斑鳩

奈良の斑鳩に行ってきました。斑鳩は、聖徳太子が摂政に就任してこの地を拠点として、学校で習う遣隋使の派遣・冠位一二階の制定・憲法一七条の制定など、律令国家の礎を作った土地です。法隆寺の壮健も聖徳太子が行った事業で当時、国家の一代イベントだったに違いありません。この21世紀に飛鳥・白鳳時代の当時の技術が結集したこの文化遺産を、現代の私達が目にする事が出来るのです。しかも木造建築で!(勿論、建替えや修復はされてます)信じられん……。仏教美術とか建築や土木に興味のある人は、とても興味深いお寺だと思います。

法隆寺は日本最初の世界遺産なんですね、知らんかったわ。この世界最古の木造建築のお寺は、なんといっても境内広いっ!いやぁ、ほんと、伽藍のスケールに圧倒されますよ。行った時は平日でしたが、小学生や中学生の団体さんがいました。今はお寺なんて興味がないだろうけど、大人になったらこの凄さをわかってくれ〜。そして、又もう一回ゆっくり見に来て欲しいですね。スケジュールの関係上ゆっくり見る時間もないですからねぇ、こうゆう人達は。。門も道も柱も存在感あって、どこもかしこも立派だよ、ここは。。。真っ直ぐに伸びた土塀に囲まれた道は、日本じゃないみたい。奈良の安穏とした盆地に、こんなすごいもんがあるって不思議だなぁ。現代人が見ても感動するんだから、古代の人がこれを見たら、作った太子をどう思うでしょうね、、、神様って思うんじゃないかな。

0南大門から中門と五重塔を望む0廻廊の横材がしなってるのがよくわかる0廻廊の連子窓と柱0金堂0五重塔

うっ、、いつまで持ってればいいんだろ、俺。0少し見にくいですが、柱にとぐろ巻いてます 上段の写真は、塔と金堂を中心とする西院伽藍です。左の2枚は塔と金堂の
庇を支える装飾の餓鬼と龍。私はお寺ってあまり行かないのですが、
普通はこんなん付いてないよねぇ……。他のお寺よりゴージャス?
柱を支えさせられている餓鬼がユーモラスです。

金堂内には金銅釈迦三尊・金銅薬師如来・金銅阿弥陀如来像
が安置され、天井や壁面には色彩豊かな装飾が施されています。
わぁ、これ、美術や歴史の教科書で見た事あるやつだよ!
ちょっと興奮です。中は真っ暗ですが、ちゃんと懐中電灯が準備されていて
内部が見れるようになっていますので、遠慮せずに使うべしっ!
復元された壁画と国宝級の仏様のお顔が拝めます。


聖徳太子とは、死後につけられた尊称であるため、現在日本の学校教育では、正称であ る「厩戸王」と教えてるそうです。(でも、そんなん言ったら天皇さんの名前も呼び方も、全部後からつけた名前やん?と突っ込みたくなるけど)。『古事記』では上宮之厩戸豊聡耳命と表記され、『日本書紀』では厩戸皇子などと、書かれているらしい。ちなみに、法隆寺は“聖徳”宗総本山で、太子信仰の中心です。 聖徳太子は、私が一番好きな漫画家山岸涼子さんの傑作「日出処の天子」の、厩戸皇子の妖しいイメージ。この漫画は、大分梅原猛著「隠された十字架」から、影響を受けて書いていると解説で読みました。「隠された十字架」の、聖徳太子の不思議めいた伝説と、彼女の作風とがマッチして、人間を超越している厩戸皇子が上手く表現されています。馬使いの調子麻呂とか、仏師の止利の名前も漫画の中に出てきますし、漫画とはいえあなどれません。ただ、ホモだったかどうかは・・・わかりませんけど・汗)

法隆寺拝観券と法隆寺秘宝展の半券


大宝蔵院は平成に作られた百済観音像を中心とした法隆寺の“お宝館”。伎楽面や舞楽面もありました、八仙の袍もありました。百済観音像は想像した以上にで大きく細かったです。8頭身のスレンダーで色っぽい仏様でしたが、頼って寄り添ったら倒れそうで、仏様という感じはしなかったです(^^;)玉虫厨子もありましたよ。ただ、館内の照明が暗くあまり色彩がはっきり見れませんでした。橘夫人の百万塔も展示されてました。橘夫人(聖武天皇の奥さんの光明皇后のお母さん)って正倉院展でよく見る名前ですが、ずーっと“ふじん”と発音してましたが正しくは“ぶにん”なんですね。こんな所で、新たな発見でした。

今回、法隆寺に来たのは目的の一つ、夢殿本尊特別開扉。夢殿は太子が、死去した旧跡地といわれ太子信仰のメッカのひとつ。太子が作ったんだと思ってんですが、行信という高僧が太子の死後に、造営されたんだそうです。八角形の円堂の厨子に太子の化し身だといわれている秘仏の救世観音が、真っ暗なお堂の中におられました。ここに来るまでに、色んな国宝や重文やらの仏像を見ていたので、こちらの秘仏の救世観音はいまいちインパクトが弱かったです(^^;)というか、真っ暗でよく見えなかったし……感想が……ナイんです(T_T)。。。

法隆寺には七不思議と言うのがあって、色んな研究者が説を提唱しています。その中の一つ、魚の形をした鯛石です。かつて大水害があった時、ここまで水が入って来た事を表しているとも、寺域の内外を隔てる結界の印とも言われる石。石ってなんか知らんけど、あるだけで存在感があるというか、パワーがあるような気がするよなぁ。

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七不思議の一つ中門の中央の柱。この門は日本建築上ほとんど例がない、入り口が2戸あり、その中央に柱が立つ構造をしています。

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法隆寺秘法展示期間でしたので、大宝蔵殿で見ました。ちなみに見るのは500円要ります。こちらでは、法隆寺の建立を考えると伝統美術と}その復元に関する資料が見れます。発掘調査や出土遺物が展示されていて、興味深かったです。この時代のシビって唐草紋みたいな花と草が付いていて可愛かったですよ。瓦に興味がある人は面白いかも。伝統美術とその復元は色彩の復元技術がわかりました。今は黒光りしている仏像も昔は色彩豊かだったんですね。

左は大宝蔵殿の庭にあった礎石。形や石が違います。凝灰岩となんやったかな?右は法起寺の礎石。

法隆寺と夢殿そして斑鳩の里に点在している法輪時と法起寺をまわって又、法隆寺に帰って境内を歩いていると鐘楼の鐘がゴィ〜ンと鳴りました。この梵鐘は白鳳時代のものだそうで、今でも時を知らせてます。感動!ちなみに私達が聞いたのは4時の鐘でした。

参考 【聖徳太子の本】学研000

西円堂から斑鳩を望む

― 世間は虚仮にして、唯仏のみ是れ真なり ―


 


いにしえのロマンを想い“斑鳩の三塔を歩く”

三塔とは、法隆寺五重塔、法輪寺三重塔、法起寺三重塔のいわゆる斑鳩三塔の呼称です。
斑鳩ならではの塔のある風景、今に息づくいにしえを歩く散歩コース。
このコースを、メタボ気味の旦那さんと約5キロ、30分ぐらい歩きました。

天気が悪かったので残念でしたが、逆に涼しくて歩きやすかったです。
田園には蓮華や西洋からし菜が咲き、ヒバリやウグイスが鳴いてました。 

聖徳太子ゆかりの古寺や、その歴史と深く関わってきた里人の集落、これらが点在する道をたどれば、
文化の香りと野のたたずまいが一体となった、斑鳩を代表する風景に次々と出会えます。 
【法隆寺iセンターhttp://www1.kcn.ne.jp/~ikaruga/】   

西円堂から見た法隆寺の五重塔0法輪時の三重塔0法起寺の三重塔

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お土産は、斑鳩町のマスコットキャラクター「パゴちゃん」と柿ようかん。
そして、観光地によくある顔出しパネル。