長M氏だった。
M氏は某建設会社の東京支店で営業課長をしていた(この頃、エダと仕事上のつきあいがあった)が、4年前に転勤で沖縄に赴任し、完全に沖縄へはまっていた。(あまりの住み易さに、これまでに本社への転勤の辞令を2度断っているらしい…)職業柄、本土からの客人には慣れているらしく、「車でご案内しますよ! 今日は天気が良いけど明日は良くないみたいだから、今日は北部へ海を見に行きましょう」と誘ってくれた。
そこでエダは考えた。「みんみんさんたちと打ち合わせた今日の予定は、午前中が玉泉洞、午後が首里城…それから夕方は念願の沖縄オフ!…北部は予定に入ってなくて、そもそも今回は海見るのは諦めてたし…でも、せっかく沖縄に来たんだから海は見ても良いかなぁ…」(エダ@優柔不断)
結局エダがM氏に言ったのは、とってもワガママな発言だった。
「沖縄で行きたいところは、首里城と公設市場です。それから玉泉洞でエイサーを見てガラス吹きをするつもりで来ました。それから今日の夕方は人に会う予定(←オフ会)があります。海を見るのはいいんですが、夕方までに戻れますか? それから、明日だけでエイサーを見てガラス吹きってできますか? それができるなら今日のスケジュールはお任せします!」
しかし、心の広いM氏はちょっと考えて「それなら大丈夫。今日は首里城を見てから北へ海を見に行きましょう。玉泉洞は明日の午前中だけで十分でしょう」と優しく応えてくれた。結局、レンタカーは予約していたものの空港からホテルまで。そこでM氏の車に乗り換えて首里城と北部の海を見に行くことになった。
「私はここで待ってますから…」
二人はまず、首里城の駐車場に車を停めた。そしてレストハウス(?)に入ると、M氏はそう言ってゆっくりとタバコをふかした。もう何度も首里城は来ているということもあるのだろうが、ヘビースモーカーのM氏は、よっぽどタバコが吸いたかったようだった。エダがタバコを吸わないため、車の中でもタバコを我慢していたらしい。運転手をやらされた上に、全く気の毒な話である。廻りにはホントに優しい人が多く、エダは幸せものである。
「はい、じゃぁ行ってきます♪」エダは意気揚揚と首里城探検(←かなり大袈裟)に出発した。
レストハウスは修学旅行生がたくさんいたが、何故か首里城の中は閑散としていた。首里城は、さすがに「世界遺産」に登録されただけのことはある。本土の戦国の城のような「要塞」というイメージでない。「舞台」のような風格を漂わせ、赤と白の優雅な概観、豪華な内装は、「沖縄」…というより「琉球」文化の象徴に見えた。(ただ、世界遺産というわりに最近の建物だったのには少し驚いた)
<首里城!・・・みなさんご存知でしょうが、お約束ってことで。。。(^^; >
最後の部屋は、お決まりのお土産売場。「誰に」というあてもなかった(それもまた寂しい…)が、紅型の栞を4つ買った。「なんかのクイズの賞品にしよう…」エダは漠然と考えていた。(と、いうことで、いつ完成するかわからないこの旅行記を最後まで読んでいただいた方の中から抽選でプレゼントします♪)
「暖かいなぁ…」エダはレストハウスに戻る途中、売店でシークァーサージュースを買い一気に飲み干した。気温は徐々に上昇しポカポカ陽気になっていた。この辺りから、エダは自分が厚手の長袖シャツを着ていることを後悔し始めていた。
「ソーキそばにしましょう」
首里城を一通り見学して戻ると、時間は午前11時半を廻っていた。昼食は首里城のレストハウスにある食堂でとることにした。「沖縄に行ったら『そば』食べなくちゃ!」と思っていたエダは、昼食にそばを食べることに不満は全くなかった。しかし、「どこかガイドブックにでも出ているような店で・・・」と考えていたエダは首里城のレストハウスでたべるということがちょっと残念だった。でも、一口食べてみてその残念さは杞憂であったことに気が付いた。これがまた、美味しいのである。(注・エダは沖縄そばの経験が少ないので他店と比較しているわけではありません)
あばら肉の骨を最後までしゃぶり、汁を最後まで飲み干して満足して昼食を終了した。さて、いよいよ58号線を北上して、沖縄のキレイな海へ出発である!
第2章 58号線をいざ北上!
「ちょっと見ていきましょうか」
58号線を走っていた車が、交差点を左に曲がった。するとそこには観覧車が見え、整備された街並みが広がっていた。「はじめは誰がこんなとこ来るんだろう・・と思ったんですが、結構流行ってるんですよ(笑)」M氏は笑いながら言った。(…いかにも業界人らしい発言である・・・(^^; )
突き当たりに車を停め、少し歩くと目の前には砂浜が広がっていた。青い海、白い砂浜…沖縄の定番である。ただ、なぜかそれ程の感動はなかった。(まぁ、男二人で砂浜を歩いて感動しているようではいけないのかもしれない。今ガイドブックを見ながら振りかえると、美浜タウンのサンセットビーチだったようである。まだ午前中だったので、太陽光線が逆になって海の青さが少し足りなかったのかもしれない)
「ここを見ていきましょう」
二人は、整備された街並みを後にして海沿いの細い道へ車を走らせていた。
「ここはダイビングスポットとして有名で、若い人たちが集まるんですよ」M氏はそう言って海沿いの細い道に車を停めた。辺りには「駐停車禁止!」という看板がたくさんあった。「夏は、夜になると車が集まって大変らしいですよ」M氏が解説してくれた。午前中だからか、シーズンオフなのか、あまり人はいなかったが、見回すと道端にはダイビングショップがあり、数人の若者がウェットスーツで防波堤に座り談笑していた。
(今ガイドブックを見ながら振りかえると、たぶん砂浜海岸のサンセットビューライン通りだったのだと思う。そうすると、夕方になるとカップルが増えてきていたのだろうか…)
車を降りると、エダは一瞬言葉を失った。防波堤越しに、そこにはまさに「青い海」が広がっていた。東京近郊にも海はある。外房や伊豆に行けばマリンリゾートと言われダイビングのできるスポットもある。(残念ながら、エダはダイビングはやったことはない)しかし、沖縄の海はあきらかに東京近郊の海とは違っていた。そう、青いのである。
海を眺めるエダに、M氏はニッコリ笑って言った。「ここはまだまだですよ。これから段々とキレイな海になりますからね」
<サンセットビューライン・・・エダが初めて感激した『青い海』です>
「ちょっと寄り道しましょう」
58号線を北上していた車は、嘉手納ロータリーを右に廻り嘉手納基地沿いの道に入った。M氏は、見せたいものがあると言い、しばらく走ると車を路肩に停めた。「さっ、ここです」段を上ると、嘉手納基地が一望できた。「ずっと向こうまで基地なんですよ」M氏はつぶやいた。(これも後でガイドブックで知ったが、「安保の丘」というところだったようだ…)
演習日ではなかったのだろう。飛行機は止まったままで基地はただ広いだけの空き地に見え、基地の向こうは目を凝らしても見えなかった。これだけの基地が本当に必要なのか…エダには良く判らなかった。そう言えばM氏は普天間基地の横を通るときにも「この基地はじゃまだと思いますよ…」と言っていた。ただ、必ずしも基地に反対している訳ではなく、エダに意見を求めるわけでもなかった。「沖縄は、基地があるから生活が成り立っているんですよ…」M氏は小さくつぶやいた。
<嘉手納基地・・・手前の茂みばっかりで、基地があんまり移ってない (ーー;) >
「コザもイイ街なんだけどねぇ…」
車はカデナ基地を廻り込んでゲート通りに出入っていた。そこはまるでアメリカだった。古いアルファベットの看板が並び、街を歩くのは基地の人々…「コザは米軍基地の街なんだなぁ」と実感するには十分だった。ゲート通りから330号線へ右折、中央パークアベニューを曲がる。そこは細い道だが両側にアーケードがあり、洒落た店(←おやじの表現!?)が並んでいた。
「ここは有名なんですよ!」店名はチャーリー多幸寿、M氏に教わりエダはちょっと食べてみたいという衝動に駆られた。しかし、車を停めるところも見当たらず、そもそも寄る予定がなかったのでそのまま通過することにした。ただ、コザの街を見れると思っていなかったエダとしては、非常に得した気分になっていた。
中央パークアベニューを通りぬけると、M氏は寂しそうにつぶやいた。「最近は、米兵もお金使わないらしくて、この辺も店が随分閉まっちゃってねぇ…。昔は、この辺のライブハウスでは一晩でバケツ一杯ドル札が集まったらしいけど…」M氏が沖縄に来たのは4年前、そんな時代を知っている訳ではないだろうが、最近段々と活気がなくなっていることを嘆いていた。
ちょっと話が重たくなったので、この辺で58号線へもどることにする(笑)
「いらっしゃいませ」
午後2時を過ぎた頃、二人の車は南欧風のゲートをくぐりホテル日航アリビラに車を停めた。高級ホテルということではないが、きちんと教育された従業員が丁寧に二人を迎えてくれた。ホテルのプライベートビーチに入ると、白い砂浜が広がっていた。青い海と白い砂浜のコントラストはとても美しかった。季節はずれのビーチは人影もまばらだったが、決して寂しいイメージはなかった。「キレイですねぇ〜〜」エダはそれ以上の言葉を見つけることができなかった。すれ違った子供が「今日の天気なら泳げるね!」と言っていたのが印象に残った。気温はたぶん20度を軽く超えていただろう。
<ホテル日航アリビラ・・・今度来たときはこんなホテルに泊まりたい!?>
<アリビラのプライベートビーチ・・・さすがに泳いでいる人はいなかった。。。>
<アリビラから見たビーチ・・・光の加減で、蒼い海がキレイでした♪>
<おまけ・・・・アリビラのやどかりくん>
「シークァーサージュース下さい」
二人は(正確には、「エダは」かもしれないが…)、ビーチの景色を堪能した後、ホテルのラウンジで一休みすることにした。日差しは徐々に強くなり、エダは冷たいジュースを飲みたい気分になっていた。窓際の席に案内され日の当る席に座ると、長袖でいるには暑かった。「夏の陽射しみたいですね…」というエダに、M氏は笑って言った。「沖縄の夏の陽射しは、こんなもんじゃないですよ(笑)」
厚手の長袖を着たエダは、既に汗をかいていた。この辺りになると、寝起きに厚手の長袖を選択した自分をかなり後悔している。ここでエダは、再度シークァーサージュースを注文した。(首里城に続いてまたである。何故か…というと、やっぱり「あるある」の影響だと思われる…(^^; )シークァーサーは、メニューではアルファベットで「Hirami Lemon」と書かれていた。(だからどうしたって?…その時まで、そう言うとは知らなかったもんですから…でも、みなさんはご存知でしたか?)
「今日はここまでですね」
58号線を北上し、二人はサンマリーナホテルに到着していた。M氏としては、もっと北上すればまだまだキレイなビーチがあると残念がっていたが、エダの訪沖の主目的であるオフ会に遅れるわけにはいかないので無理はしないことにした。
「ここにはマンタがいるんですよ」ホテルの水槽を覗き込んでM氏が言った。残念ながらその姿を見る事はできなかったが、マンタを飼っているとはなんとも沖縄チックな話である。
ビーチに出ると、浜から海へ向かって遊歩道が伸びていた。男二人であるくのも不思議な雰囲気だったが、海を見ながらしばらく歩いた。海から吹く風が心地よかった。
まだまだ一日目・・続きは、もうしばらくお待ち下さい。