鈴鹿スカイライン




’01.05.03 (雨のちくもり)

お互いバイクに乗りながら、
今まで実現しなかった弟とのツーリングへ行くことになった。

メンバー
 弟 TL1000R(黄)
 私 GSX-R1100L(黒銀)  途中で交換して走る


過激な走りと好みが非常に似ているが
現在では弟もマイルドになり、意外にも黄色のノーマルTL1000Rに乗っている。

改造点もヨシムラのチタンマフラーのみである。
私の直管マフラーと比較すると音量は1/20くらいの
非常にジェントルなノーマルみたいなマフラーである。

ツーリングへ行くことは1週間ほど前に決めていたが
行き先はさっぱり思いつかなかった。

天候も3日前ほどから危ぶまれていたせいもある。

前日、私はかなり前のことをふっと思い出した。
まだ二人とも免許を取れる年でもなかったが
純粋にバイクとサーキットへ憧れていた頃、
私達が住む三河地方にはちょっとしたうわさがあった。

鈴鹿スカイラインを走った後に鈴鹿サーキットを走ると
そのライダーは必ず転倒する。
何の根拠もない話しだが、将来鈴鹿参戦を真剣に目論んでいた
我が兄弟はその道を本能的に避けるようになり、
いつしか伝説のような存在になっていた。


あれから20年以上経つ
お互い鈴鹿参戦は実現しなく、サーキットは引退しているので
あの伝説の鈴鹿スカイラインを走ろうと私は考えた。

当時、バリバリの峠ライダーが集まるとも聞いていた。

今ではそんな走りをするつもりは全くないが
どうしてもそのスカイラインが見たくなった。


前日は天気が心配でなかなか眠れなかった。
このチャンスを逃すともう次の長期連休まで待たなければならない。

早朝、5:00
子供の夜泣きで起こされ
外を見ると、無情にも雨。しかもやみそうにない。

パソコンでいつものヤン坊マー坊天気予報を見る。

「昼頃雨があがり、午後からくもり」となっている。

もう少し寝て待つ。


朝、7:00
まだ一向にやまない。

弟に電話をしてみるとやんだら行こうかという事になる。


9:00に電話すると
もう実家の方はやんだらしい。

行ける。ちょっと出遅れたが準備だ。

早速、着替える。いつものぼろい皮ツナギを着ようかとも思ったが
攻める気は全くないので、普通に皮パンツとブルゾンにした。

出発だ。
バイクを50mほど押して、家から離れたところで
エンジンスタート。

恐ろしいほどの爆音なので、気が引ける。
近所ではアイドリングもできないほどなので
暖気もせずスタート。

エンジンも暖まりだすと豪快にアクセルオン。
はじけるように加速。
集合地点の豊田ICまでは一瞬だ。

IC入口で10分ほど休憩し、弟と話す。
私のマフラーの中身を見て、芯のないマフラーは何年振りかで
見たが、このマフラーは特にひどいと言われる。

IC入口に〜渋滞○キロなどと書いてあったが
見てなかった。

豊田ICから入ると、ずっと得意にしていた名古屋方面への
回り込んだ得意の左ループカーブを
いろいろなフォームで回って楽しみ
今日はウエスクーリーでいくかと考え
フル加速で本線進入!と思いきや

まるで駐車場のような渋滞
しかも名古屋ICまで

しょうがないので渋滞の中央を20キロちょっとすりぬける。

名古屋ICで東名阪に乗り換えたが
すっかり安全運転。
こういうのもいいもんだ。

しかし、この頃からあまりの爆音のため耳がジンジンしてくる。

名古屋西ICから御在所SAまで
また渋滞!
また30キロ以上をすり抜ける。

そういえば、これほど長いすりぬけなんて
学生時代以来であろうかと考える。
かつて都内を走るとそこら中で渋滞し
すりぬけばかりしていて、いつも疲れていたのを思い出した。

すりぬけする時、爆音だと車の方がバイクに気付いて
くれてありがたいな等と久しぶりに思った。

御在所SAの1個手前のPAで休憩し
四日市ICで降りる。

そのまま、山の方へ上がって行く。

かなり急なのぼりで、車の後ろについてしばらく走っていたが
道は荒れていた。
下りになったので、一体どこが料金所なのだろう?
どこに峠ライダー達はたむろしてるんだろう?
と思っていたら

すっかり下ってしまい
一般道路になってしまった。

距離は長かったが
ひょっとして
今まで走った、あのひどい路面がそうなのか。
今はタダか。

伝説はあっけなく終わった。

もう一度通る気も起きないほどひどい所なので
そのまま抜けてR1へ出て帰ることにする。
早く帰らなければ、帰りも大渋滞になる。

伝説はこんなものかもしれない。
しかし、勾配がきつく回り込んだ場所が多かった。
ここを走っても鈴鹿サーキットの練習にはならないだろう。

その後
弟のTL1000Rと交換して走る。

恐々乗ってみると

何だこりゃ
何て楽なコーナリングだ
グリグリ、グリグリといくらでも曲る。

エンジン出力は1000ccとはいえ
Vツインなのでパンチはないが、ほんのちょっとのアクセルで
ドコッと前に出る。

しかし、極低速トルクが全然ないのには驚いた。
6速30キロを試したら、リヤがロックしてエンストした。
自分のRのスムーズさに改めて気付いた。
駐車場ではいつも行っている最小円で回る8の字ができなかった。
極低速ではギクシャクしすぎてできないのか。
こんなバイクは初めてだ。

ポジションもハンドルが下がっており、きつい姿勢だった。

自分のRへ戻すと
直線は楽だが、ドアンダーを感じた。
今まで自然だと思い込んでいた
ねじこまないと曲らない感覚をおかしいと感じるようになった。
良い傾向だ。

何よりハンドリングに10年の歳月を感じた。
TLならサーキットでいくらでもタイムが出せる気がした。
峠でも完全に天下だろう。
’01R1000、R750ならもっとだろう。
バイクというのはこんなに楽しいものだっただろうかとさえ思った。

マイクヘイルウッドの
バイクとはツーリングにはじまりツーリングに終わる
という言葉をはじめて
なるほどと思った。

帰りは御在所SAで休憩し
名古屋ICで降り、バイク屋へちょっと寄って
マフラーのバッフルを買った。

長距離走行では、爆音のままでは無理だと感じた。
自分の耳が限界を超えていた。

長距離走行することは
今後、滅多にないだろうから使わないかもしれない。


今回のツーリングでも
また何かが変わった。

ずっとモヤモヤしていた伝説はなくなり

10年の歳月を目の当たりにした。

バイクを変えるつもりは全くないが
これからのバイク人生に多大な影響を与えた半日であった。



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