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神社と源氏物語

毎年参加している、京都府神社庁雅楽研修会に今年も参加してきました。今年は、奉納演奏の主管をさせていただきましたよ。。。
あ〜、緊張したぁ。普段、主管をする事が結構あって、緊張する事ってあんまりないのですが、神宮の先生方や京都のベテラン生徒さん達の
前で、吹くのは心臓バクバクでした。でも凄く緊張してても、音はとりあえず鳴ってたので良かった……かな?!ホント、寿命縮まりましたよ。。

主管の時、私は緊張するというより、上手く吹こうとして力が入り、失敗する事が多いです。えてして上手に吹こうとか、褒めてもらおうとか、
要らん事を考えると大抵あかんもんです。まぁ、緊張した時にその人の本当の実力が出るというのは、竜笛に限らず言える事ですが、
今の私の実力が客観的に確認できたので、これを機会に又、練習に励みたいと思います。さて、私の話はこれぐらいにして、
研修会の直会・懇親会時の時に、京都神社庁が協賛している催しの情報を、ゲットしました。

00お宮を語る「神社と源氏物語」

第一部 『古の調べ』
 -源氏物語と雅楽-
第2部 『源氏物語について』 
-講師の冷泉貴実子による講演-

↑こんな内容の講演会です。
9月8日に、上御霊神社(上京区
上御霊前烏丸東入る)の拝殿
にて、午後六時半から開始。

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会場の上御霊神社は、京都市営地下鉄の鞍馬口駅から、東に少し歩いたところに鎮座しています。開始2.3時間前は雨がジャカジャカ降るわ、
雷はドッカンドッカン鳴るわ、凄かったらしいです。やんで良かった〜。私が鞍馬口駅に付いた頃には、雨はポツポツになってました。
お陰で公演中は、風が出て涼しくなり、過ごしやすかったです。木や屋根に、付いた雫が落ちる音が、まるで鞨鼓のような音に聞こえました。

今回の講演は、
-源氏物語と雅楽-と題して、源氏物語を女性神職さんが語り部と、物語に出てくる雅楽の調べを演奏する、というものです。
語り部の最中、耳を澄ますと、虫の音も遠くから聞こえたり、雨音が聞こえたりするのはとても情緒がありましたよ。夜というのも、物語の
イメージをかきたてられました。自然や人の気配を感じながら、屋外の雅楽を堪能しました。

第一部の、雅楽演奏は京都府神社庁祭儀部雅楽部、語り部は京都女子神職会。内容は以下の通りです。
1、桐壺 2、紅葉の賀(青海破・盤渉調)(保曾呂倶世利・長保楽破)3、明石(伊勢の海・催馬楽)
4、胡蝶(皇ジョウ急・平調)(あなたふと・催馬楽)(喜春楽・黄渉調)(鳥急・何調か忘れました)(胡蝶・壱越調)
5、若菜・下(東遊・歌出)(御神楽・千歳万歳)(御神楽・縒合)(笙の調子・何調か忘れました)(仙遊霞・太食調)


4つとも源氏物語では、有名な場面です。私が今回始めて生演奏で聞くのは、保曾呂倶世利(長保楽破)と、東遊の歌出、御神楽の千歳万歳、
御神楽の縒合でした。特に、篳篥と神楽笛で吹かれた御神楽の縒合はしっとりしていて、旋律に触れるものがありました。演奏したのは、
北野天満宮の神職Kさんと、京都府神社庁雅楽講師のI先生。多分、私だけじゃなくて、会場で聞いてた人達は、みんな聞き入ってたと思います。
だって、この時だけ会場の雰囲気が、他の演奏の時と空気が、違いましたよ。ただ、気になったのは、楽太鼓の音です。普通楽太鼓の音って、
ズン・ドウだと思うんやけど、ここのは、ドス・ガスと言う音で、全然響かないの。見た目、かなり古そうな太鼓でしたが……。
夜だから、わざと響かない太鼓やったんかな〜。

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この企画は、源氏物語千年紀に関する催しもので、今回で二回目。一回目は、いつも神社庁の雅楽研修会で使う、会館内でやったそうです。
でも、今回のような
シチュエーションの方が、絶対、雰囲気が良いと思います。自然を感じるのも勿論ですが、多少の人のザワザワしさや、
神社の外の喧騒も私は、逆にほっと落ち着きます。嫌がる人の方が多いと思うけど。。。箱の中でやる演奏会とは違う味わいがありました。
夜に野外で聞く雅楽は、とてもやさしい音色に聞こえました…。特に夜の静寂に響く神楽笛!今回か〜なり、ツボにヒットしました。

そうそう、源氏物語で、一番多く登場する管楽器はなんと竜笛なんだって。そして、竜笛は階級の低い人がする楽器だと勝手に思って
たのですが、源氏物語の中では主人公クラスの上流貴族達が、雅やかに横笛を吹く様が折々に描かれているとの事。

来年は『源氏物語』が世に出て千年を迎えるそうです。いうまでも無く、この物語は平安時代に紫式部によって書かれたとされる、
古典文学の最高傑作の一つです。当時の音楽である、雅楽に関する記述が多く散りばめられています。この“雅楽の調べ”こそが、
源氏物語の雅な世界を演出している事を改めて、感じました。

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朝早くにお稽古が次の日に入ってたので、稽古に備えて一部だけ観て、神社を出ました。二部の
冷泉貴実子氏の公演も、出来たら聞きたかったんですが。。なかなか、聞く機会ないですからね、残念です。
(20時過ぎに神社を出て、家に帰ったのは22時過ぎ。はやく帰って、正解でした!)

上御霊神社

御霊神社は御霊信仰の中心となり、また京都の守護神と
して崇敬を集めてきた、京都で最も古い神社の一つです。
京都御所の北側にあるこの神社は、平安遷都の折りに
非業の死をとげた早良親王(さわら)等の御霊を鎮めるため
に、桓武天皇の勅願により御霊を祀る社とされました。又、
『応仁の乱発祥の地』でも、知られています。

(※上御霊神社と御霊神社は同じ神社の事)

■   ■   ■

うちの雅楽会で笙を教えてくださってる先生は、京都のY雅楽会(四条通り東のどんつきある、京都の超有名神社の雅楽会)をしきって
はるんですが、来年、秋の奉納曲は、舞楽・青海波だそうです。装束も見たいけど、舞も見たい!これはなんとしても、行かなければ。
先生が舞うのかな?楽しみ〜。今まで、大分前に宮内庁の公開雅楽演奏会で、一回しか見たこと無いから、もう忘れてるなぁ。
でも、ちょうど、うちの雅楽会の奉納演奏の日と重なるかもしれないので、行けるか微妙だなぁ。。

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