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04NHK杯in大阪 12月3日

今年も行ってきましたよ
「12月には東京でファイナルもあるから、仕事の休暇日数的に今年のNHK杯は観戦は無理」と言っていた趣味友リリコ(仮名)が「やっぱり日帰りでも行きたい」と気を変えてくれたので、今年も行ってきましたNHK杯。自分一人だと出かけないので、フットワークの軽い趣味友の存在は貴重です。そして今年が日帰りの出来る地域での開催で良かったなあ…、片道約3時間の道程です。これが熊本とか旭川だったら絶対に行けません。
 1日けだからどの日を見るか、という問いにはあっさりと「土曜日。フリーダンスが見たい」と意見が即一致。やっぱりダンスファンですから。そして今年注目の女子シングルフリーも見れるし。

男子シングルSP



Ivan DINEV (BUL) 昨年と同じSP「タイプライター」。以前テレビで見たけれど、結構好きなプログラムだったので生で見れて嬉しい。最初のコンビネーションジャンプ(ルッツ?)は綺麗に跳べたけれど、その次のトリプルアクセルはちょっと失敗。今はSPで4回転入れる人って少ないのね…。全体にちょっとスピードがなかったかな?疲れ気味に見えた。
 会場のビジョンに曲名とコーチ名が表示されてましたが、コーチがアンジェラ・ニコディノフだったのにびっくり。現役引退したばかりでコーチってすごいなあ。好きな選手だったので、思わぬところで見れて嬉しかったです。

Stefan LINDEMANN (GER) ジャンプ全く跳べず、ロシア大会から弾き続きだから疲れてるのかなあ。でも元銅メダリストなのに…。髪が伸びていて、なんだかロシアのソコロワのような雰囲気に。ますます子供のように見える…。

Yannick PONSERO (FRA) いかにもフランスっぽい動きの選手。雰囲気が同じくフランスのダンビエールに似てた。顎髭(しかも縦に細いライン!)あるけれど、まだ19歳だそうで。パンフレットに載っている昨季の写真はヒゲがなかったけれど、そちらの方が好きだ。トリプルアクセルもちゃんと跳んだし、失敗したけれど、4回転を跳ぼうとしてたような?チャレンジングでいい!応援する!

Evan LYSACEK (USA) 第2グループの人たちがリンクサイドで待っているのが見えたときに、頭一つ飛び出してました。背も高いが手足もすごーく長い!踊ると見栄えがしていいなあ。ジャンプもばっちり。難を言えば曲はフラメンコっぽかったけれど、踊りが爽やかすぎたことかなあ。悪い意味で、北米の選手って爽やかすぎるような。スピンの動きが単調だったのが原因かも知れないけれど。

本田 武志(JPN) 今季で引退だそうです。今まで日本男子の第一人者だったので、会場内の声援も大きかったです。残念ながらコンビネーションジャンプはやや失敗気味、トリプルアクセルは綺麗に決まったけれど、次のジャンプで転倒。まだ本調子ではない様子。演技後に観客に丁寧に答える様子が印象的でした。

織田 信成 (JPN) 衣装のへんてこさとコミカルな演技がマッチしてました。ジャンプが軽やかで、失敗しそうにない安定感。スピンも綺麗だし、新採点に向いてそうな今後の日本期待の星。それにしてもスピンが上手だとTES(技術点のようなもの)が高く出るんだなあと驚きました。今後4回転跳べなくても上位に行けそう…それはちょっと複雑な気分です。

高橋 大輔 (JPN) 直前に滑った織田に対する会場の盛り上がりと、その点数が、高橋のパーソナルベスト(今季アメリカ大会で優勝したときの点数)より高いのに気付いて心配になりましたが(プレッシャーに弱いという前歴があるからね…)、それを吹き飛ばす素晴らしい出来でした。ウォームアップ中に何度も確認していたトリプルアクセルも問題なかったです。スケーティングは以前から綺麗だったけれど、それに負けない上半身の動き。ステップは全身のバランスが取れていると安心して見ていられていいですねえ(去年は上半身がついて行けてないような印象)。滑り終わった後、会場総立ちでした。


 ノーミスの上位3人。特に高橋の演技に「いいもん見せてもらった!」と親父のような台詞をリリコ(仮名)と言い合いつつ、とりあえずトイレに向かいました。…なみはやドーム、トイレ狭いよ…。

アイスダンスFD

 大変残念なことに、アメリカのベルビン&アゴストが怪我のために欠場。「ファイナルと会わせて今季2回も見れる!」とよろこんでいたのに…うう。


渡辺 心 / 木戸 章之 (JPN) 衣装の色が相変わらずアレですが、この曲調ならまあ、比較的仕方ないというか諦めがつくというか…。去年のようなドラマチックな曲よりも、この「マイフェアレディ」みたいなちょっとコミカルな雰囲気もある軽やかな曲の方が合っていると思います。リフトは去年と余り変わってないかな?でも最終順位が5位で良かったと思います。オリンピックも頑張って欲しいです。

Chantal LEFEBVRE / Arseni MARKOV (CAN) 男性が、多分以前ロシアでクリコワと組んでいた人のような。GPSで一度だけテレビで放送されたのを見て、格好いいカップルだなーと思ったのを覚えています。解散した後カナダに行っていたとは知りませんでした。男性はもの凄く踊っていたけれど、女性の方が印象が薄いです。まだ2人のレベルが離れてるのかなあという印象です。

Anastasia GREBENKINA / Vazgen AZROJAN (ARM) 衣装と曲、の2つに集約されます。そのおかしな曲とおかしな衣装(男性)は何ですか。インドのB級映画のような音楽は一体…。後日「インドの神様が地上に降りてきて踊りまくる曲」だということを知りました。…曲が何かは分かったけれど、どうしてその曲を選んだのか謎は深まってしまいましたよ、ええ。

Marie-France DUBREUIL / Patrice LAUZON (CAN) カナダ大会で優勝した組。毎年カナダ大会は好成績でもその後失速する場合が多いからどうなんだろう?と思っていましたが、今回は期待以上に良い演技でした。滑りが綺麗だったし、この組のトレードマークでもあるリフトも相変わらずダイナミックだったし。…まあアイスダンスだから、もう少しステップ多いプログラムだといいなあとは思いますが、納得の1位でした。個人的な難点をいえば、男性の衣装があまりに普段着すぎるのと(女性の衣装は可愛かったけど)、曲の中に台詞が入るのが好きじゃないです。

Albena DENKOVA / Maxim STAVISKI (BUL) カナダ大会を棄権していたので(女性の怪我があったらしい)、NHK杯に来てくれるかちょっと心配していました。来てくれて嬉しかったけれど、やはり本調子には遠いらしく、動きも重いしシンクロがずれる部分もちらほら。男性の転倒もあったし。曲は「アダージョ」。オリンピックに向けて、ドラマチックな曲を選んできたなあ、という印象です。男性のシングルジャンプが2カ所入っていたりして、全体的にとても運動量が多そうでした。まだ滑り込んでいないのか、ちょっとばたばたしてましたが。男性の髪が伸びたのと、衣装が男女で似ているせいで、身長差の少ない二人が余計シンクロしているように見えました。01/02年の時のプログラムをもっとドラマチックにした印象。男性が演技後に氷上に座り込んでいたのが切ない…。


 表彰式は、何故か女子のフリーが終わった後。今までは各種目ごとに表彰式していたのに、何だかなあ。しかも女子の表彰式が終わった後に、ダンスの表彰式っていうのは、ちょっとダンスに失礼じゃないの?と思いました。

 でもそのおかげで(おかげっていうのも何ですが)、表彰式が終わった後にカナダのカップルがリンクサイドの観客に挨拶に来てくれたり、ブルガリアのアルベナ&マキシムがずっとリンクに残ってくれて、リンクサイドにいるファンに(ファン多いですね)一人ずつ握手していってくれました。いい人たちだなあ…。次に競技や表彰式が控えていたらaこうはいくまい。今季で引退するかも知れないから(オリンピック後に引退する選手は多い)、もしかしたら彼らを直接見れるのは今回で最後かもしれないなあ…だから演技内容が良くなかったにも関わらず、ずっと会場に残ってくれていたのかも。嬉しいけれど、淋しい気分になってしまいました。
 …えーと、せっかく私もリンクサイドの席にいたので、握手していただきました。えへ。そしてサインも書いてもらってしまいました、すみませんすみません。唯一の心残りは、今年からカメラ持ち込み禁止だったから写真を撮れなかったことでしょうか。せめて表彰台の写真を撮りたかったー。でもみんな結構カメラ持ってきてたなあ…。

ペアFS

 前日のSP結果が波乱の女子シングル。代役として出場の中野友加里がSPで2位と好調。まったく気付いていなかったですが、カナダ大会で3位だったから、今大会で好成績(っていっても何位なら出場圏内なのかなあ)を残せばファイナル行けるのよね。ということはオリンピック代表争いにも絡んで来る可能性が出てきたってことで。逆にロシア大会で2位だった安藤美姫は、SP4位だから…3位までならファイナル、それ以下だと出場微妙になるのかな??などとポイントの現状をよく分かってないまま、「とりあえず日本勢頑張れ!」という気分で見てきました。


村主 章枝 (JPN) ウォームアップではジャンプの失敗が目立っていて、前回出場したカナダ大会のフリーの再現になったらどうしようかと心配していたのですが。一つ目のトリプルルッツ-ダブルトゥループのコンビネーションジャンプを綺麗にに決めると、あとはミスらしいミスもなく(単独のルッツジャンプがダブルになったくらい)、素晴らしい出来でした。会場内も演技前に「大丈夫かな?」と心配していた反動か、ジャンプが一つ成功するたびに大拍手。演技終了後はスタンディングオベーションと大量の花の投げ込み。彼女の逆境での強さは、本当に感動します。PCS(表現点みたいなもの)はもうちょっと伸びて、7点台でもいいのに。

安藤 美姫 (JPN) 村主に対する大歓声の後のプレッシャーのせいか、練習ではちゃんと跳べていた3-3のジャンプも手をついてしまうし、転倒も2回。この曲は表現するのが難しそう。去年のギターの曲よりも難しいんじゃないかなあ。新聞では「逆転優勝のために4回転を!」みたいに書いてあったけれど、ウォームアップの時にも練習していなかったし、やはり4回転には挑戦しませんでした。連戦で疲れていたせいなのか、そもそももう跳べないのかは不明ですが、ちょっと残念。前戦のロシア大会でも挑戦してなかったしなあ…。もしオリンピックでメダルを取りたいのなら、彼女は表現力はまだ発展途上だから、ジャンプをちゃんと(できれば4回転と3-3)跳ばないと厳しいんじゃないかと思います。
 あと、ひょっとしてプレッシャーに弱いのかなあと思いました。ロシア大会でもスルツカヤの後に滑るのが嫌だったっていたし
(そして出来は良くなかった)。以前は世界ジュニアの時も優勝を逃したことがあったし…。

Carolina KOSTNER (ITA) ウォームアップの時から、一人だけ滑るスピードが飛び抜けて速い!練習中はジャンプも決まっていました。が、本番ではジャンプが全く決まらなかったです。彼女は大崩れするときは本当に酷い出来になるけれど、SPのことを思うと何故ここまで波が激しいのか不思議です。でも去年の世界選手権では銅メダルを獲ったし、シーズン後半には調子をあげてくるのかも。
 ものすごく余談ですが、前滑走者のマイスナーの得点が出るのを待っていたときに、リンクサイドでもの凄く大きな音を響かせて鼻をかんでました。豪快だなあ…。ちょうど会場内が静まり返っていたとはいえ、こんな離れた席にまで聞こえるような音って…。

中野 友加里 (JPN) ウォームアップではトリプルアクセルを成功させてましたが(転倒もしてましたが)、本番では残念ながら失敗。でも攻めの姿勢はかっこいいです。それ以外のジャンプは全てクリーンに成功。今季は勢いがあります。もともとスピンが綺麗な選手だし、コーチを変えたせいかスケーティングや姿勢も随分綺麗になったし(さすが佐藤コーチ)、今後に期待できそうです。フリー自体は3位だったけれど、総合で優勝。会場のビジョンに映し出されたうれし泣きする顔が可愛かったー。
 カナダ大会の3位、今回の優勝で、今後点が出やすくなりそう。ファイナル出場も決まったし、今後に期待。

Elena LIASHENKO (UKR) 「上位をかっさらっていくイメージがある」とは趣味友リリコ(仮名)の談。ベテランらしく大崩しないから、SPの順位が悪くても総合では上位に来ていることが度々。今回もジャンプをそこそこ成功させて、そして全体の演技はさすがベテランらしく表情豊かに滑り、フリーでは2位、総合では3位。不思議な柄のパンツスタイルの衣装が似合ってました。


 …で、最終的に誰がファイナルに出場になったか分からないまま帰宅しました。「スルツカヤと、浅田真央、今日の中野と、シズニー、…ソコロワ?ロシェット?荒川と恩田は駄目だったんだよね?」などと記憶があやふや。
 本当は会場に張り出されていたであろうファイナル出場者一覧
(最終戦がNHK杯だから、終了後会場内に速報で張り出される)を見てから返ろうと思っていたのに、前述のアイスダンス表彰式後のブルガリア組のサービスに浮かれ騒いだせいですっかり忘れて駅に向かってしまいました。
 結局安藤がギリギリでファイナル出場とのこと。今回の結果をバネに、頑張って欲しいです。4回転も見たいなあ。

 というわけで、日帰りで1日だけのNHK杯観戦は、いつもより大盛り上がりの(やっぱり日本人選手が活躍すると盛り上がる!)、「いいもんみせてもらった」的な素晴らしい1日でした。2週間後のファイナルも良い演技を期待してます。


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