京の町家

4月下旬にちょっとした雅楽演奏の以来があり、京都三条猪熊通りのこちらの↓町家で、演奏をさせていただきました。この日は町家に行く前に、近くのホテルにて2件の結婚式の楽人のお仕事が入ってたので、バタバタ忙しい一日でした。ご存知かもしれませんが、京都では町屋が激減しています。その為、町家を再生させようとする運動が地道に行われています。再生した町家は、多目的な事に使ったりするスペースとして、再利用されたりしています。今回行った町家は、管理栄養士の先生のお家で、ここで【食文化交流の場を五感で育てる事】を始めるらしい。難しい事はわかりませんが、毎日のご飯をめどくさげに適当に作ってる私なんかは怒られそう〜!?今回はこちらのオープニングイベントで、一時から設けられたお茶席のところで、こじんまりと笙との2管立てで吹いてきました。2時からは「幼児期の食事について実演と話」が催されていました。“食育”って最近よく聞きますね〜。。食べる事にあまり執着がない私が子供なんて持ったらどうなるのか、、、我ながら怖いですね〜(←と、ひとごとのように言ってみる、その前に子供?!)

京都の町家といえば「ウナギの寝床」といわれる、間口が狭く奥行きの深いつくりが特徴です。京都の人はこれを『ここの家は深いわぁ』などと表現します。これは昔、間口の幅によって税金がかけられていたためなのだとか。昔ながらの町家は蛤御門の変(1864年)で焼失したので、現存する町家のほとんどは、明治から大正時代にかけて再建されたもので、築50年から100年以上のものなんだそうです。蛤御門の変と言えば幕末史の大きな事件で、京都の中心部が激戦地となったため、市中はたちまち猛炎に包まれ、民家や社寺などを焼き尽くす大惨事となりました。長州藩邸や堺町御門から出た火が、手のほどこしようもなく燃え広がるありさまを京都の人達は「どんどん焼け」「鉄砲焼け」などと称しました。(京都市政史編纂委員会『京都市政史』参考資料)昔の家は火に脆いですからねぇ、京都にあるものは勝手に全部古いものだと思ってました。蛤御門の変恐るべし。。。

外観0玄関0中の間0茶室も兼ねる奥の間0つくばいがある坪庭
床暖房とシステムキッチンの台所
0「おくどさん」と呼ばれる竈0吹き抜けになった天井は「火袋」と呼ばれてます0二階の窓0二階の窓から見下ろすと台所が見えます
縁側
0階段0二階の部屋0二階の和室0二階の一部0

演奏は町屋という狭い場所で聞いている人のすぐ近くで吹くというので、お話をいただいてからあわてて練習を開始。一緒に吹く人は笙吹きさんだけなので、音取りでは笙の音を聞いて、笛が入るのに悪戦苦闘です。一応テープを耳で聞きながら、笙の音を聞いてみる。だけど、笙の音はどれも同じに聞こえるのと、すぐ音が移り変わっていくので、聞き入ってしまうとタイミングを逃してあか〜ん。。あ〜ん、いつも篳篥の音で入っているのでわかんない……。さすがに平調音取りは、笙との二管立でいつも結婚式場で吹いてるので、わかるようになりましたけど。

笙との兼ね合いもなんですが、あらためて音取りって難しいなぁ、と感じました。難しいと感じる第一の要因→ハイッ!! 拍子がない!よく音取りとか音頭は竜笛さんの自由に吹いていいんだよ、というけどその割にはどこまで自由にしていいんですか?って感じですよねぇ。。。音頭は拍子どうりにきちっと吹くと「面白くない」と言われ、ゆったり吹くと、「お尻が伸びてる」だのなんだの言われちゃう。音取りは、短い音取り程、きちんと吹くのが難しいしな〜と、思います。短いと、音が安定しないまま曲が終わってたりするし。押すところとあっさり吹くところや、息をすぐ吸って早めにでるところ、間を持たせてゆっくりでるところ、など。吹いていたら、どれが正しい吹き方なのか、わかんなくなっちゃう。う〜ん、音取りって難しい!

……と言いつつ、無事に済みましたのでご報告します・笑)。自分では無難に吹いたと思いますが、先生に言わせると色々ダメだしされるんだろうけど……。まぁ、え〜ねん、、、もう終わったし。結局吹いたのは太食調の音取りと合歓塩。黄渉調の音取りと海青波・越天楽。盤渉調の音取りと越天楽。平調の音取りと五常楽・越天楽。ガンガン吹く曲は避けて、しっとりとした曲をチョイスしました。

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<財団法人京都市景観・まちづくりセンターの井上様から無理を言って写真を頂きました素敵な写真をありがとうございます!>

今回一緒に吹かせていただいた笙の方は、楽部の先生の指導を受けてはる、一流の笙吹きさん。こんな方とこうして吹かせていただく機会はそうないので、よい経験をさせていただきました。しかし、現場で吹いていた時は楽しく吹いていたのですが、気を使って吹いてたから帰ってからどーっと疲れが出て、バタンキュウでした。この日、笙の方に『あんたの笛の吹き方、Y先生(私の竜笛の先生)に似てるなぁ』としみじみ言われたのが嬉しかったです。自分的にはまだまだ程遠いと思いますが、最高の褒め言葉ですよね、これって。でも、京都人は何でも褒める傾向があるので、本気にしたらあかんかもxxx

茶道教室 DM

こちらの【三条猪熊 なかい】さんでは、茶道教室(裏千家)も行ってます。
その他、色んな行事も行われていますのでチェックしてみてくださいね〜。
京町家ネット

http://www.kyomachiya.net/index.html

回、町家と言う素敵な空間で、初めて雅楽を吹かせていただき、大変勉強に
なりました。そして、町家を身近に感じる事が出来ました。
三条猪熊なかい様の、これからのご発展をお祈りしております。