2011年
Japan Maritime Self-Defense Force (Japan 2011)




新年明けましておめでとうございます。

 
正月は13年ぶり?に自衛隊の潜水艦を見に行きました。素人の私には以前見た時との違いがよく分かりませんが、13年も経ってるんですから船は変わっている筈。日本の潜水艦って全部同じ外観と思っていましたが、この写真見ると艦橋の形も微妙に違っているんですね。1月3日にはたぶん11隻浮かんでました。でも一般公開日でもないのに実戦配備された潜水艦を一般人がこんな至近距離で見られる国って、やっぱり日本だけなんでしょうね?中国人の観光客が潜水艦をバックに写真撮ってました。平和で何よりです。
(1月7日)



ГНОМ3 (CCCP 1984?)



 今は無きソ連のトイラジです。キリル文字はまったく分からないので、表題が商品名なのか不明です。ソ連で製造されたソ連軍の車両のトイラジは珍しいので、ずいぶん前から探してましたが、昨年末やっと入手できました。有名な8輪装甲車?兵員輸送車?で水陸両用だったはず。車輪は8個ありますが、モータで駆動するのは中の4個のみで、左右を別のモータで駆動して戦車みたいにその回転数制御で左右に曲がります。

 送信機はクリスタルも無くてLC発振。発振回路の電源をマルチバイブレータでオン、オフさせて、ステアリングでそのDuty Ratioをコントロールします。前進スイッチを押すとマルチバイブレータに電源が供給されて発振が始まるので、電源スイッチはありません。

 車両側、受信機は超再生。キャリアのオン、オフを検出して、そのDuty Ratioそのままでモータドライバを駆動します。左右のモータは論理反転しているだけなので、Duty Ratio 50%で直進になります。モータドライバ入力は交流結合になっていて、キャリアの断続が止まると駆動信号も止まるので、送信機の電源が切れると停止します。簡単な回路でうまく作ってあります。同時期の日本製トイラジにも同様の回路の物があったように思いますが、日本ではモータドライバ部分がICとなっていました。これは全てディスクリート部品で作られています。

 面白いのは、トイラジなのに取り扱い説明書には、回路図、プリント基板のパターン図、部品表まで付いています。レストアラーには至れり尽くせりの説明書です。

 不思議なのは送信機の電池は単三4本だと思うんですが、どうしても電池BOXに入りません。1本あたり2mmぐらい短くないと入らないけどソ連の単三電池はちょっと短いのか?
 でもさすがにソ連でも電池のサイズは国際規格に合わせてあるはずですが、単三と思っているけど実は違うんでしょうか?
端子のばねを外して単三電池が入るように改造しましたが、ちゃんと動いています。



Cynpahap83 (CCCP 1983?)



 
同時期のソ連製デジタルプロポです。おまけ。


Nissan Silvia (Japan 1966?)



 これはまだレストア終わってませんが、丸正通信精器製のトイラジ、シルビア。車体側はレストアしたんですが、送信機が腐っています。オリジナル部品にこだわらなければすぐ直せるんですが、ちょっと面白い回路なので出来ればオリジナル部品でレストアしたい。ってことで放置してます。これに使える送信機のJUNKは以前2台も持っていたんですが、「こんなの永久に要らないよな!」って捨ててしまいました。なんてこったい。
 シングルですがサーボが凝っていて、モータコンは順序式ながらチョン打ちでかなり正確に操作できます。省電舎の社長、やりますね。
(1月23日)


FMS (Switzerland? 2000)



 最近はラジコンの飛行機を飛ばせる場所も少なくなりました。昔は身近なかなり危険と思われる場所でも飛ばしている人がいましたが、今考えると「よく事故にならなかったなもんだ」と思います。(結構あったような気もしますが、世の中おおらかでしたね。)
 ちゃんとした無線機でも飛ばす場所が無いのに、昔の危なっかしい無線機で実際に飛行機飛ばすなんて、まず不可能です。(電波法的にもね。)

 昔の無線機をレストアしたり、動作を再現したりしている物好きは海外にもいるわけで、イギリス人のサイトがありました。

http://www.singlechannel.co.uk/

 おお頑張っていますな、と思って見ていたら、フライトシミュレータをシングルで操作してる映像がありました。
 そうですこれです。実際に飛ばせないのなら、バーチャルで良いじゃない。このサイトみたいに改造してエミュレートするんじゃなくて、サーボで送信機のスティックのポテンショを動かせば良いじゃない。直接操作するのではないので反応は遅くなりますが、昔の機械は元々動作遅いのであんまり問題にはならないだろうし。

 ってことでフライトシミュレータ探したんですが、ちゃんとした製品は高い!
じゃあフリーのFMS。

http://rcp.web.infoseek.co.jp/fms.html
http://n.ethz.ch/student/mmoeller/fms/index_e.html

 でも公式ではAlpha版(Version 2.0 Alpha 8.5)でもXPまでしか対応してません。家のパソコンはもうVistaとWindows7なので、動かないらしい。本当に駄目なのかな?って検索したら、やっぱり何とかなるみたいで何処かの外人がWindows7で動くバージョン?を配布してました。こんなの信じて大丈夫かいな?と不安に思いつつダウンロードしてインストールしたらちゃんと動きます。(FMSとWindows7で検索すると出てきます。何とかってフォーラムにリンクがあります。その他にも対策案があるみたいですが、中途半端な感じなので止めました。)
 インターフェイスは以前ヤフオクで買ったUSBで接続する専用の送信機を持っているので(今、新品で買ってもたぶん1500円ぐらいで買えます。)、ばらしてポテンショを外付けにしてホーンを付けて、サーボとリンケージすればOK!。シングル、リードだったら簡単。GGでもできるかな?気が向いたら作ろっと。

 でもこのまま普通に操作しても、私はうまく飛ばせません。滑走路に帰って来れない。
とりあえす練習が必要です。なっさけな〜!
(2月5日)



GAKKEN SX-150 (Japan 2008)



 以前にも何かで書きましたが、子供の頃からシンセサイザーには興味がありました。今から見るとアナログシンセはオペアンプとディスクリート部品で比較的簡単に作れそうですが、一から作るとなると結構面倒です。(音楽の才能があればやる気も出ますが。)

 もう3年ほど前になりますが、学研からSX-150が発売されました。おもちゃみたいですが、アナログシンセに必要な基本的な機能は付いています。こりゃ良いなって思わず飛びつきましたが、入力はキーボードではなくて抵抗膜をテストリードみたいなので触る方式なので、少しプープー鳴らしたら飽きてしまいました。抵抗膜のところにタクトSWをつけてキーボードみたいに改造している例も見ましたが、中途半端です。

 最近、他の目的でMIDIインターフェイスが欲しくなりました。MIDIはシリアル通信なのでCPUで受信してデコードするのは簡単な筈ですが、プログラムを作るのが面倒。MIDIの仕様書見てもピンと来ないし、Cのコード見る気力が出ない。 
 で、誰か作ってくれないかな?とネットを探したら、アナログシンセをMIDIでコントロールする回路を配布している方がいらっしゃいました。早速、プリント基板とプログラム書き込み済みCPUと部品一式を購入して組み立てました。右下がそれです。
 上は以前安売りしてたとき購入したカシオのキーボードGZ-5。確か6000円しなかった。こっちもおもちゃみたいですが、単独で音を出せますしMIDIキーボードにもなります。GZ-5→MIDI-IF→SX-150でGZ-5で操作できるようになりました。遊んでみるとおもちゃでもキーボードが有ると無いでは大違い。結構面白いです。やっぱりヒューマンインターフェイスは重要ですね。

 MIDIで制御できるようになったので、パソコンからDAWで音を出せるようになりました。これも面白い。SX-150 1台のみなので同時には1音しか出せませんが、MIDI-IFは1から8CHまで切り替えられるようにしましたので、チャンネル切り替えて録音してミキサー掛ければ、原理的にはこれだけでも複数チャンネルの曲が作れます。


COX TRIPLANE (USA 1990)



 今月のラジコン技術の馬庭コレクションはCOX。タイムリーって云うか、家にCOXのUコンが来ました。
 最近ヤフオク見ていたらこれが1万円で出品されていました。誰も入札していないので、「昔は高かったのにな〜!」と思って入札したら、そのまま落札してしまいました。第一次世界大戦のドイツのエース、リヒトホーフェンの愛機です。おおかっこいい!
 20年前の製品なのに箱も綺麗なので、開けようかどうか迷っています。当分このまま飾っておこっと。

こんなトイUコン?はCOXの他にもWenMacやTestorsがありますが、COXは造形がいまいち。やっぱりWenMacやTestorsの方が好きです。WenMacのP-38なんて双発でメッチャかっこいい。アメリカ人のコレクターも探している人が多そうで、もし新品箱入りなんてebayに出てきたらすごいことになりそうです。
 でもたぶんFokkerのTriplaneはCOXしかありませんけどね。
(2月12日)



ARCON 3CH (Japan 1963)



 また嫌な季節がやって来ました。昨年は花粉の量が少なくて助かったんですが、今年は凄いって話。これからゴールデンウイークまでは引きこもりの生活が続きます。せっかく部屋に閉じこもっているので、またダンボール箱のガラクタを漁って、ラジコン無線機レストアしました。

 シングルの飛行機や船はラダーとエンジンコントロールだけなので、通常のシングル無線機で操作できますが、やっぱりボタン打ちで打ち分けるのは操作し辛い。 … ってことでお金がある人はリード式のマルチチャンネルを使いました。アルコンの3CHはそんな用途の典型的?リード式無線機です。ラダーサーボで2CH、エンコンは順序式で1CH使います。写真のエアボーンは前の所有者が作ったもので、なぜかラダーサーボしか付いていません。ラダーサーボはOSのS-202。元々はリレーレスタイプの筈ですが、受信機はリレー付きなので内部のアンプ回路が外されています?(リレータイプがあったのかな?)
 レストアは適当に分解掃除の後、受信機は電解コンデンサを全部交換、送信機はリード共振周波数からトーン発振周波数調整範囲が外れていたのでコンデンサを追加、などで動くようになりました。サーボはホーンの軸がプラスチック製で、ホーン留めねじの応力で割れていました。OSのこのタイプのサーボはホーン軸が弱く、同じように壊れている場合が多いです。今回もばらばらになったプラスチックを寄せ集めて、瞬間接着剤でくっつけて修理完了。動かして遊ぶだけならこれで十分です。

 エンコンサーボを追加しようかとも思いましたが、配線をやり直さないといけないのでこれはこのまま。(2CHのリレーがちょっと調子悪いし。)
 受信機は未使用品がもう1個手元にあるので、そのうちもう一式エアボーンを作ろうかと思っています。
(2月20日)


Bellaphon 10 KANAL (1960? West Germany)



 本屋さんでラジコン技術を立ち読みしました。(買うほどの内容無いし。)
 今月の馬庭コレクションはGraupnerのBellaphon。うわあ〜持ってるんだ!さすがに綺麗ですね。いいな〜!
と云う事でまた昔の写真を引っ張り出してみました。家にあるのはジャンクからレストアしたんであんなに綺麗じゃありません。一応セットとしてはこんな感じになります。機能としてはマルチチャンネルのギャロッピングゴースト。それも機械式パルサー。




これと機能は同じだけれど、出来が全然ちがいますね。


Bellaphon A (1958? West Germany)



 ついでにBellaphon Aのセット。ラジコン技術では動かし方が分からないって書いてあったので掲載してみました。普通のシングルです。こっちは結構綺麗。目がかゆい!
(3月10日)


F-104 STARFIGHTER (2005 USA)



 ジェット機と言えば「最期の有人戦闘機」ロッキード スターファイター。以前、ラジコン機作ろうとして断念しましたが、大きな模型は欲しくて時々探してました。最近、海外のサイト見ていると1/18の大きな模型がありまして、「何これ欲しい!」ってことで探したら、米国で21st Century Toysってメーカから2005年に販売されていたようです。日本で販売された記憶は無いのですが、入って来ていたのでしょうか?
 どうしても欲しくなってまたebayで探したら、売っている人いました。(便利な世の中ですね!)
 といった次第でカナダから輸入。送料の方が高かった!

 来ました。大きい!全長1m弱あります。結構精密で、コックピットの中も良く出来ています。すばらしいのは脚。ちゃんとほぼ実機通り引き込みますし、カバーも閉じます。
 「カッコイイ〜!」 久しぶりにテンション上がって、夜中まで眺めていました。後退角の無いアスペクトレシオの小さいテーパー翼。下反角がカッコイイ! 安定度の悪そうなT尾翼。エンジン吸気孔のショックコーン。(これは最高機密で、暫くの間写真は公開されなかった筈) 特徴的な翼端燃料タンク。(さすがに胴体と薄い主翼の燃料タンクでは航続距離が短いんでしょうね。私は無い方が好きですが)
 速度と上昇力以外は全てを切り捨てたような、先鋭的な設計がステキ!

 ラジコン機の方は、ほぼそのままの形状じゃないのかと思うぐらい綺麗なのを製作されている方がいますが(どっかのサイトで見ましたが、すごい工作技術。単調な形状のように見えますが、胴体は結構ややこしい3次元曲面です。それを軽量に作って、電動ダクトで軽々飛ばしています。)予想に反して結構よく飛ぶみたいです。

 FMSにモデルがあるんで遊んでみましたが、胴体が長くてどっちに向いて飛んでいるのかよく分からない。やっぱり「最期の有人戦闘機」、人が操縦するには向いてなさそうな気がします。
(3月20日



EK DIGI GHOST (196X USA)



 送信機のお化けの絵が楽しい、LOGICTROLのギャロッピングゴーストです。販売された正確な年はよく分かりませんが、たぶん1960年代末のGG終末期?の製品と思います。恐ろしく使い込まれていて、エンジンオイルでまっ茶っ茶でしたが、完全に分解して掃除したら綺麗になりました。

 この無線機は他のGGには無い特徴があります。それはなんと送信機の変調がPPM。DIGI GHOSTの名前は「デジタルプロポと同じ方式だよ〜ん」ってことなんでしょう。GGのマーク、スペースの信号でサブキャリアをON/OFFするのではなくて、信号のエッジでキャリアをスパイクオフしています。立ち上がりエッジと立ち下がりエッジのスパイクオフパルス幅を変えてあるので、受信機のデコーダがそのパルス幅の差を検出して同期を取っているようです。
 送信機のサブキャリア発振回路は不要になりますが、受信機側にややこしいデコード回路が必要なので、コストの削減にはならないと思います。微妙な同期信号を取り損ねるとアクチュエータが回転してしまうので、オーソドックスな構成より危険な気がしますが、信号がかなりのHigh Rateなので(9〜20Hz、エレベータニュートラルで約13Hz)サブキャリアを使い辛かったのかもしれません。LOGICTROLって他にはデジタルプロポしか作っていないので、「まあ使い慣れたPPMで作るべ」ってことなのかも?
 エンジンコントロールは通常はフルマーク、フルスペースでトリマブル動作させますが、サブキャリアが無いのでこれには使えません。そこで2つのスパイクオフ信号をON/OFFさせて送ります。黒い押しボタンを押すと細い側の信号が無くなり、赤いボタンを押すと太い側の信号が無くなります。受信機のデコーダはそれを検出して、ラダードライバをフルマーク、フルスペース駆動します。(だってアクチュエータは普通のRANDですから。) 面倒くさ〜。

 DUAL RANDのラダー側のドライバは受信機に内蔵で、エレベータのレートディテクタとドライバはアクチュエータに内蔵されています。レートディテクタの回路はRTLではなくてディクリート。通常のDUAL RANDとは少し異なります。受信機とアクチュエータのバッテリーはニッカド3本、3.6Vの単独電源です。アクチュエータの消費電流が大きく、何も繋がっていなくても1A近く消費します。その為、ちょっと動かしただけでもモータが暖かくなります。ミツミのマイクロモータは丈夫ですね。

 スイッチ入れると「チャカ、チャカ、チャカ」。High Rateなので、通常のGGよりあまりプルプルしないで動きます。


MacGregor Codamac (196X UK)



 Macgregorにはこれと同じケースの送信機の1CHプロポがあります。最近イギリスのサイトを見るまで気が付かなかったですが、同じ外観の送信機でシングルのパルサーを内蔵したものがあるらしい。って入手したのがこれです。

 内容は双葉のFT-5Eと同じで、シングルの「トン、ツー」パルスを電子式のパルサーで作ります。スティック左で「ツー」ってONするだけ。スティック右で「トン、ツー」。プッシュボタンを押すと「トン」と短いパルスが出ます。普通のシングルは人間が押し分けるのを、送信機のパルサーがやってくれるので、操作が易しくなります。
 受信機はスーパーでリレーレス。おまけみたいなのはリレーが入っています。
 サーボはRipmax。双葉のOEMでコネクタもピン配置も同じです。
 送信機の中にパルスの調整トリマーがあるので調整したんですが、なぜかスティック右が入りません。コンデンサの交換が必要か?簡単に掃除はしたのでこれ以上腐ったりはしないでしょうから、面倒なので当面放置です。




 Ripmaxのサーボが不調なのか?と思って、5E-RCのセットでテストしました。コネクタもピン配置も同じなので、そのまま組み替えられます。FT-5Eでサーボは調子良く動きました。やっぱりMacgregorの送信機か。
(4月9日)


MIN-X GG MINICODER (1966 USA)



 そろそろ花粉の季節も終わってくれそうな気配がしてきました。天気が良くてもあまり外に出たくないので、また放置してあった無線機を組み立てました。雨降ってくれないかな?

 MIN-XのMINICODER PLはGGの信号をデコードして複数のアクチュエータを駆動するものです。ラダー用アクチュエータはパルス信号でそのまま駆動、エレベータ用アクチュエータはレートディテクタでパルスレートを駆動Dutyに変換して駆動します。エンコンはパルスのフルマーク、フルスペースを検出してトリマブル動作させます。このままだとエンコン操作時にラダーとエレベータアクチュエータが振り切ってしまうので、パルスオミッションディテクタでパルス信号有無を検出して、エンコン操作時にはラダーとエレベータアクチュエータをニュートラルにロックします。
 送信機
のパルスレートはMINICODERのレートディテクタの制御範囲に合わせる必要があります。レートディテクタの回路定数を
見ると使われるパルスレートは、エレベータニュートラルで12Hzぐらいと思うのですが、送信機のパルスレートを合わせるとパルサーの動作が異常になります。仕方ないのでMINCODER側のレートディテクタの制御範囲を少し下げて、エレベータニュートラルで約9Hzにしました。送信機は通常のGGで良い筈なので不思議です?

 アクチュエータはラダーとエレベータ用がGraupnerのBellamatic2でエンコン用がAutomatic。エンコンはANNCOのリード用サーボの改造品が多く用いられたようですが、初期バージョンではAutomaticも指定されていたので、Graupnerでまとめました。
 受信機はスーパーで、通常のリレー式です。デコーダがあるのでリレーは無駄なのですが、デコーダの回路を見てもわざわざリレーで作った信号で動作するように出来ています。シングルの受信機をそのまま使いたかっただけなんでしょうが、この辺もハイレートに対応し辛くしています。
 送信機と受信機は未使用品、MINICODERとアクチュエータはジャンクのレストア品です。

 動かした感じですが、実用は厳しいです。エンコン操作時にはラダーとエレベータのアクチュエータが振り切るのを防ぐために、パルスオミッションディテクタがニュートラルにロックするんですが、どうしてもロックの方が遅れるのでアクチュエータは一瞬振り切ります。一瞬って書きましたがGGの信号はそんなに高速ではないので、飛行機が姿勢を崩すには十分な時間です。
 MIN-XのGGは結構売れてたらしくebayでも時々出てきますが、このMINICODERが殆ど見られないのは実用性が乏しかったためと思います。今回レストアに使ったジャンクも墜落したのかグチャグチャのベコベコでした。
(4月17日)


SONY TR-812 (1960 JAPAN)



 あるテストするのにラジオが必要になりました。中間周波数が455kHzでシングルスーパー、出来れば短波も受信できるラジオ。今更新しく購入する気は無いのですが、探すと適当なのが無い。またガラクタ箱を探したら出てきました。SONYの最初のBCLラジオと言えそうなTR-812です。

 SONYで短波が受信できるラジオはこれ以前にもありますが、BCLラジオと言えそうなのはやっぱりこれかな?理由は、

1.チューニングメータがある。
2.ファインチューニングがある。

 って所です。右のメインのチューニングダイアルの内側がファインチューニングになってます。左上のダイアルも同軸になっていて、外側がトーンコントロール、内側がSW付きボリュームになってます。このデザインは結構評判が良かったのか、この後もこのシリーズは続きました。入手したのは5年ぐらい前なのですが、外観は結構綺麗なのに中はよくある乾電池の液漏れでデロデロだったので放置してました。

 レストアは最初からラジオとしては動作してましたので、液漏れによる腐食の修復がメインな作業となりました。電池の端子金具を固定しているビスは腐っていて千切れるし、取り替えるには表面のパンチングメタルを剥がさないといけないし、と梃子摺りましたが、何とか使えるようになりました。実用に供する予定なので、回路の方は電解コンデンサを全て交換しました。
 ボリュームのガリも無いし、スピーカも大きいので聞きやすく、ラジオとしては快適です。トーンコントロールも一番簡単な回路ですが、結構良く効きます。高周波増幅なしのシングルスーパーなので感度はそれなりですが、短波でも懐かしの北京放送とか受信できました。IFTとかは調整してません。面倒だし。
(4月26日)


Hallicrafters SKYRIDER (1946 USA)



 ゴールデンウイークです。特に出かける予定は無いのですが、あんまり天気は良くなさそうです。魔の花粉地獄からやっと開放されたんで何処かに出かけようかとも思いましたが、「天気も悪いし、こんな日は部屋にこもって作業だよね」ってラジオ弄ってます。

 SKYRIDER SP-44はハリクラフターズのパノラミックアダプタです。スペアナみたいな物ですが、これがあるとラジオを受信しながら何処に電波が出ているか一目で分かります。子供の頃、こんなの欲しかったですね。最近ebay見てたら出品されてまして、「これ以上ガラクタを買ってはいけない!」との戒めも守れず、買ってしまいました。
 それにしても米国の力は凄いですね。太平洋戦争終わってから1年も経ってないのに、こんなの製品化出来るんですから。

 凄く綺麗です。とても65年前の製品とは思えません。
お掃除も殆ど必要なし。といっても65年経ってるんですから、使うにはコンデンサの交換が必要です。電解コンデンサとペーパーコンデンサは全て交換しました。ペーパーコンデンサはフィルムコンデンサで置き換えられますが、これにはCRTがあるので一部1000V耐圧のコンデンサが必要です。お店で普通に売っているのは630Vが上限なので、1000V耐圧品の入手は困難です。今回はネットで探し回って何とか見つけることができました。セーフ!

 綺麗だったので油断してたんですが、よく見るとACプラグに溶けたような痕がありました。不良品だったのかな?とぐらいにしか思っていませんでしたが、コンデンサの交換中にフューズを外したら、なんとフューズホルダーが壊れてました。フューズを固定する金具はハトメでかしめて固定してあったんですが、それが折れて外れています。前の所有者がハンダ付けで補修してました。ここが壊れてACがフューズの前でショートしたみたいです。危ない危ない。ACケーブルも交換してセーフ!
 SP-44の情報はネット上に沢山ありますから、今回はまじめに調整しました。感度抜群!水平走査の幅がちょっと狭いんですが、なぜかこれを調整するポテンショとか無いので調整できません。AC電圧が米国よりちょっと低いせいかな?




 SONYのTR-812を慌ててレストアしたのは、このSP-44を入手したからです。TR-812はフォノ入力用のケーブルを出すためにケースに切り欠きがありますので、そこから接続ケーブルを出しました。

 動かしてみると、これは楽しい。チューニングダイアルを回すと、次々と放送波が現れます。スペアナのような精度は無いですが、電波を探す用途には十分。本当はハリクラフターズの受信機と組み合わせるべきなんでしょうが、みんな大きくて邪魔です。SKYRIDERと同じサイズの受信機無いかな?TR-812じゃちょっと感度不足。高周波増幅が欲しい。
(5月1日)



VRIANT Westport International (1977 USA)



 1970年代になると技術も確立されていますので、ラジコンの無線機も現在に至るコスト競争が始まってつまらない機械ばかりになります。まあ本来の目的は飛行機を飛ばすことですから、不安定な無線機をどうするか?なんてやっているのは、黎明期に居合わせた技術者の楽しい特権なんでしょうけど。

 そんなつまらなくなってきた時代の無線機ですが、私は小さな送信機が好きなので入手してしまいました。比較用においた006Pの電池で大きさを想像できると思います。5CHでこれだけ小さい送信機は他に見たことがありません。Westport Internationalって聞いたことが無い会社ですが、さすがRadio Control Hall of Fame、ちゃんと紹介されています。スティックでエルロン、エレベータ、ラダー。左右のレバーがエンコンと5CH。Sellerはヘリコプター用って言ってましたが、エンコンとラダーのミクサーなどはありませんので、ヘリコプターを意識して作られているとは思えません。

 受信機とサーボはまったく問題無かったんですが、送信機は思った以上に状態が悪くて、レストアは梃子摺りました。スティックに使われているポテンショメータが耐久性の無い組み立て式のもので、エルロン用はカーボン皮膜が剥がれてしまって使えませんでした。他から部品取りして交換しようと思いましたが、これと同じポテショメータ使ってある送信機は以前に、「こんなの要らないよね!」って捨ててしまいました。仕方ないので5CHレバーのポテンショメータの部品と交換したので、現状では4CHしか動きません。なんてこったい。


Logictrol 7 (1965 USA)



 Westportとはうって変わって極初期のデジタルプロポです。F&MがAMのスパイクオフでPPM方式を採用したDigital 5を発売したのが1964年の中頃。Logictrol 7はそれより半年、長くても一年経たないうちに発売されました。Bonnerのリード式サーボDuramiteの部品を流用したサーボが使われているのはF&MのDigital 5とこれだけです。(Digiconもありますが、サーボに回路が入っていません。)
 F&Mと方式は同じ、受信機やサーボの電源構成も同じ、サーボにフェールセーフが入っているのも同じですが、回路の設計は異なっています。サーボなんか外観もコネクタも同じですが、コネクタのピン配置が異なります。F&Mのフランクフーバーと情報交換しながら、設計は個別に行われたみたいです。


 
この無線機はデジタルプロポとしては世界初のシングルスティックです。アナログ時代は殆ど全てシングルスティックですが、デジタルプロポはDigiconから全て2スティックが採用されました。なぜ流行が急に変わったんでしょうかね??

 家に来たときはひどい状態でしたが、完全に分解掃除したら結構綺麗になりました。結局、電子部品で交換したのは1個のサーボのモノマルチ用コンデンサだけ、他は分解掃除だけで動作するようになりました。ただ分解掃除は大変で、Bonnerサーボはモータまで分解して掃除しないといけません。他のレストア作業は次第に各部が動くようになるので楽しいですけど、サーボは同じ物が沢山あるので、だんだんうんざりしてきます。全部終わって、バッテリーハーネス作って、全てのサーボがジヤージャー動くと、「やっと終わった!」って感じ。
 なら止めれば良いのに、止められません。
(6月5日)




 
今日は悲しい連絡が来ました。私にとって唯一の先生と言える技術者が昨日亡くなったとのメールです。人工衛星や惑星探査機の通信装置のスペシャリストで業界の方ならご存知と思います。このサイトにメールを戴いてから交流が始まって、色々と教えて戴きました。1月末にメールを戴いてから、「最近連絡無いな?」と思っていたら、癌で入院されているらしいと聞いたのが、ゴールデンウィークも終わった頃。回復をお祈りしてましたが、まさかの訃報です。高度成長期の勢いを知っている最期の技術者。すばらしい知識と経験と行動力。私なんか10歳以上若いのに、その行動力にはとても付いていけませんでした。そんな方が半年も経たずに往かれるとは。残念なんて言葉では表せません。力が抜けました。今年は最悪の年です。
(6月21日)




暑い日が続きますね。先生が亡くなってから精神的にも肉体的にも不調です。

 私も先月でついに50歳になりました。人間の定格寿命です。後は優秀な医学と、豊かで平和な社会の贈り物である余命ってことになります。子供の頃はこんなに長生きするとは思いませんでした。自分の意思でこの世に生まれたんじゃ無いので、死ぬときは自分の意思で死ぬんだ と思ってました。昔の戦争映画で「眼下の敵」ってのがありまして、主演はカークダグラス、ドイツ軍の潜水艦艦長がクルトユルゲンス。その艦長が息子の死に対して「軍人は若くて信念があるうちに死ななくてはならない。私は長生きし過ぎた。」(正確ではないと思いますが、こんなこと言ってた筈。)に共感した思い出があります。戦争も軍人も肯定はしませんが、「やっぱり信念が無いと生きている意味が無いよな!」って。そんなこと言ってもやっぱり死ぬのは怖いので死にはしませんから、信念が無くなってもちゃんと生きています。まあ想定外の体験も出来たので、そんなに悪いこともありませんが。

今年は色々なことがあり過ぎます


 
福島原発の惨状から、原子力発電について「人類にはコントロールできないから廃止するべきだ。」とか言いたくなるのは分かります。でも「本当に安全な原子力発電にチャレンジもせずに、そんな簡単に諦めて良いの?」とちょっと違和感を感じます。

 原子力の本当の問題は安全に発電する技術より放射能廃棄物の処理で、プルトニウムの半減期が数万年とかを考えると、現代人の利益追求のためにやるべき?と思うのが当たり前です。この問題は最初からあって解決策も無いのに、まるで未来になれば解決するだろうとばかりに先送りして知らないふりをする。この無責任さを考えると「やっぱり人類には無理かな?」って思ってしまいます。

こんな大事ではなくても、身近な問題も進行中です。
 製造業の会社に居るんですが、何かとジリ貧です。まあ製造業が駄目になると日本が立ち行かないなんて思い上がりと思いますが、次の産業が育たない以上、何とか食いつなぐ必要があります。でもここ数年はこれと言った新製品はありません。若手は物作りへの情熱や新しいことへのチャレンジ意欲も乏しいです。技術的な話題にはまったくといっていいほど反応してきません。私が年を取って昔を懐かしんでいるだけかもしれませんが、以前はもう少しあったような気がします。経営者は人件費の削減ぐらいしか手段がありませんので、働いているのは正社員では無くて外注。これで中国と競争しろって言われてもね。たぶん今回の地震のように、ある日限界が来て想定外の事態になるんでしょう。それが来ないと誰も本気で対策できないでしょうから。

と戯言を言っても、残り時間はあまりありません。この年になると、出来ることと出来ないことが明確になってきます。

出来なかった事

重力の直接制御
 子供の頃は誰もが夢見たと思います。取り組みは自然現象からのヒントを得るか、理論からの検証になります。異常現象?の研究は怪しげな人が沢山いましたが、全て無駄だったみたいです。重力と電磁力の統一理論はスーパーストリング理論が一番近いといわれていますが、重力と電磁力の可逆的な結論は望めそうにありません。ダリの絵みたいに山を空中に浮かべたいです。

人間はどうやって考えるの?なぜ考えるの?物質世界で起こり得ないことを思いついたりするの?
どこから手をつければいいのか?知りたいですが、分かると怖いことになりそうです。

人間の神経の直接インターフェイス、神経電流の情報解明
比較的簡単なメカニズムの組み合わせのような気がしますが?これが出来ると人間は生き物の限界を超えられるかもしれない。

何もない空間に結像する3D表示器
SFでは定番ね。見たい!地味ですが手掛かりすら無い。誘電率と透磁率が両方制御できる物質があれば出来る?

タイムマシンとか瞬間移動装置とか放射能除去装置なんかはどうでもいい。
でも恒星間を移動する手段が出来るなら見てみたい。どうする?
いくらでもありますわね。


やりたい事

もうあんまり無い。というか意欲が湧かない。
(鬱病が治るって言うのは嘘ですよ。ダメージは残ります。老化が追い討ち。)
音楽作りたい。絵(絵本)書きたい。プロモーションビデオ作りたい。
がらくたのレストア。
宗教の研究?昔読んだ本をまた読み返す。

何書いてるんだろ??これはいけない絶不調です。
(7月16日)



EDISON RELAY (XXXX USA)



 高感度のメカニカルリレーが欲しいな!って見つけたリレーですが、製造年代、用途ともに不明です。動作電流はなんと0.010mA(10μA)。構造は可動鉄片型のメータと同じで針の部分が接点になっています。コイルはなぜか2個あって、単独でも並列でも直列でも感度は変わりますが動作します。コイルの直流抵抗は2KΩなので2個直列が正規の使い方なら、40mV、10μAで動作するはず。古い物なので性能が落ちているのかそこまでは行きませんが、20μAなら動作してます。しかし、メータのリターンスプリングの位置は調整できるので、ちゃんと調整すれば定格の性能は出せそうな気がします。ソケットは良くあるUS8ピンではなくて、UTスモール7ピンって入手が難しいソケット。探し回ってベークのやつをやっと見つけました。(6CW5と同じって言えば分かりますよね。)構造的に仕方ないですが、残念ながら振動には極端に弱いです。
何に使うかって?秘密です。



子供の科学 (1924 Japan)



 古い本を探していたら、どえらく古い本が出てきました。子供の科学の大正13年11月号、創刊第2号です。大正13年って関東大震災の翌年です。表紙の子供の絵が時代を感じさせます。残念ながら川端龍子ではありません。




 内容を見ると難しいことを何とか教えようという感じが伝わってきます。その中で見つけたのが、無線聞き取り装置。まだラジオって言葉が無い時代です。だってJOAKが仮放送を開始したのは大正14年の3月22日(NHKの放送記念日)ですから。ラジオ放送が始まるより半年も前に、子供の科学では鉱石ラジオの製作記事が出てたわけです。すげ〜!




 もっと驚いたのは回路。鉱石検波器は紅亜鉛鉱と斑銅鉱を組み合わせた接合型検波器。乾電池でバイアスを加えて使います。当時は確か鳥潟博士が発明した最新技術だったと思います。ただこの回路だと電池をコイルでショートさせてしまうのでまずいはずですが、当時の乾電池は内部抵抗が高くて大丈夫だったのか?本当は抵抗が必要と思います。
 それにしても、子供がこれを読んで作れたんでしょうか?
(7月22日)



Bubcock GG (Early 196X USA)



 Babcockは1950年代末から60年代に架けてラジコン無線機を製造していたメーカです。60年代中頃までは現在のようなセット売りでは無くてバラバラの部品として販売され、ユーザーは組み立てる必要がありました。BabcockはCitizen-Shipと並んで売れ筋だったらしく結構新品の部品が出てくるので長年掛けて集めてきましたが、組み立てたジャンクはお目にかかったことがありません。やっと部品が揃ったのでギャロッピングゴーストのセットを組み立ててみました。

 送信機はBCT-16、パルサーはBCC-4、受信機はBCR-16、2CH DECORDER BDC-4、サーボ#895、モータコン#887です。パルサーはモータを使った機械式。サーボ#885はFENNERS-PIKE と同じ方式で、信号のマーク、スペース比をレオスタットを使ってフィードバックすることで比例制御します。送信機はGG用に2900Hz、モータコン用に900Hzの変調を行いますが、GG用のトーン発振回路はパルサーに内蔵されています。受信機からのオーディオ信号はBDC-4で分離されて、それぞれのトーン信号有無でリレーをON、OFFします。

 で、肝心の動作ですが、とても使い物になりません。
 まず受信機BCR-16が不安定。
4石のシングルスーパーなんですが、局発とミキサーが1石。3rd オーバートーンの発振回路のトランジスタのベースにアンテナが繋がったような回路。IF回路は1段。トランジスタで検波、増幅後にゲインを稼ぐためにもう一度IF回路に戻して増幅。(レフレックス動作) もう1段低周波増幅して出力って回路構成ですが、キャリアが入るとなぜかIF段がモーレツにノイズを出します。色々手を尽くしたんですが、ゲインを下げると発振は止まるが感度が取れないだけで、どうにもなりません。低周波増幅回路との間を抵抗でデカップリングしてなんとなく使えるかな?って程度にするのが限度でした。(部品を触ろうにも、プリント基板は両面ですがスルーホールされているわけでもなく、GNDは部品面のベタなのでハンダ鏝で直接触れず、真ん中辺の部品を外すには端の部品から順番に外さないと触れないといった代物。アマチュアが作るプリント基板みたい。)

 DECODER BDC-4はHigh-PassとLow-Passの組み合わせなのでノイズに弱い。モータコンは電磁石でSW円盤をラチェットで回転させる方式でトルクが弱く、接点の接触を良くするために強く押し付けるを回らなくなる。といった状態で、この組み合わせで信頼性のある動作は望めそうにありません。部品は結構出てくるのに組み立てたジャンクが出てこないのは、使えなかったってことだと思います。それなりに動かすなら、受信機とモータコンは他のに換えないと。




 この中で入手に一番手間取った部品が送信機。BCT-16は側面にコネクタがあって、アタッチメントを取り替えることで色々な用途に使えます。本体だけでは通常のA1,A2の送信機。(内部に切り替えSWがあります。) パルサーBCC-4を付けるとギャロッピングゴースト。ELECTROSTICK BCC-6を付けるとスティック式のシングル送信機になります。BCC-6も手元にあるのでそのうち組み立てる予定ですが、受信機をどうするか?
 番号が一つ飛んでいるのでBCC-5ってのが有りそうですが、分かりません。BCC-1〜3は?
(8月1日)



PC-8300 (1984 JAPAN)



 
最近またCPUでゴソゴソ何か作りたくなったんですが、CPUボードではパソコンからソフト書き込んでデバッグするしかありません。単体で表示が出来てプログラムの書き込みとデバッグが出来るボードってのが欲しいんですが、最近のノートやタブレットはややこしくてハードで遊び難いです。昔のポケコンみたいなの無いかな?って探したら、これが引っ掛かりました。

 ハンドヘルドコンピュータって呼ばれていたパソコン?でPC-8201の輸出モデルみたいです。CPUは80C85で単三アルカリ電池4本でなんと連続18時間も動きます。エコですね〜。学生の頃、大学の売店で見かけましたが、貧乏学生にはとっても手が出ない価格だったと思います。ネットで調べたらソフトはあのビルゲイツが自らコーディングした最期の製品らしいです。カレンダーは2000年問題を起こしているので、正常には動きません。2000年問題を起こしている機械は初めて見ました。その意味でもコレクターアイテムです。

 パソコン?としてはビジネスを意識しているのでちゃんとしています。日本語は使えませんがテキストエディタは軽快ですし、ちゃんとしたRS232Cインターフェイスを持っているので、ターミナル機としては現在でも使えそうです。メモリーはRAM64kbyte、ROM128kbyteと8bit機とは思えない量が乗っており、ROMには表計算みたいなソフトも入っています。

 と言っても本体だけでは使い道はありませんから、とりあえずお約束のパラレルI/OとA/D変換器のボードを作りました。RS232CはD-SUB25ピンなので9ピンとのリバースケーブルを作ってUSB変換ケーブルで現在のパソコンと繋げるようにしました。

 部品集めをしてみて気がついたのですが、最近はますます部品の入手が困難になったようです。FCZコイルもついに生産中止ですし、長らく定番であったトランジスタの2SC1815もディスコン。リードの付いた部品はドンドン入手不能になってます。とりあえず必要そうな物は買いだめしました。
(8月26日)


RETROF-8 (2011 JAPAN)



 
最近は引きこもってまた変な物を作っています。PC-8300で表示させるグラフィックボードを作っていたんですが、色々情報を探しているうちに気になるサイトに当たりました。

TTLのみでコンピュータを自作する
http://22lab.web.fc2.com/index.htm

 コンピュータと言うかCPUを汎用ロジックICで作るって内容です。回路図を見ていたらどうしても作りたくなって、作ってしまいました。(グラフィックボードは後回し)

 せっかくCPUを作るんで、CPU部分だけ独立基板にしました。ALUは74F382が入手できましたので、CPU部分はFシリーズTTLでまとめました。同じ部品は入手できませんでしたので、元サイトの回路とは少し変えてあります。オリジナルはインストラクションデコーダがダイオードマトリクスでしたが、危なっかしい回路だったので全てロジックICに置き換え、ついでに1命令4マシンクロックに短縮しました。
 メイン基板はCPU基板裏にRAM、クロック回路とDMAでのRAM書き込み回路、アドレス、データ表示回路が乗せてあります。こっちはCPUじゃないので、CMOSも混ぜて作りました。アドレスとデータ表示は最初LEDと思っていたのですが、部品箱を漁っていたらヘキサデシマルデコーダICが出てきました。それがなんとVFD用。コレクションと化していた単管のVFDを使いました。それならとデジタルSWも昔のアルプス製を探し出して合わせました。クロックはTD4で使われていて面白そうなので、ステップ動作用モノマルチと3〜600Hzの低速クロック、通常動作は6MHzの高速クロックの3種類を用意しました。RAMは8kbyteですが、アドレス空間は12bitですので2BANKをスイッチで切り替えられるようにしています。RAMだけだとプログラム書き込んでも電源を切ったら消えてしまうので、単4乾電池2本でバックアップできるようにしました。

  CPUなんて初めて作りましたが、自分で作るとブラックボックスでは無いので面白いですね。
 ステップ動作はインストラクションデコーダなどの動作確認に便利です。(齢のせいか配線ミスが多くて。)
 低速クロックで動作させながらアドレスとデータを見ているのが楽しい。おお足してる。ジャンプしたってね。
高速クロックは6MHzですがマシンクロックはCPU部分で1/2に分周してるので3MHzです。1命令処理時間は1.3μs。たぶんクロック周波数は2倍でも大丈夫と思います。8bitずつI/Oポートもついでに作りましたので外部にラダー抵抗とコンパレータ付ければA/D変換もできます。でも実は私、ソフト作るのは面倒だから嫌い。


TD4 (2003 JAPAN)



 RETROF-8のサイトに出会ってから、色々探してみましたが結構CPUを自作している人は居るみたいです。FPGA使ってHDLでコード書けばすぐできますがあまり楽しくありません。出来れば真空管。RAM以外は何とかなりそう。ちょっと回路考えましたがRETROF-8ぐらいなら双3極管300本ぐらい。消費電力600W?ALUだけなら45本で出来そうですが、止めときます。

 本も出ています。今でも容易に手に入るロジックICで4bitのCPUを作るって内容です。面白いですがRETROF-8と比べて実用性は低いので作るのは止めました。著者はなんとか分かりやすくしようと苦労しています。人に教えるのは本当に難しいですね。
(10月29日)


Pathe Baby Projector (1923 FRANCE)



 もう師走です。1年が経つのがどんどん早くなってくるような気がします。今年の課題は今年のうちに!
無理ですね。

 仕事の影響もあって映像機器には興味があります。現代の全て電子化された機器も良いですが、昔のメカメカした機械には魅力があります。実際には使ったことがありませんから、以前から中古の8mm映写機とか購入して触ってみようかと思っていたんですが、最近になってこの映写機の存在を知りました。

 フランスのパテ社が作った9.5mmのホームムービー機です。ゼンマイ式(最初は手回しだったらしい。)のカメラで撮影して、この手回し式のプロジェクターで楽しむってものです。日本にも大正時代から輸入され、戦争でフィルムが輸入できなくなるまで結構流行したらしいです。個人で撮影する以外にも、様々なフィルムも発売されていたようです。
 また欲しくなって、ebayで買ってしまいました。後ろのケースに入っているのはフィルムです。パテの9.5mmフィルムは面白い機構を持っています。フィルム横に切り欠きがあると一定時間(ハンドルの一定回数)フィルム送りが停止します。説明テロップなどの静止画で良い映像ではフィルムを止めて映像時間を稼いでいます。




 ベースは手回しなんですが、やっぱり面倒ってことで、こんなモータドライブも売られていました。一応レストアしたので動きますが、ブラシ付きのユニバーサルモータなんで音がうるさいし、70年以上前のモータをACで回して使うのは怖いので、実用は止めておきます。
 ランプの明るさ調整もそうですが、モータの回転速度も直列に入ったレオスタットで電圧調整するので発熱もかなりのものと想像されます。左のレオスタットに付いているメータはモータの電流計で、定格の0.3Aに赤い印があります。





 家庭用で安全第一なのは分かりますが、ランプが12V0.5Aの6W(左端)しかないのはやっぱり暗いので明るさアップを図りました。

 最初からLEDを検討していたんですけど、海外でハロゲンランプを使った例があったので、最初は試しに20Wのハロゲンランプをテストしました。全光束は320lm。(左から2番目)
 テストの結果は…フィルムが溶けました。ハロゲンランプだと赤外線部分がエネルギの大半を占めますので、予想はしてましたが…。映画や8mmのフィルムでもフィルム送りが止まるとフィルムが溶けてしまいます。パテの9.5mmは静止画も表示しますので、ハロゲンランプは使えません。試しに電圧を調整しながらフィルムの温度を測定してみましたが、6Wまでならフィルム温度は100℃を超えないので溶けませんが、10Wになるともう駄目です。うまく設計されています。

 ならばと当初の予定通りLED。日亜化学のNCSW119Tは350mAで130lmも光ります。効率は100lm/Wを超えています。私が生きているうちに白色に光るLEDが出来て、蛍光灯並みの効率を発揮するとは思いませんでした。変わっていないように見えて、世の中進歩していますね。3個なので390lm。600mA流せば600lmは超えると思います。
 結果はNG。当たり前ですが、このプロジェクタの光学系は点光源で設計されていますので、3個並べれば明るいからといっても集光しませんので駄目です。結構高かったのに。

 右端は秋月で売っている250円LED。聴いたことが無いメーカですが、700mAで200lm。日亜化学のLEDより効率は低いですが、とにかく安い。放熱器にくっ付けて700mAの定電流回路で駆動します。元電源は12V1AのACアダプタで、消費電流は12Vで0.35A。スイッチングタイプの定電流回路なんですがあまり効率が良くなくて、アルミ基板なのにホカホカします。LEDはもっと明るいのが入手できて交換したくなったら交換できるように、放熱基板は放熱器にねじ止めです。





 取り付けはランプハウスの後ろを外し電球を抜いて、LEDの付いたヒートシンクを押し込んで固定します。ハロゲンランプのように改造しなくても良い感じで取り付けられました。光量は昼間の部屋でも少し暗くすれば十分見れます。フィルムの温度も大幅に下がって45℃程度にしかなりません。(室温20℃) 大成功!




 おまけ

 AC100Vで動く機械を修理、レストアする際には結構ひやひやします。部分的に通電する際には危険なのでいつもは適当にフューズ付けますが、フューズが入ったコンセントがあればな〜と思ってました。製品を探しましたが見つかりません。まあ欲しがるのは私ぐらいでしょうから、仕方ないですね。
 100円ショップでスイッチ付きのコンセントを買って来て、フューズBOXをねじ止めし配線しました。上のモータドライブのユニバーサルモータのテストはこれで行いました。そういえば中学生の頃、同じような物を作った記憶があります。40年も同じようなことしています。
(12月4日)