新年明けまして、おめでとうございます。 (2020年)

 令和2年の新年を迎えました。なんと生まれてから3個目の元号です。長生きしたものです。
 凄いと思っていましたが、昭和の末に生まれた人は次の元号まで生き残る可能性が高いわけで、4個目を迎えられる人も多くいるんですね。

 話は変わりますが、昨年末カルロスゴーンがレバノンに逃亡してしまいました。日本は回りを海に囲まれているので飛行機か船でしか渡航できません。それなのに、あんな有名人が簡単に逃亡できるなんてまぬけですね。このまぬけさが日本の良いところでもあるのですが、外国から見たら厳しいだか緩いのだか分からない変な国と思われますね。
 カルロスゴーンも記者会見して無実を証明するとか言っていたのに、結局何も言わずに逃亡しちゃうとか。年を取るとやっぱり駄目ですね。

 最近でもありませんが、自分がもしこの時代に20代だったらどうするかな?と思うと途方に暮れます。現状こんなので良いのかなとは思いますが、じゃあどうすれば良いのかと聞かれると自信をもって答えられません。
 あんまり若い者に偉そうな口は利けないな。(1月1日)


OS AP-4 (Japan 1965)



 国産唯一のマルチチャンネルのアナログプロポです。様々な方式があるので何を持ってアナログと称するかが難しいですが、私は電圧制御サーボを持つプロポーショナル装置をアナログプロポと言っています。(米国のシチズンシップなんかサーボが無ければパルスプロポと同じですし。)
 随分前からどんな方式なのか調べたくて探していましたが、昨年末に幸運にも入手できました。未使用みたいですが残念ながらサーボがありません。電気的にはレストアは終わったので、送受信機だけですが動きます。

 右サイドのエルロン、ラダートリム用のつまみはクラックが入っていたので修理のために外してあります。サーボが無いとやはり寂しいのでどうするか?思案中です。





 送信機のプリント基板です。製造番号は105。昔70番のセットを見たことがありますが、総生産数はどのぐらいだったのでしょうか?

 左端の黒い円筒形の物は変調信号を作る発振回路のコイルです。上からエンジン、エレベーター、エルロン、ラダー用です。各スティックに付いたポテンショメータの抵抗値によって発振周波数が変化します。
 真ん中辺の回路は変調信号を切り替えるタイミングを作るマルチバイブレータとフリップフロップ回路です。この回路で作られる信号を使って4個の変調信号を約16ms毎に切り替えます。
 右側は変調信号の増幅回路とクリスタル発振回路、高周波増幅回路です。この辺はオーソドックスな回路構成になっています。

 全体としては米国SAMPEY404と同じ方式でした。




 受信機のプリント基板は2枚。ダブルデッカーと言われるタイプです。
 上基板は受信回路で、下基板は変調信号の周波数をサーボ制御用の直流電圧に変換するディスクリミネータです。通常のディスクリミネータは2個の共振回路から構成されていますのでコイルは2個必要です。4チャンネルですのでコイルは全部で8個必要な筈ですが7個しかありません。エンコンはニュートラルの概念が不要なので1個の共振回路でFMのスロープ検波のように制御電圧を作っています。

受信機とサーボの電源は共通で±2.4Vです。サーボの制御電圧はニュートラルで0V。スティックを操作すると±1V程度変化します。エンコンはディスクリミネータコイルが1個しか無いので0Vから-2Vぐらいまで変化します。送信機からの電波が止まると全ての制御電圧は0Vになりますから、エレベーター、エルロン、ラダーサーボはニュートラルに戻ります。エンコンは0Vでスローになるように設定されていればフェールセーフ動作となります。エンコンサーボだけ制御電圧範囲が異なるので回路の互換性はありませんが、エンジン、エレベーター、ラダーサーボは一体となっているので問題は無いようです。

 受信機はビニール袋に入っていた状態でしたが、やっぱり動きませんでした。ディスクリミネータコイルが1個断線していたので交換。エポキシ樹脂みたいなので固めてあるので交換は大変でした。ラダー用のディスクリミネータの特性がおかしかったので共振用コンデンサの容量調整、電解コンデンサは全て交換しました。送信機の変調周波数も調整。アナログは調整が大変です。(1月11日)


SARS-CoV-2 (China 2019)

 
とうとう新型コロナウイルスのせいで学校まで休校になってしまいました。経済にも悪影響が出て大騒ぎですが、テレビやネットを見てもなんかいい加減な情報ばかりで状況が良く分かりません。Wikipediaを見ると新型コロナウイルスの正式名称はSARS-CoV-2なんだそうです。WHOの言っていたCOVID-19は疾患の名称らしいです。
 厚生労働省の発表が日本国の正式見解でしょうからサイトを覗いてみました。

新型コロナウイルス感染症について 2月27日12:00現在




 
これを見るとこれまでのPCR検査実施人数はたったの2058人です。1日に3000人検査できるようになったんじゃないの?

ネット上では、厚生労働省の利権や面子のために検査機関が制限されているとか、検査すると感染者が膨大に出て東京オリンピック開催が危なくなるので政府が制限しているとか流言が飛び交っていますが、これを見ると言われても仕方ないと思ってしまいます。
 医療システムがパンクしてしまうので検査できないようにしていると言うのはなんとなく仕方ないかなとかは思いますが、体調が悪い人にしてみれば、「なんで検査してくれないんだ!」と怒るのはもっともなことです。
 気になるのは、殆どの人は感染しても軽い症状で症状の出ない人も多いのでそれほど恐れるものでは無いと言ってますが、検査で陽性だった186人中、症状が出なかった人はたったの19人。症状の出た人は167人(そのうち132人は入院)。どこが心配ないのか全く分かりません。


現在の状況と考え方



 
この図がテレビでもここ2週間が感染拡大を防ぐ山だと説明に使われていますが、よく見ると全く根拠のないグラフです。感染拡大のスピードを抑えると流行のピークが下がって医療のパンクを防げると説明していますが、抑えたグラフの方が全体の面積が大きく減少しています。
 感染拡大のスピードを抑えると総感染者数が減少するなんて言えるんでしょうか?単にピークを迎える時期が遅れるだけではないでしょうか?


国民の皆さまへのメッセージnew
新型コロナウイルス感染症の現時点で把握している特徴【2月25日時点】

<感染の仕方>
一般的には飛沫感染、接触感染で感染します。空気感染は起きていないと考えられています。閉鎖した空間で、近距離で多くの人と会話するなどの環境では、咳やくしゃみなどがなくても感染を拡大させるリスクがあります。

飛沫感染:感染者の飛沫(くしゃみ、咳、つばなど)と一緒にウイルスが放出され、他の方がそのウイルスを口や鼻などから吸い込んで感染します。
接触感染:感染者がくしゃみや咳を手で押さえた後、その手で周りの物に触れるとウイルスがつきます。他の方がそれを触るとウイルスが手に付着し、その手で口や鼻を触ると粘膜から感染します。

<感染力>
感染力は事例によって様々です。一部に、特定の方から多くの人に感染したと疑われる事例がある一方で、多くの事例では感染者は周囲の人にほとんど感染させていません。

<一般的な症状と重症化するリスク>
発熱や呼吸器症状が1週間前後つづくことが多く、強いだるさ(倦怠感)を訴える方が多くなっています。季節性インフルエンザよりも入院期間が長くなる事例が報告されています。

罹患しても軽症であったり、治癒する例も多いとされています。一方、重症度は、致死率がきわめて高い感染症(エボラ出血熱等)ほどではないものの、季節性インフルエンザと比べて高いリスクがあります。特に、高齢者や基礎疾患をお持ちの方では重症化するリスクが高まります。
新型コロナウイルスの感染症対策と相談・受診の目安
国民の皆様におかれては、風邪や季節性インフルエンザ対策と同様にお一人お一人の咳エチケットや手洗いなどの実施がとても重要です。感染症対策に努めていただくようお願いいたします。
次の症状がある方は「帰国者・接触者相談センター」にご相談ください。
・風邪の症状や37.5℃以上の発熱が4日以上続いている。
(解熱剤を飲み続けなければならないときを含みます)
・強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある。
※ 高齢者や基礎疾患等のある方は、上の状態が2日程度続く場合
センターでご相談の結果、新型コロナウイルス感染の疑いのある場合には、専門の「帰国者・接触者外来」をご紹介しています。マスクを着用し、公共交通機関の利用を避けて受診してください。
なお、現時点では新型コロナウイルス感染症以外の病気の方が圧倒的に多い状況であり、 インフルエンザ等の心配があるときには、通常と同様に、かかりつけ医等に御相談ください。

【相談後、医療機関にかかるときのお願い】
〇帰国者・接触者相談センターから受診を勧められた医療機関を受診してください。複数の医療機関を受診することはお控えください
〇医療機関を受診する際にはマスクを着用するほか、手洗いや咳エチケット(咳やくしゃみをする際に、マスクやティッシュ、ハンカチ、袖を使って、口や鼻をおさえる)の徹底をお願いします。

(妊婦の方へ)
妊婦の方については、念のため、重症化しやすい方と同様に、早めに帰国者・接触者相談センターに御相談ください。

(お子さまがいる方へ)
小児については、現時点で重症化しやすいとの報告はなく、新型コロナウイルス感染症については、目安どおりの対応をお願いします。



 なんか色々書いてありますが、 「風邪の症状や37.5℃以上の発熱が4日以上続いている。強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある。」の症状があるかどうか自分で判断して対処しろってことのようです。インフルエンザもあるので体調が悪いときはとりあえず病院に行って診断してもらわないと、普通?の風邪かインフルエンザか、はたまた他の病気なのか、コロナウイルスに感染した疑いがあるのか、シロートが判断できるとは思えません。
 日本は先進国と思っていたのですが、これしか出来ないの?と思ってしまうのは私だけ?
 まあ私はあまり病院には行かないので気にはなりませんが。

 
専門家が様々な意見を言う現状は福島原発がメルトダウンしたときに重なります。あの時混乱したのは民主党が未熟だったのが原因と思っていましたが、危機管理能力は自民党も同程度みたいです。まあ桜を見る会なんてしょうもない話さえも右往左往しているぐらいですから。
 長いことデフレで苦しんできましたが、デフレは経済だけで無く、日本人の資質も蝕んでいたのかもしれません。(2月28日)


ゴールドキング回転変流機 (Japan 1957)





 正弦波インバータはPWMで波形を作っているのでスイッチングノイズが気になります。スイッチング周波数は大体10〜20KHz程度ですから、中波のラジオなんかは近くで聞けたものではありません。スイッチング周波数を1MHzぐらいにしたインバータを作ろうと思ったのですが、回路図書いて部品を集めた所で、いつも通りやる気が無くなってしまいました。

 そんな時、昨年末にこれを入手しました。DC12Vのモーターで同期発電機を回してAC100Vを発電するコンバータです。入力は12V14Aで出力は50Hz, 100VA。3000rpmで50Hzですから1回転が1サイクルになります。昭和32年製ですが、当時は何に使ったのでしょうか?




 モーター側のブラシです。ブラシはカーボン。60年以上前の製品ですがまだブラシは十分残っていました。あまり使ってなかったようです。




 発電機側のブラシです。同期発電機は普通ローター側は界磁巻き線で、ステータ側から電流を取るのですが、これはモータのフィールドコイルと発電機の界磁巻き線が兼用になっているので、ローターからスリップリングを通じて電流を取り出します。こちらのブラシもカーボンで、まだ十分残っていました。




 台座の中はこんな感じです。入力側も出力側も結構しっかりしたフィルターが入っています。入力側はモーターのブラシノイズの輻射防止でしょうが、出力側にも必要なのはスリップリングは結構ノイズを出すのでしょうか? 真ん中の円筒形の物はモータのフィールドコイルに流す電流を調整する抵抗で、これで周波数を微調します。(3月7日)




 そのままでは使い難いし、保管し辛いので箱に入れました。またダイソーのMDF材を加工して箱を作ったので、適当に塗装していたら箱作りに1ヶ月も掛かってしまいました。出力電圧と周波数は結構変動するので電圧計と周波数計を付けました。

 電圧計はジャンクのAC15V計が手元にあったので改造して使いました。可動コイル型だったので内部のセレン整流器をシリコンに交換して電流制限抵抗を調整しAC150Vに調整しました。元々がジャンクなので精度はイマイチですが、100Vから外れているかは分かるのでまあ良いでしょう。
 周波数計は以前コレクション用に入手していた振動周波数計を使いました。確かに購入した記憶はあったのでどこかに有るのは分かっていたのですが、いつも適当にしまっているので探すのが大変で丸2日も掛かりました。





 内部です。振動周波数計の奥行が大きいので、箱のサイズはそれに合わせて作りました。
 箱に入れたもう一つの目的は防音です。うるさいって程ではありませんが、やっぱりモーターが回っているのでそれなりの音がします。この中に吸音材を詰めれば静かにならないかなと期待しています。




 モーターのフィールドコイルの電流調整である程度の周波数と電圧調整は出来るのですが、入力電圧が高めだったり、負荷が軽いと電圧と周波数が跳ね上がります。調整するため入力にモーターのスピードコントローラーを入れました。
 スピードコントローラーはいつも通りAmazonで中華マシンを購入して改造しました。出力Dutyは0%から100%まで調整出来ますがそんなに可変する必要は無いので、75%から100%に制限しました。
 ついでに低電圧カットオフ回路を追加しました。入力電圧が12V以上でON、10V以下に下がるとカットオフします。バッテリーで動かすのでこれが無いと過放電しないようにいつも注意しておく必要があります。(3月22日)

EnerSys Cyclon D cell (USA)



 新型コロナウイルスはえらいことになってしまいました。日本は防疫と経済のバランスを何とか維持しようとしていますが、極めて危なっかしい状況です。下手をすると全てを失いかねません。
 のらりくらりとした対応は西洋人の価値観では理解できないでしょうね。何とかうまく乗り切って欲しいものです。

 新型コロナウイルスが人工的に作られた物で無いことを祈りますが、今回の騒動で生物兵器は極めて有効なことが明らかになってしまいました。市民生活を根底から覆す威力は、ある意味核兵器よりたちが悪いです。もし高病原性鳥インフルエンザウイルスが変異して人に感染する新型インフルエンザが発生したら、生き残る自信はありません。スペイン風邪をはるかに超える悲劇がもたらされるのでしょう。

 ということで出来るだけ家に引きこもっているので、バッテリー関係を整理していました。2次電池は時々充電してやらないといけないので管理が面倒です。片づけていたらこれが出てきました。単一電池サイズの密閉型の鉛バッテリーです。以前テスト用に購入して忘れていました。最後に充電したのは2015年5月。アッチャーと思いましたが後の祭り、完全に死んでいました。開放電圧は0.9Vぐらい。充電しようと電圧を加えても殆ど電流が流れません。

 普段から使っていればもう少しましだったと思いますが、私の管理体制では鉛バッテリーは使えませんね。(3月28日)



Portable TV Set



 ゴールドキング回転変流機を入手したのでSilvertone 9116と組合わせてポータブルワンセグテレビセットのテストをしました。

 セットの総重量は20kgオーバー。電源は以前に作った12.8V15AhのLiFeバッテリー電源。作ってだいぶ経ちますが、鉛バッテリーと違って当初の性能を保っているようです。
 消費電流は12A程度なのでバッテリーが満充電なら1時間は動かせそうです。正弦波インバーターのような強烈なノイズはありませんが、やはり画面のノイズが気になります。テレビの入力はRFモジュレータを使っているので、モータブラシの放電ノイズがテレビのRF回路に飛び込んでいるようです。入力電源側で発生しているノイズなので回転変流機側で比較的簡単に対策出来そうですが、普段使う訳でも無いしまた分解するのは面倒なので当面は放置です。(3月29日)


緊急事態宣言

 とうとう緊急事態宣言が日本全国に拡大されてしまいました。得意ののらりくらりではもはや対処不能なんでしょうね。残念。
 アベノマスクはいつ頃もらえるのでしょうか?10万円は?

 今回の事態はとても不気味です。どうしたものか。(4月16日)


チャーム ランプ (Japan - 2007?)



 昔は電気屋さんの店頭に色々な装飾電球が光っていました。その中でも際立って可愛かった旭日電機工業のチャームランプです。
電球職人さんが引退して?、たぶん2007年頃生産終了したようです。





 電源が入っていないときはこんな感じ。ランプと言っていますが放電管です。
 花びらの部分が放電電極になっています。この色はたぶんネオンガスの放電でしょう。葉っぱや茎の部分は蛍光体が塗られていて、放電により発生する紫外線?で光っているようです。





 こんなに種類があったらしいです。コレクターズアイテムになりそうですが、集めている人は居るのかな?
 大昔は他にもすごい装飾電球があったような気もしますが、もう分かりませんね。
 失われてしまった技術です。(4月26日)


AIきりたん (Japan 2020)



  いつもなら楽しいゴールデンウイークなのに緊急事態宣言が延長されるようです。まあ、緊急事態宣言と言っても強制力の無い自粛要請です。強制力のある命令が出されれば、それに従って発生する不利益や損害は政府が補償なり賠償する責任が発生します。しかし、自粛要請ならそれに自発的に従っても政府には責任がありませんから、受けた損害を援助する第三者的な立場が取れます。卑怯としか言いようの無い政策ですが、日本人は気味が悪いほど従順に従ってしまいます。(仕方ないよね〜って)
 そうは言っても不満はあるので、政府への不信感は上がる一方です。台湾の祭英文総統など諸外国の指導者の支持率が上がるのと対照的ですね。

 と落ち込んだ気分を振り払うアイテムが出てきました。ボーカロイド関係から遠ざかっていたので最近まで気が付かなかったのですが、新しい歌声合成シンセが一部の層で盛り上がっているようです。AIきりたんはボイスロイド?の東北きりたんの音声データデースを使ったNEUTRINOというAI歌声合成ソフトです。これまでのボーカロイドでは歌詞を打ち込んでも細かい調整が必要でしたが、これはベタ打ちでもそのまま人間が歌ったような音声を合成します。それも現時点ではフリーウエア。タダで入手できます。初音ミクが出た後にも自動でチューニングするツールの開発などの動きはありましたが、どれも市場に公開されなかったと思います。初音ミクが出た時ほどではありませんが、Youtubeなどではかなり盛り上がっています。

 まだ歌詞を人が判別してメロディーに載せていますが、歌詞データも解析してメロディーに自動に載せてくれるようになれば、AIスピーカーが希望する歌を歌ってくれるようになるのも間近だと思われます。まあそうなるとJASRACが黙っていないでしょうけど。(5月1日)


Portable Slot-in Turntable Player Model TT228 (China 2019?)



 ゴールデンウイークです。新型コロナの影響で自宅に引き籠っています。(まあ、新コロ無くても毎年引き籠っていますが。)

 以前から気になっていたレコードプレーヤーを購入しました。Amazonで最初に見た時は7999円で、「シャレで買うにはちょっと高いな。」と思っていました。そうしていたら9999円に上がってしまって「こりゃ駄目かな?」と諦めていたんですが、連休前に見たら5999円に下がってまして「ポチッ」としてしまいました。

 メーカーはMUSIC PUBLIC KINGDOM。詳細は不明です。取り扱い説明書は日本語もあります。レコードは7インチサイズ専用で、前から押し込むと演奏が始まります。回転数は33と45回転。33回転に対応していますが7インチ専用なのでLPは掛かりません。演奏が終わると「ペッ!」って感じでレコードを吐き出します。問題なのは途中で止められないこと。イジェクトボタンはあるので押せばレコードをペッと吐き出して止まりますが、トーンアームはきちんと戻ってくれないので、次のレコードを押し込むと途中から始まります。Bluetoothがあるので外部スピーカーに送信出来るのかな?と思っていたら受信用。Bluetoothの付いたポータブルプレーヤーの音をこれで聞くのだそうです。「しょぼいスピーカーが1個あるだけなのに、これでわざわざ聞くんかい!」と突っ込みたくなります。バッテリーも内蔵しているので、AC電源が無くてもこれだけでレコードを聞けます。



 分解しました。レコード端の位置に棒があって、これがレコードで押されるとレコードを押し込む力で上下からクランプします。ドーナツ盤でも問題無くクランプしました。トーンアームが演奏終了位置に来るとクランプが外れて、レコードを吐き出すと同時にトーンアームを初期位置に戻します。トーンアームの針圧はバネで作っています。



 トーンアームの針圧はバネで作っていたので、水平以外に設置しても使えるのでは?と思いました。実際に垂直に立てて動作させてみたら問題無く動作しました。演奏が終わると、昔のトースターがトーストを吐き出すみたいにレコードをペッと吐き出して結構笑えます。但し、充電用のDCジャックが本体の後ろにあるので、ACアダプタで動作させるときは写真みたいに台に載せないと置けません。



 Amazonからのダンボール箱がえらく大きいな?と思って開けたら中央のダンボール箱が出てきました。まあこれなら仕方ないかなと開けたら、右端の箱が出てきました。まるでロシアの何とかっていう人形みたいです。
 Amazon Primeに入っているので送料はタダですから個人的には負担はありませんが、運送屋さんが気の毒になります。Amazonって時々どうしてこんな大きな箱に入れてくるの?と驚くほど大きな箱に入ってくるときがあります。梱包と発送の手間だけ考えるとそちらの方が効率が良いのでしょうが、運送屋さんは大変ですね。(5月2日)


Variprop (Switzerland 1979)



 
スイス製の可変ピッチプロペラです。アイエム産業が輸入していました。1970年代は今では考えられないほどラジコン模型が盛んでこんな物までありました。当時はグローエンジンしか動力源がありませんから有効性はあるとは思いますが、やはり危険なのと一般人には全く使いこなせそうにありませんので、(まあ、スタントコンテストの常連でもない一般人には要りませんよね。)普及しませんでした。



 プロペラのピッチ変化の様子です。左が正ピッチ最大、中央はゼロピッチ、右側は逆ピッチ最大です。
 ピッチゲージを持っていないので、正確な可変範囲は分かりません。




 エンジンで動かすのは難しいので、モーターで回すテストベンチを作りました。モーターは今ならブラシレスでしょうが高価ですし、スピードコントローラが面倒くさいので、普通のDCブラシモーターを使いました。電動工具などに使われる775モーターの適当なのとマウント金具をAmazonで購入しました。市販のモーター用プロペラアダプタのシャフトはメートルねじなので、これには合いませんでした。仕方無いのでUNFねじのボルトやカプラーを加工して自作しました。この可変ピッチプロペラのピッチ変更スライド機構は私の感覚ではとても貧弱に見えます。モーターで回しても怖いので、当時60クラスのエンジンでよく持ったものです。このモータにこのプロペラ直結はかなりの過負荷で、たったの4Vしか印加しなくても10Aも流れているのに回転数は4000rpmくらいです。(定格は12Vで150W?)
 この程度のモーターでもプロペラをゼロピッチにすると回転数が急激に上がって怖いです。エンコンと連動して細かい制御をしないとあまり意味がないと思うんですが、当時はどうしていたのでしょうか?(5月6日)



F&M Digital-5 後期型 (USA 1967)



 F&M Digital-5の後期型をレストアしました。たぶんF&Mが設計して量産した最後の製品と思います。この後にもF&Mと名前の付いた製品はありますが、どう見ても青いLogictrolといった感じです。
 送信機はなぜかオープンシンバルの旧型スティック機構ですが回路は後期型です。ボナースティックを使った方が製造が簡単と思うのですが、KRAFTなんかも色々なスティック機構をごちゃまぜに量産していますので理由は良く分かりません。




 受信機は薄くなったので1枚基板と思っていたら、ダブルデッカーでした。(片方は半分ぐらいなので1.5デッカー?)
 デコーダ回路が故障していて修理に手古摺ったのでパターンを追って回路を読み取りました。デコーダ回路はマイクロアビオニクスの初期製品と同様なリングFFとダイオードマトリクスで構成されています。従来製品を引きずったフェールセーフ機能が乗っているので、その分マイクロアビオニクスより複雑になっています




 家にあるもう一台の後期型送信機と並べてみました。左はボナースティック、右が今回のオープンシンバルスティックです。プリント基板のパターンは全く同じことが分かります。今回の基板にはDT-66Aとあるのですが意味は不明です。(どこかで見たような気もするんですが?)
 シリアルNo.は左は70304、右が70720なので、今回のオープンシンバルスティックの方が後で製造されたことになります。(5月23日



Abeno Mask (Japan 2020)



 ついに我が家にもアベノマスクが来ました。有難いことです。菅官房長官のお話ではこれで感染拡大の第二波に備えろ!とのことですので、大事に保管しておこうと思います。

 最近は外出するときマスクしていないと人目が気になりますが、私はマスクが大嫌いなので出来るだけ外に出ないことにしています。
 何時になったらこの騒動は終わるんでしょうか?(6月5日)


OS 5CH REED RADIO SET (Japan 1960?)



 以前に魔が差して購入したOSのリード式無線機をセットとして組み立てました。送信機はT5-D、受信機はR5-C。受信機のR5-Dってのは無いらしく、この組み合わせで良いようです。回路図がラジコン技術の創刊号に記載されていますから、発売時期は1950年代末と思います。リード式は実際にサーボを動かすよりもリードリレーの共振周波数に送信機のトーン発振回路を調整する方が楽しいのですが、後期の送信機はトーン周波数の安定度も良くなったため、調整用ポテンショのつまみは送信機内部に入っていて調整が面倒です。初期のリード式はこの送信機みたいに調整用ポテンショがケースの全面に付いているので調整が簡単です。

 加えてこの送信機は5CH。通常は2個のリレー(2CH)でサーボ1個を制御するのでチャンネル数は偶数ですが、この送信機は5CHなのでラダー、エレベーターに4CHを充てるとエンジンコントロールには1CHしか残りません。そのためエンジンコントロールはシングルみたいな順序式サーボを使います。
 リード式無線機の奇数チャンネルはかなり珍しく、国産ではこれ以外にアルコンの3CHぐらいでしょうか?
 ラダーとエレベーターサーボはMKのマルチサーボS、エンコンサーボも時代が合ったもので組み立てました。




 今回困ったのがエンコンサーボ。米国製なら1950年代末でも使えそうなのはありますが、国産のエンコンサーボが普及するのはかなり後で、この頃はエスケープメントしかありません。国産で1960年頃にあったエンコンサーボは右側のPILOTのPS-2Mぐらいしでしょうか?。このサーボはラダーサーボの部品を流用して作られていて動作の確実性が乏しいです。

 大体この頃はやっとエンコン用のスロットルキャブレターが作られ始めた時代で、それ以前は燃料の流量でコントロールしてました。
 左は東京模型の2スピード燃料タンクです。燃料の出口は底に2ヶ所あって、片方は常時供給、もう片方はエスケープメントでカットできます。このエスケープメントの動力は後年のKOクロックモーターコンと同様なゼンマイです。ゼンマイを巻いておくとコイルに給電する度にバルブ開閉を繰り返します。エンジンには2本ニードルバルブが付いていて、片方のバルブから供給された時に最適(高回転)になるように調整します。タンクからもう1本のニードルバルブにも燃料が供給されると供給過剰となって回転数が低下します。このニードルバルブはエンジンが停止せず、かつ機体が降下可能となる低速になるように調整します。
 こっちの方が動作が確実なので操作するのは楽しいです。これに使うトッピードの2ニードルエンジンもどこかにあるはずなんですが?(6月17日)


OS AP-4 Full Set



 
年初に送信機と受信機はレストアしてなんとなく動くようになっていたのですが、やっぱりサーボが無いと楽しくありません。とは言ってもサーボの入手はほぼ無理そうなので、それらしい物を作ることにしました。ジャンク箱を捜したらリード式用の複合サーボS-802が出てきたので改造しました。

 リード式用の複合サーボなのでエンコン、ラダー、エレベーター、エレベータートリムと4サーボユニットが入っています。これだけで4チャンネルに対応できますがエルロンサーボが独立していないと寂しいので、AP-1のラダー用サーボSP-203を外部に付けられるようにしました。回路はSP-203の回路をコピーして作りました。リード式用のサーボがベースになっているのでモーターの減速比が大きく恐ろしく亀なサーボですが、有ると無いでは大違い、やっぱりサーボがあると楽しいです。

 SP-802はリード式用のサーボなのでAP-4よりずっと前に発売されていた物と思っていたのですが、改造してみると何か違和感を感じました。構造や使っているモーターを見ると、どう見ても初期のデジタルプロポに近いようです。




 これが実際のAP-4のサーボです。以前にある人から写真を貰いました。どう見ても試作品っぽい外観です。ポテンショメータも汎用品もしくはその改造品を使っているのでは?と感じます。デジタルプロポの試作品でこんなサーボホーンを見たような記憶があります。

気になったので1965〜1966年のラジコン技術を調べてみました。

1965年3月号 表紙はAP-4のテスト風景。年内に発売予定との記載。
1965年5月号 シングルサーボS-101、S-101M 新発売。OSがシングルサーボを製造するのはたぶんこれが最初。
1966年6月号 AP-1 新発売。ラダーサーボSP-203。
1966年7月号 リード式サーボS-802、S-202 新発売?
1967年1月 デジタルプロポD4 新発売。サーボSP-250。

もしかするとOSがまともにサーボを製造したのはAP-4用のSP-601とSP-201が最初なのかもしれません。古いマルチサーボでOSブランドの製品のジャンクを見たことがありますが、同じ形状のMKのサーボもあった気がするので、本当にOSが製造していたのか不明です。

 今回ラジコン技術を読み返してみて、シングルのサーボも1965年になって初めて発売されたのは驚きました。もう周りはデジタルプロポの時代が始まっています。
 リード式のサーボSP-802は1966年発売。構造や使ってあるモーターがデジタルプロポのサーボと同じなのは時期としては当たり前です。AP-1のラダー用サーボSP-203とリード式用サーボS-202、デジタルプロポ用のSP-250は外観上は区別がつきません。モーターの減速比や回路は異なりますが、機構部品などは同じものが使われているようです。
(7月18日


Graupner Digital TX14 RX14 Digimatic servo (Germany 1966)



 新型コロナの状況は悪化する一方な気がします。どうしたもんですかね?
 お盆休みですが感染するのもウイルスをまき散らすのも嫌なので、家に引き籠ることにしました。

 Graupnerとしては最初の比例制御の無線機です。Bellaphon10も比例制御できますがマルチチャンネルのギャロッピングゴーストです。たぶん15年ぐらい前にドイツ人に譲ってもらいました。入手した時は情報は全くありませんでしたし、状態もかなり悪かったので 「えらくごついデジタルプロポだな!」 と思っただけで放置していました。
 Graupnerはこの製品までは個々の部品に名前を付けるだけでセットの名称はありません。この後のVariopropからはセットで名称が付くようになりました。

 最近ググっていたらロシア語のサイトに回路図が有ることに気が付きました。暇な時に眺めていたら、「これデジタルプロポじゃ無いじゃん!」と気が付きました。Digimaticサーボは電圧制御のサーボです。送信機の変調もPPMではありません。「これはすごい!」とダンボール箱の山の中から探し出してレストアしました。

(ロシア語のサイトに興味がある方はGrundig Digital TX14でググると出てきます。ロシア語?なんで全く読解できませんが回路図以外にも色々情報があるようです。今回ロシア語では電圧の単位表記がBであることを初めて知りました。12Bって書いてあるけど何だろうと思ったら12Vのことでした。)




 TX14の変調波形です。なんて美しいPWM。AMのPWMなんてSimprop Digi4だけと思っていましたが他にもあったとは。左端は800Hzのサブキャリア4周期のバースト。この部分で受信機は同期を取るようです。その後は7チャンネルの操作に比例したPWM変調。各チャンネルのポテンショメータの電圧でPWM Dutyを制御します。Dutyが50%でニュートラルになります。受信機は各チャンネルのPWM Dutyをアナログ電圧に変換してサーボを駆動します。

 移動体間の通信ですから電波の受信状況は物凄く変動するわけで、電波の受信強度が直接デコード波形に影響するAM PWMで安定して動作するのが不思議ですが、SimpropのDigi4と同様に普通に市販されており問題無く使えたようです。受信機のAGC回路は見たことのない複雑な回路になっていますので、その辺に秘密があるのかもしれません。まあ浅学な私には理解できませんけど。

 Grundigブランドで市販されただけあって作りはメチャメチャ高級です。TX14はトランジスタが30個、ダイオードが61個、RX14はトランジスタが48個、ダイオードが53個も使われています。こんなに部品点数の多いラジコン無線機は見たことがありません。金属部品の加工も素晴らしいですし、金型にお金が掛かる樹脂部品も惜しげもなく使われています。やっぱりドイツってすごいな。(8月11日)


Graupner Varioprop 8S (Germany 1973)



 暑いです。外に出たら死にそうです。こんなに暑いのにコロナウイルスは今日も元気です。

 RX14をレストアする際、SWハーネスがありませんでした。RX14はアンテナもSWハーネスコネクタに引き出されているので、SWハーネスが無いと動作させられません。コネクタはGraupner独自?で入手出来ませんので自作も難しいです。代用できるの無いかなと探したらこれが出てきました。SWハーネスのコネクタの端子配列はRX14の物と互換でしたので、これを流用してレストアしました。せっかく出てきたので、これもレストアすることにしました。

 Variopropの3世代目のセットです。一般的なデジタルプロポで、コストダウン競争が始まった頃のセットです。
 サーボは小型ですが本体の大きさの割に配線が太くて邪魔です。Variopropのサーボ本体には駆動回路は入っておらず、ポテンショメータとモーターしかありません。受信回路とサーボ回路はモジュール化されており、受信機は赤い帯の受信回路モジュールに黄色の帯のサーボ回路モジュールが積み重なって出来ています。この構成はVariotoneの伝統を引き継いでいます。サーボ回路モジュールはパルスデコード回路とサーボの駆動回路から構成されており、このモジュールには2サーボ分入っています。サーボ回路モジュールを追加すればチャンネル数を増やせますので、もう一つモジュールを追加すれば12S送信機(6チャンネル)に使えます。(8月14日)


ラジオの製作 2020年10月号



 電波新聞社が創立70周年を迎えたとのことで、記念にラジオの製作が一回限りで復刻されました。子供の頃にはよく読んでいましたが、何時の間にか書店の店頭から消えていました。1999年に廃刊したそうで、21世紀は迎えられなかったようです。

 電波新聞社は電子工作マガジンでまだ頑張っていますが、内容的にはラジオの製作の頃とあまり変わらないように思います。先端技術は一般人にはもはや手の届かない所に行ってしまいました。昔はマイクロプロセッサーの記事もあったのにね。(マイコンって言ってました。)

 素人が色々と遊ぶことのできた古き良き時代です。(9月12日)



KRAFT KP-6 (USA 1966)



 やっと涼しくなって来ました。今年は台風が少なくて助かりますが、このまま何事も無く無事に終わってくれるんでしょうか?。

 Kraftって私としてはぱっとしないメーカーです。技術的には面白みが少ない割にGold Medal Seriesで一世を風靡してからは米国を代表するメーカーになりました。日本で言えば双葉電子でしょうか。(怒られるかな。)
 Kraft Pullen Proportionalで失敗してからGold Medal Seriesに至るまでには試行錯誤が続きます。1965年にKP-4を発売。翌年にKP-6を発売しました。KP-4の受信機はシングルデッカーですが、なぜかKP-6の受信機はダブルデッカーです。Kraftのダブルデッカー受信機はこれのみで、理由が分かりません。受信機とサーボは20年近く前に入手していたのですが、送信機が入手出来なかったので長らく調査出来ませんでした。本来の送信機はもう入手出来そうにないので、後に発売されたKP-6Bの送信機と組合わせて動くようにしました。KP-6Bの受信機は本来シングルデッカーです。




 左がKP-6のサーボ。プリント基板にはkpss(kps5 ?)と書いてあります。
 右はkps7。家にある金色アルマイトケースのサーボの殆どはこのタイプです。防振、防湿用?のシリコンゴムで固めてあるので分かり難いですが、部品点数が異なるのが見て取れます。(このシリコンゴムは修理するにはガンです。やわらかい分エポキシ含侵よりはましですが、部品交換は至難の業です。)

 KP-6のサーボはモノマルチとパルス幅比較、パルスストレチャまでの回路が6回路分まとめて受信機基板に載っています。リニアホーンの位置を検出するポテンショメータはサーボ内部にありますので、モノマルチと離して良いことはありませんから理解に苦しみます。ここからは推定ですが、たぶん最初のKP-4のサーボ回路には何か問題があったのではないでしょうか?。改良しようとしたのですが部品点数が増えてサーボの基板に載らなくなった。仕方無いので回路を二つに分けて半分は受信機にまとめて入れたのでダブルデッカーになった。しかしサーボ回路を分割するのはやはり問題が多いので、部品を小型化してサーボに何とか収めた。これがkps7サーボ。サーボに回路が収まったので、その後の受信機はシングルデッカーで良くなった、ってことではないでしょうか?。




 同時期のPCS受信機基板です。PCSは名前が違うだけで中身はKraftと同じです。この受信機は5CHなのでデコーダー回路が1個少ないですが、回路構成やプリント基板パターンはKP-6受信機の下基板と殆ど同じです。今回はこれを使って各回路部分の動作を確認しました。




 KP-4受信機のデコードフォーマットです。通常のデジタルプロポはサーボ制御パルスとは別に同期期間があり、各周期でスパイクオフ変調されています。初期Kraftの可変フレームレートプロトコルではエンコンサーボパルスだけ3ms長くなっていて、受信機はこの部分を検出して同期を取ります。受信機には3msのモノマルチがあってエンコン用パルスから差し引くことでサーボ制御用のパルスを作っています。(この資料によると初期のKraftのサーボのニュートラルは1.7msだったようです。今回のKP-6は1.5msに調整しました。)
 今回のKP-6受信機や調査に使ったPCSの受信機も同様になっていて、3msのモノマルチパルスでエンコンパルスから3ms差し引いてエンコンサーボ制御用信号を作っています。なぜこんな面倒なことをしたのか分かりませんが、Pullen Proportionalのなごりでフレームレートを出来るだけ上げたかったのかもしれません。昔Kraftをレストアしたときはこのプロトコルを知らなかったので、改造して無理やり動かしてしまいました。(9月27日



HOBBY PEOPLE 1+1
MAINSTREAM GEM1
F&J GEM 1+1
(ENGLAND 197x)




 ついこの間までうんざりするほど暑かったのに急に寒くなりました。最近は秋を楽しむ余裕を与えてくれません。
 コロナはまったく治まりませんし、このまま年末、年始を迎えるとどうなっちゃうんでしょうかね?。

 プロポーショナルサーボ1個と順序式エンコンサーボ1個を操作するシングルプロポは日本独自と言ってよい製品で、日本以外には英国しかありません。シングルプロポは方式が色々あって面白いので見るとつい買ってしまいます。ずいぶん前に左端のHOBBY PEOPLEの1+1を入手しましたが、HOBBY PEOPLEは米国の販売店で製造元が分かりませんでした。真ん中は英国の製造元と思われるMAINSTREAMのGEM1です。貼ってあるシールが違うだけで中身は全く同じ物です。これもだいぶ前に入手していたのですが状態が悪く放置してました。
 右端は最近ドイツから入手したF&JのGEM1+1です。F&JはMAINSTREAMのEUROPEAN DISTRIBUTERらしいです。送信機の外観は異なりますが、違いはクリスタルが交換出来るようになっているぐらいで、回路は全く同じです。さすがに送信機はあまり小さいと操作し辛いのでこのぐらいの方が良いですね。これを入手したのでまとめてレストアしました。

 シングルプロポですからスティックはラダー操作で、その下にあるロッカースイッチでエンコンを操作します。ロッカースイッチを押す度にエンコンサーボはHI-MID-LO-MID-HIを繰り返します。スイッチを押しっぱなしにすると、エンコンサーボはぐるぐる回り続けます。





 送信機の変調は固定Dutyの100%変調で、送信機のスティック操作で変調周期が変わります。ロッカースイッチを押すと変調周期が2倍になります。ロッカースイッチのON、OFFに関係なく、ラダーサーボの制御パルス周期は一定で、通常のデジタルサーボと同様にパルス幅1.5msでニュートラル、スティック操作によってパルス幅が増減します。

 HOBBY PEOPLEは正常に動作してましたし、受信機はシールで封鎖してあったので分解する気になれなくて調査出来ませんでしたが、今回は元の所有者か開封していましたので、躊躇せずに分解して調査出来ました。

 ラダーサーボパルスのデコード回路はトランジスタ2個のモノマルチだけです。モノマルチは変調波から検出したデコードパルスの立下りでトリガされます。通常のロッカースイッチが押されていない状態(エンコン操作していない)ではモノマルチの動作中に次のトリガパルスが来ますが、このモノマルチはリトリガされない回路になってますので無視します。モノマルチが停止後に次のトリガが来るまで、モノマルチ出力は”H”になります。スティックがニュートラルの時にデコードパルスの2周期がモノマルチ周期より1.5ms長くなるように設定されています。スティックを操作するとデコードパルス周期が増減するので、モノマルチ出力パルス幅も増減します。
 ロッカースイッチを押すとデコードパルス周期が2倍になりますが、途中のトリガパルスが来なくなるだけなので全く変わりません。最初に回路を見た時はなぜこんな簡単な回路で処理できるのか分かりませんでした。まさかエンコン操作をしていないときはパルスを1回読み飛ばすとは。簡単で有効な素晴らしいアイデアです。

 エンコンはエンコーダパルス周期が下がったのを検出します。ラダーサーボデコード回路とは完全に独立していて、こちらにはトランジスタが3個使われています。(10月25日)



今年も終わりですね



 今年ももう終わりですね。色々作っていたのですが完成に至りませんでした。
 コロナは益々酷くなる一方な気がしますがどうなるんでしょうか?オリンピックなんか出来るんかいな?
 それでは皆様良いお年を!(12月27日)