EXPO TOWERに再会。
国立国際美術館 近作展29 『ヤノベケンジ MEGALOMANIA』へ。
この美術館は千里万博公園にあるので、ついでに
ほかの建物の写真も少し撮ってきました。楽しかった…
(2003/9/28)
ここで万博関連の話をするのは、これで3度目(前回は1年前)ですが。
'70EXPOが好きだ好きだと言うわりには、
万博公園まで足を運ぶことは、実はあまり無くて。
元・万博美術館にして現・国立国際美術館も未体験ゾーン。
企画展がどうしても見たくて、今回初めて中に入ったのでした。

国際美術館入口。ポスターが貼ってありました。
この『MEGALOMANIA』展を知ったきっかけは
偶然見かけた、「映像'03」というドキュメンタリー番組。
黄色い宇宙服(もしくは潜水服)姿の謎の人物、ヤノベケンジ氏が
クレーンで分解されゆくエキスポタワーをじっと見上げている・・・
おお。解体現場だ。それまで忙しく動かしてた指がリモコンから離れ、
思わず見入っていました。タワー解体シーンの動画は初めてだもん。
その後、いろんなとこへいろんな人に会いに行き、訥々と語り合うヤノベ氏。
大村崑さんとは、お祭り広場にあった巨大ロボット『デメ』の話、
“目玉男”こと佐藤さんとは、太陽の塔アイジャック決行時の話、など
他ではあまり聞いたことのない、地味だけどお宝な万博逸話がいっぱい。
なんでも、彼の創作原点は、幼い頃に遊んだ場所である
大阪万博パビリオン解体(後?)の光景だそうで。
「未来の廃墟」みたいなものに取り憑かれた人らしい。
いやん。ちょっと待って。万博、未来、しかも廃墟、、、ツボ直撃やん。
だいたい、MEGALOMANIA(誇大妄想狂)、ちうタイトルからして、もう。
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引き続き、胸躍らせながらおとなしく見ていると。ヤノベ氏、なんと
太陽の塔の内部へと入って行くではないですか。(いいなあああー…)
生命の樹、腕部分の階段などもきっちり押さえてから、上へ。
狭い通路や梯子を汗だくで潜り抜け、ついに塔てっぺんに到達した彼は
金色に輝く顔の、目玉の中に座っていました。“目玉男”氏へのオマージュか。
カラスに驚いたり、景色に感心したり、強風にびびったり。
およそ芸術家らしからぬ、気取ったところの無い「素」丸出しな感じ。面白い。
胸にガイガーカウンターを付けた、黄色い宇宙服の名前が「アトムスーツ」。
またこれ頭の突起があのアトムっぽかったりもして、かわいい。
アトムスーツ・プロジェクトとして、このスーツを着て廃墟や荒野を訪ねては
その風景の中の自分を写真に撮っているらしい。
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(チェルノブイリにて、無人の幼稚園や遊園地に佇んでいたり
エキスポタワーに登って内部の植物を持ち帰ったり。
太陽の塔に登ったのもこのプロジェクトの一環でした)
番組内で、MEGALOMANIA展の様子も紹介されており、
あやしくもかわいらしいマシンがいっぱい、何やら楽しそう。
線路を走る、ちいさな機関車様の乗り物を自ら操縦するヤノベ氏。
真っ白でまん丸なタンキング・マシーンに浸かっている水着の女の人。
イッセイミヤケの試着室、クイーン・マンマ(ポスターに写ってるやつです)もある。
くだんのエキスポタワーの廃材も、一部譲り受けて作品化しているらしい。
中には、タワー内部から実際に採ってきた苔を使ったオブジェがあるとか。
万博好きがこれを見に行かなくてどうする?Doする?というかんじで。ホントに。
ある晴れた日、相方と共に万博公園まで出かけたのでした。暑かったー。
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照りつける日差し、人もまばらな公園内。
駐車場から結構な距離をてけてけと歩き、国際美術館へ到着。
ああ、この昔っぽいビルの感じ、好きだよう。久々にデジカメが活躍しました。
(それらの写真はまた後ほど出てまいります…)
観覧料を払い、動いていない大きなエスカレーターを横目で見やりつつ
エレベーターで3階へ。
おおー。なんか、街が出来とる・・・これが妄想都市か。
ヤノベ氏幼少時の作品(工作だけでなく作文や小説?!もあった)から
廃墟や砂漠や氷原でのアトムスーツ・プロジェクト写真、
エキスポタワーのキャビン廃材を使った真っ白い部屋、そして
大きな大きなロボット(数十分間隔でギイ〜と動き、水蒸気を吐いたりする)まで
すべての展示物、いちいちが不思議で楽しい。
が、むろんのこと館内は撮影禁止。文字でしか伝えることができませんのです。
どうしよう・・・うーん、強いて言えば、静かにわくわくする感じか。
子供の頃、息をつめて何かに夢中になってた気持ちを思い出すようなね。
アトムスーツにアトムカー、対人威嚇防御スーツ、
領土拡張偵察機、サバイバルトレイン、、、
汚染され荒廃した未来の廃墟、というシチュエーションを想定しつつも、
そこで役に立つのか立たないのかよくわからないような
ユーモラスで風刺の効いたマシンの数々。
ほとんどが人間の顔や姿を模していて(どことなくジブリちっくでもあり)
古き良き懐かしきメカっぽさ。無機質なのに不思議とあったかくて
突き放されると同時に受け入れられてるような、皮肉で優しい独特の距離感。
わくわくと心が躍らされつつ、どこかうすら寒いような怖さもありつつ、、、って、
もうほとんど何言ってるかわからなくなってきた私。いやムズカシイ…
身長5センチくらいのアトムスーツ・フィギュアが何百体も整然と並べられ、
あちこちでひそやかなビープ音を発してる(=放射線を感知している)光景なんて
なんともいえず非現実的で、ドキドキして、飽きずいつまでも眺めていたくなる・・・
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会場の隅、黒いカーテンで仕切られた一角では
1時間ほど(?もっとかな?)の映像を見ることができました。
『MEGALOMANIA』展開催に至るまでの経緯とか
目玉男さんのインタビュー(テレビより長かった)とか
アトムスーツ・プロジェクト『太陽の塔乗っ取り計画』(これも長かった!嬉)とか。
全〜部、しっかり堪能してきました。
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最後に、エキスポタワーの白い部屋。(正式名称を忘れました…)
中にも入れたんです。入ってすぐの、ロープが張られてる所までですが。
沢山の蛍光灯でまばゆいばかりに照らされた内部。
エレベーターのように上昇・下降を繰り返している円盤には
こんもりと苔が植えられており。
これが、空中のキャビン内に自生していたという苔なのね。へええ。
ほったらかされててもう誰も来ない、朽ち果てるのをただ待ってるようだった
あのタワーが、こんな生命をひそかにはぐくんでいたとは。
タワー解体の現場、クレーンで降ろされるキャビンを見たヤノベ氏の言葉。
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「熟した未来の果実が落下した」
「果実の中の種は芽生え、再び天に伸びようとする」
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そして、もとは球形だったキャビンの壁を、延々垂直に重ねて
バベルの塔ばりに天に届きそうな新しいタワーを“妄想”するヤノベ氏。
壊されるタワーに「惜しい」「残念」「悲しい」等々
ネガティブな思いしか浮かばなかったけど、そういう考え方もあったか。
落ちた種のひとつが、こういう形で発芽したってことなのかな。
ドラマ「すいか」にも出てきたように、
お墓って、終わりじゃなくて始まりなんだなあ・・・と。
帰り際、キャビンの外壁にコッソリ触らせてもらっちゃった。
ほんとはいけないのでしょうが、そうっとね。内緒ね。
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会期は9/23までで、残念ながら既に終了しているのですが
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YANOBE KENJI ART WORKS
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ここへ行けば、『MEGALOMANIA』展の模様や
そのほか様々な作品も見られます。楽しいよ。
それから、なんと。
太陽の塔の中を見学させてくれるイベントが10月にあるらしい。
入場できるのは抽選で当たった人だけなので、
ドキドキで結果を待っているところです。
うわ〜ん、念願の生命の樹。もしかしたら見られるかも・・・
おまけ。
帰る道すがら、撮ってきた建物写真たち。
国立国際美術館
![]() 3階まで直通のエスカレーター、 |
![]() ガラスと鋼管、電球のアクセント、 |
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![]() さらに寄ってみた。天井たかーい。
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![]() 横から。左側のグレーの箱部分、
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国立国際美術館、来年には中之島へ移転することが決まっており
こちらの建物は解体されるらしい。老朽化のためですって。
そりゃあ、大人の事情ってもんがいろいろあるんでしょうが、
ヤッパリ、もったいないなあ、、、という気がだんだんしてきた。
万博好き且つ近代建築フェチ(昭和初期&'60〜70年代頃限定)としましては
エキスポタワーに続いて、お前もか…の心境。サビシー。
日本民藝館
![]() 黒くて白くて、伏見桃山城のような佇まい… |
![]() 横手から。光線の具合が秋っぽい。 |
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夢の池、イサムノグチの噴水
![]() 宇宙船と太陽の塔。左には赤い宇宙船も。 |
![]() 彗星(オレンジ)・惑星(灰)・星雲(ブルー)。 |
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![]() 彗星。コイツが一番好き。
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![]() 彗星・星雲と太陽の塔。
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鉄鋼館

ヤノベさん、この中にも入ってたよ。羨ましい。
太陽の塔と同じく、入れないとなると
余計に見てみたくなる。
(中には劇場、鉄球がいくつもぶらさがってるへんてこな光景らしい…)