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神前結婚式

雅楽を習い始めて5年になりました。そんな私が未熟ながら7月から大阪・兵庫のホテル内にある神前結婚式場で雅楽演奏をへたっぴながらさせて頂いてます。この仕事を始めて間もないですが、若いカップルが神前で厳かに式を挙げている姿が結構微笑ましいです。親に進められてとかで本人達の希望じゃないかもしれませんが、そんな姿を見るとなんか安心しますね。日頃若い人達って行動や外見はどこの国の人かわからないけど、やっぱりあんたらにも日本人のDNAが流れとるなぁ……、って(笑)

さてさて、ホテルの神前結婚式での雅楽演奏ですが、最近雅楽をテープで流す所もあるみたいです。しかし関西圏の大きなホテルは外資系を含めて生演奏が多いとの事です。雅楽を知らない人でも神前結婚の時にかかる、あの雅楽独特の音色は耳に残っているという人は多いのではないでしょうか?神前結婚式・地鎮祭や神社の祭典などで雅楽を 吹くのは、神様が雅楽の音色を大変好まれる為。同じ雅楽演奏でも、神前以外で演奏する「演奏会」のような時と、神前で演奏する祭典の時とでは演奏する意味合いが違う様な気がしますね(神様に捧げるかお客さんに聞かせるかの違いでしょうが……)

式では篳篥・笙・龍笛の三管吹きや、この三管の内、一管だけの一管吹きなど色々な形がありますが、私が行っているホテルは笙と龍笛か篳篥と龍笛か笙と篳篥のいずれかの2管吹きです(私の友人が行っている所はなぜか笙と箏という特殊な組み合わせ)三管揃うと綺麗で華やかなんですが三管揃えるという事は、3人の楽人を雇うことになりそれなりに経費がかかるので大変なのかな?神前結婚式の流れは、入場→修祓→献饌→祝詞→三々九度→誓詞→指輪交換→玉櫛→氏族杯→撒饌→親族紹介→退場。(献饌・撒饌はないところもあります)指輪交換が入ってるのはご愛嬌?でも変な感じがするのは私だけでょうか……。

私が行ってるところでは大体、楽人が奏楽するのは式場に新郎・新婦・参列者が入場する時(平調の音取り※か五常楽※)と三々九度(五常楽※)親族杯(越天楽※)の時などです。式場によって違うので親族が退場する時(バイロ)や献饌・撒饌があるところは、この時にも楽を入れたりもします。演奏は毎回、お互い今まで音すら聞いた事のない人と一緒に演奏するのですが、これが凄く難しい……・。私は今まで笙と龍笛の2管だけで吹いた経験がない上に本番中は緊張するので笙の音を聞く余裕がなく、全く無視して吹いてしまいます涙)しかし一緒に演奏している笙吹き方はO楽所、G会や宮内庁の先生に教えていただいているベテランさんばっかりなので、私がヘマをしてもしっかりホローしてもらって安心。。。

演奏する曲は雅楽会のお稽古の時に覚えるぐらい吹いていた曲なんですが、普段自分がいかに笙の音を意識して聞いてないかわかりました。。。笙は篳篥や龍笛のように旋律がないからわかりづらいちゅうねん(私的に笙って後ろの方でホ〜ンとかボォ〜とか、なんとなく鳴ってるといイメージなんだよね、うぅ)手移りを聞きすぎて入るタイミングが遅れたり、おしりが伸びたり散々( >_<)これからは笙の音を意識して吹かなくちゃ駄目だ、という事を勉強しました。篳篥さんと吹く時は引っ張ってもらえるので吹きやすいんですけどな。とにかく……楽人としてお金をいただいている以上、ごちゃごちゃ言う前にちゃんと吹けるように頑張ろ!と思う今日この頃です。

楽人は巫女さんか神職さんの後ろでスタンバイ!0大阪某外資系ホテルの式場はこんな感じ

※平調の音取り・越天楽・五常楽は、雅楽で一番の定番曲と言われ
初心者はまずこの2曲から習い始めます。
 当然5年も雅楽を習っている私は吹けて当たり前なのですが……。
笙と龍笛の2管吹きは思ったより難しい。。。

笙   龍笛
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