鎮花祭

鎮花祭は、大阪天満宮神社で毎年行われる「花鎮めの祭り はなしづめのまつり」とも言われる神事です。私が竜笛を教わっている先生が所属されてる雅楽団体が舞楽奉納するというので、一緒に習っている生徒さんとお邪魔しました。鎮花祭は4月25日(水)に行われ、奉納雅楽は2時からでした。大阪でも有名な神社さんの神事のわりに、平日だったからかゆったり見れました。管弦から始まって浪速神楽・舞楽と盛りだくさんなので、好きな方にはお勧め。風を感じながら、野外で見る舞楽も趣があっていいですよ〜。

恥ずかしい話なのですが「鎮花祭」を私はずーっと、「鎮火祭」だと思ってました。現に鎮火祭という祭りがありますよね。ちなみに私が間違えていた鎮火祭と言うのは、昔から上方や江戸などの人口が密集した都会では、木造家屋が軒を連ね、冬になると乾燥するので、度々大きな火災に見舞れた事から、神社の境内で火災除けの祭りを執り行うようになった神事の事。今回見に行った方は、昔、桜花の散る頃から初夏へと気候の移り変わりが激しい季節は、疫病の流行する時期だったそうです。その、疫病の霊を鎮め心身の健全を祈願する祭りの事。ややこしいですが、漢字で見たら意味が全然違いますね〜(_ _)ヾ昔の人の発想って面白いですよね、ほんと

昔、疫病の流行するこの季節は、散る花に乗って疫病の精霊が飛散してたんですな。。。( ̄□ ̄)!今と違って衛生面が良くなかったでしょうから、実際風に乗って菌やら色んなもんが飛んでたんでしょね。しかし、季節の変わり目って寒なったり暑なったりして体調壊しやすいし、いつの間にか食べ物の足がはやなってたりして、お腹壊したり。。。今でも十分戒めになる神事だよなぁ。うん、うん。ただ疫病の精霊が飛散してる様は想像したくないケド。現代の春に出てくる疫病の精霊はスギ花粉の精霊と、五月病のなまけ精霊!?


奉納雅楽  管弦/神楽…大阪天満宮神職/

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管弦は平調の音取・老君子・陪ロ

 

浪速神楽 式神楽第一 

 

浪速神楽 剣舞

 

浪速神楽 花湯

 

浪速神楽 鈴扇

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浦安の舞

 

浦安の舞 

 

浪速神楽 珍し舞

 

浪速神楽 珍し舞 

 
珍し舞の装束 管弦と神楽は、大阪天満宮の神職さんと女さんが奉納されました。浪速神楽をきちんと見たのは今回初めてだったので、とても新鮮でした。

式神楽第一は神楽の一番最初に演じられる曲で、鈴扇は神楽の終わりに奏する曲らしいです。珍し舞は扇と鈴の舞で浦安の舞に似ていて、舞の形は円になって中央に集まる感じが豊栄の舞の様でした。装束が可愛らしかったですよ。

花湯は湯に見立てた切麻(白紙を細かく切ったもの)をバサバサ撒き散らす紙吹雪が綺麗。そして一番面白かったのが剣舞。つるぎを抜いた辺りから音楽が軽快になって笏拍子、パシパシ叩きまくり。笛のメロディも一番ノリノリでよかった。この音楽が好き笛のメロディーも独特でまだ頭に残ってますよ o(^-^)o 。

浦安の舞はキチンとした装束で舞うと、千早で舞う時とは違う舞に見えますね、羨ましいです( ^ω^)。もう巫女舞は舞う機会はナイですが。。。


奉納雅楽  舞楽…関西雅楽松風会

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管方

 

左舞 蘇合香

 

右舞 敷手

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左舞 蘇合香

 

左舞 蘇合香

 

右舞 敷手

 

右舞 敷手

舞楽は関西雅楽松風会の奉納です。管方にはうちの先生が写ってま〜す、エヘへ。。舞楽は左方の蘇合香と右方の敷手蘇合香蘇合香は、この舞でしか被らない甲を付けてます。名前は菖蒲甲といって、薬草の蘇合香(蘇合草)にちなんだ天竺(インド)の故事によって生まれたからだといわれているそうです【雅楽一具】。どうも、この甲、パイナップルのフサに見えてしかたがないのですが……。舞の途中に平泳ぎしてるように見える舞の手がありました。敷手は途中に右肩を脱ぐところがありました、舞の途中で装束を脱ぐって難しそう。私だったらあせってアタフタしそう。。。敷手をしてる辺りから風が出てきて急に寒くなり、体が冷えました。長慶子の時はすでに、いつでも帰る準備万端!演奏が終わった先生に、軽く挨拶をして、天満宮を後にしました。

そうそう、舞が始る前、管方の方で見ていたんですが、隣のおばさまに『あのクルクル回してるやつ何?』といきなり聞かれ、へっ?クルクルって、何?!と一瞬考えたんですが、『笙っていう雅楽で使う楽器ですよ〜、ああやって暖めてるんです。暖めないと音が出ないんですよ』と答えました。そのおばさまは笙を初めてみたらしく『えっ!?あれ楽器なの?へぇ〜、暖めてるの!暖めないと音鳴らないの?へぇ〜』とスゴイ反応。おもろかったです。

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鎮花祭(ちんかさい)

古代では花の季節には散る花に乗って疫病の精霊が飛散すると考えられていた。
朝廷ではこの精霊を鎮める祭儀を「花鎮めの祭り
はなしづめのまつり」として奈良時代の
神祇令に規定された。大阪天満宮では古来厳粛に斎行され、25日の本殿神事をはじめ、
神楽、雅楽、舞楽、奉納や剣道薙刀の演舞、紅白試合などさまざまな催しがある。
氏子の先祖をお祀りする「春季祖霊祭」も斎行される。

【大阪天満宮神社 公式サイトhttp://www.tenjinsan.com/index.html参照】

装束は前より後ろの方がなぜか気になる私なのです。。。


追記

鎮花祭があったこの日は、ちょうど福知山線列車事故、二年めの日でした。2年前のこの日は、出かける用事がなく家にいたけど、もしかしてあの日あの時間に、乗ってたかもしれないあの電車……。マンションに、へばりついた電車をTVで見た瞬間、日常生活で感じた事がない、恐怖を目にした瞬間でした。常に使ってる線だけに、恐ろしかったです。あの日は、一日中報道へリが上空を飛び回り、テレビはあの現場の惨事を流してたな、なんて思いもって、その福知山線に乗って大坂天満宮に向かいました。この日、雅楽奉納見ながら、不幸にもあの電車に乗って、事故に会われた方々の事が、頭の隅から離れませんでした。事故に会われた方々が、気の毒でなりません。。