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舞楽

最近、東京書院から『雅楽壱具ががくいちぐ』という本が発売されました。専門書ではありますが、
雅楽に関する煌びやかな写真が中心で初心者の人でも楽しめる本になってます。

※余談ですが本の末尾の雅楽教習団体・教室の項で『おとくに雅楽会』が紹介されてます。

雅楽壱具の表紙

この本にも紹介されている『五常楽』・『春庭花』を少し書いてみます。

§ 五常楽 平調 §

唐の太宗が貞観の末頃に作ったといわれている。この曲は『五常』といわれる仁・義・礼・智・信(人の守るべき道徳)を表していると考えられている。舞人は蛮絵装束に冠に巻纓と老懸の武官姿で登場し、その後舞人は『五常』の世界に入る。序といわれる部分での、樂の流れに乗って諸手を開き右から左へ、左から右へとなびく袖の美しさは格別で、穏やかな舞となっている。終わりは『入綾』といい、綾を織るかのように一列になり退場する。(東京書院『雅楽壱具』より抜粋)

右手右腰から抜き左手に合わせ右足摺り抜きし両手抜し左足寄。
右手伏し左手左腰に移し右手広げ左足摺り広げし右手打ち入り左腰辺りより上へ開いて右足寄せ。突く。

樂の流れに乗って諸手を開き右から左へ、左から右へとなびく袖の美しさは格別で穏やかな舞となっている。

右手右腰から抜き左手に合わせ右足摺り抜きし両手抜し左足寄。
立。....各前一列に並び立ち。

終わりは綾を織るかのように一列になり、退場する。これを「入綾」という。

§ 春庭花 双調 §

この舞は一帖と二帖の2種類があり、一帖舞うのを『春庭楽』といい、二帖舞うのを『春庭花』という。【唐の玄宗皇帝が楼に登りその年の花の開花の遅さを嘆いたところ、花がたちまち咲き始めた】という逸話に基づいて作られた。『春庭楽』の舞人は冠に巻纓と老懸を付けるが、『春庭花』の舞人は蛮絵装束の右袖を袒ぎ太刀を佩き、冠に挿頭花を付けて舞う。一帖は優雅な舞振りを特徴とし、二帖は躍動感がある。爽やかな樂に合わせ舞人は開花の様子を表現する。春の庭で満開誇る桜の下で舞うのが最もふさわしいとされる。桓武天皇の御時、久礼真蔵が日本に伝えたと言われている。(東京書院『雅楽壱具』より抜粋)

両手左下へ広げ右足摺り抜し右回。
中央に集まり蕾になり、外に開き花が咲く。

外側向し両手右へ振り左足寄す。突引。右足引寄。摺出し両手前から左へ出し左足寄。立。
爽やかな樂に合わせ、舞人は開花の喜びを表現する。


 『なんちゃって舞人』の独り言.....
雅楽を習ってたり、興味のある人間だったら憧れません?舞楽って。あの華やかな舞台、装束、そして煌くような舞の動き。私が舞楽を初めて観た時感動しました、なんじゃこれは!?めっちゃかっちょえぇ☆〜ってね。

最近、学校教育でも日本の伝統芸能が積極的に取り入れられ雅楽もされてますが、舞楽も取り入れたらいいのにな、と思います。。。私が今、雅楽会で習っている舞楽は『五常楽』・『春庭花』です。(残念ながら『春庭花』は難しいので皆、挫折しつつあります、、、)

指導をしていただいている先生は、以前神宮楽長でいらっしゃったO先生。神様みたいな先生に習ってるのに進歩が見られない「なんちゃって舞人」の私は、かなり呆れられていると思います(苦笑)。せめて1回覚えたら忘れない賢い脳みそが欲しいよ〜。う〜ん、先生から頂いた舞の譜本が今だに古文書に見えてるようでは、やっぱダメやろね(−.−;)

えへっ。
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