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桜花祭

4月中旬に、京都北野にある平野神社の桜花祭で、楽人として御奉仕してきました。こちらの桜花祭は、京都の人に“桜祭り”と呼ばれていて、花山天皇が985年の4月10日に行った祭礼が、起源という由緒ある神事です。こちらのお宮は、ご神紋で桜が使われている事からわかるように、平安時代から続いた桜の名所で、京都でも仁和寺と並ぶ桜の名所と言われています。桜花祭は、午前に本殿で神事が厳かに行われ、これが終わると午後から神幸祭で神様をお連れして、氏子さん達が京都市内の氏子区域を、練り歩きます。毎年来られている笛吹きさんが、どうしてもこの日都合がつかないと言う事で、若輩者ですが今年初めて努めさせて頂きました。

鳥居と桜0本殿と桜0ご神灯の神紋0枝垂れ桜

桜花祭では、御扉の開閉時に新楽乱序を吹いたのですが、落ち着いて吹けませんでした。暗譜がちゃんと出来てなかったのも、痛かったな。。。止め手も、適当に吹いてしまった。止め手は笛吹きの聞かせどころなのにね〜、残念です。開扉の時は、始めは元気だから音が出るんですが、だんだん吹き疲れてきてしまって……。音がカスカスになり、半泣き状態で吹いてたました。

そうそう、急ですがこんな話を思い出しました。関西の神社では、開扉や閉扉の時は新楽乱序を吹くところが、多いらしいのですが、関東では和琴や笙の調子を吹くところが、多いと前先生から話を聞いた事があります。私も開閉時は、新楽乱序を吹いたり聞いたりしてますが、他の曲はあまり聞かないな〜。関東と関西の違いでは、篳篥のリードであるロゼツのセミ止めの位置も、違うみたいですね。関東の人(名古屋辺りから東)が作った物は浅く、関西の人の作るものは関東に比べて深いので、関西の人は関東の浅い位置に慣れるのに、大変らしいです。大変だったら、関西の使えばいいじゃん!って思いますが、そうゆう事ではないらしい。。。西と東の違いの話を聞くのって、面白いですよね。車吹きも関西と関東とでは、違うらしいし。

話を戻してっと。午前に本殿での神事が終わると、正午から神様に興しに乗って頂く神事があり、それが終わると一時から桜花祭の呼び物である、煌びやかな歴史風俗行列(奈良時代〜江戸時代の時代)の神幸祭が始まります。神幸列は、歴史装束を身にまとった氏子さんを始め、総代さんと神官さんやお稚児さんなどです。行列は、露払いの青鬼と赤鬼が先頭で、さながらミニ時代祭りといったところでしょうか。時代装束を身にまとった氏子さん達に混じって、私達楽人も神輿を先導する「奏楽の者〜」で神様にお供しました。神幸行列は氏子地域を巡行するので、京都市内の主要道路である今出川通や西大路とか千本通りの、でかっい道を装束着て草履で歩きました、めっちゃ気持ちいい〜!もちろんお巡りさんの誘導付きですが……。交通量の多い道を車と同じように右や左折レーンに入って、車線変更して曲がるのは初体験。お神輿や馬は軽車両だから?かな。。ちょっとお偉いさんになった気分。

<時代絵巻の様な行列は写真に撮る事が出来なかったので、出発前の様子を少しだけアップします>

神様が乗られる前の神輿 桜と神輿

神馬。かっぽかっぽと宮司さんを乗せて歩いてました

花山車。ずーっと陵のテープが流れてました

奈良時代の装束を着た織姫様と一緒に!

露払いの鬼の衣装

武士の兜 出発前の奈良時代と中世時代装束の女の子

祭りは平日だったので、道路を巡行してると行列を見ようと、会社のビルの窓から写メを撮っているサラリーマンとかOLさんなんかと、目が合ったり。細い筋に入ると、遊んでる子供なんかに話し掛けられたり、外人さんと記念撮影させられている氏子さんがいたり、微笑ましい光景も。子供達は、私達の後ろを歩いてた宮司さんが乗ってる、白い馬にすごい反応してた。普通は町中で見ないですもんね、お馬さん可愛かったよ〜。。歩いてて京都だなぁと思ったのは、町中に観光客がわんさかいる事と、その中でも外人さんが多い。あと古い住宅に挟まれて、ドギツイ外見の今時の飲食店や商いをしてるお店があったりするミスマッチ感かな。神事が始まったのは、10時で神幸祭が終わったのは四時頃、巡行で歩いた時間は途中に少しの休憩を挟んで、なんと三時間!でも、震災の時も感じたけど、三時間ぐらいは人間普通に歩けるもんだなぁと。我々が巡行していた間、神社の拝殿では箏曲の奉奏が行われていたそうです。

本当に、祭りにどっぷり浸かった一日で、雅な神事を堪能?!しました。京都の伝統あるお祭りに参加させてもらうなんて、そうない事ですから貴重な体験ができました。お祭りを、こんな内側から見る事って、なかなか出来ないですからね。桜が薫る神社もとても素敵でした。お祭り中、ずっとさわやかな春の風が吹いていて、気持ちよかったです。祭典中、風で桜の花びらがちらちら舞ってる中で、雅楽を吹くのはとても風情がありました。――で・す・が・家に帰ったら疲れが出たのかヘトヘトに。次の日は足がだるかったです……。日頃、発掘で培った体力で結構、自信があったのですがねぇ……。なにせ靴じゃなくて履きなれない草履だったので、余計疲れが出たと思います。でも、ほんまに楽しかったです! お宮さんに隣接している、桜苑の方のソメイヨシノは散りはじめてますが、境内の中の八重桜は今から咲く品種もあり、4月一杯桜を楽しむ事ができるそうですo(^-^)o最後に............お祭りに参加された方々、お疲れ様です!そして、楽でお世話になった先生方、ご指導ありがとうございました。

00桜茶、境内でもいただけます。0宮司さんの袍。桜は挿頭花でつけるもの0てっせんのおこわ

桃桜・嵐山・普賢象・松月・魁・大島・芝山・御衣黄・御車遷・突羽根・妹背・平野・白雲・手弱女・十月桜・楊貴妃・有明・寝覚・一葉・おけさ・旭日・虎の尾・紅しだれ・衣笠・胡蝶・大内山 (←境内に植わる桜の名前)

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