思い出の4輪
セリカ・コンバーチブル(’87年式)。

昭和の終わり。
4シータで実用的、グラマラスな流線形、フルオープン。
4輪はこれしかないと心中するくらいのつもりで購入。
軟派な使い方は一度もせず、
このクルマに対しての思い入れは誰よりも強かった。
しかしユーノスロードスターも発売されてなく、
世の中にはまだオープンカーは受け入れられてなかった。
どこへ行ってもまともな人間には見られず、誰からも嫌われた。
細かなことは気にしなかったが、このクルマは可愛そうであった。
そんな車だからこそどこへでも乗っていき、特別大切に扱った。
社用でも使用したので走行距離は残念ながら伸びてしまい、
最終的には30万キロを走りきった。
ちょっとしたトラブルはあったが、
大した事はなく肝心の屋根は最後まで元気良く電動で開閉した。
寿命を迎える頃、このクルマは人間なら何才なんだろうとよく考えた。
しかしワックスをかけてピカピカに磨き上げ、
フルオープンにすると何物にもかえがたい雰囲気を放ち、
爽やかな凄みを見せた。
誰からも嫌われた悲運の車。人呼んでコンパチ号。
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