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03.02.17〜18 長野オリンピック5周年記念エキシビション

長野、再び

 昨年3月に世界選手権を見に行った時に「もう当分来ることもないだろう」と思っていた長野。見事に予想を覆して、一年経たないうちにまた行きました。しかも平日。その上2日間。
 どうせならってことで、両日とも行きましたさ。この時期が最高に暇な職場で良かった…。
 出発前日に長野在住の友人から「雪が30センチ積もった」というメールをもらい、雪のめったに降らない地方の住人である私と友人は戦々恐々として出掛ける。とりあえずブーツの中にはカイロ。ポケットにもカイロ。背中にもカイロ。
 と重装備をしたのに、意外と長野は暖かかった…。気温はそれなりに低いが風が吹いていないので体感温度が高い。
ちなみに私が住んでいるところは年中強風。
 会場へ向かう前に、昨年の世界選手権時にもお世話になった花屋で花束を購入。京都ではラッピング方法
(花びらがリンクに落ちないように上部を閉じる)を説明するのにすごーく苦労したのだが、さすが長野、「フィギュアスケート用にラッピングお願いします」と言っただけで完璧に分かってくれました。楽でいいなあ。

 公演は3部形式。1部と3部が長野オリンピックメダリスト、2部が日本人選手と北京で開催されていた4大陸選手権に出場した選手の演技。基本的に両日とも同じ内容だったけれど、2日目のほうがライトアップが派手になってました。それから最初の挨拶が初日はスケート連盟会長(聞き取りにくかった…)、2日目が本田武史だったこと。本田はしゃべるのに慣れていないというか朴訥というか、いい味出してます。

第1部

Philippe Candeloro(FRA) 長野といったらダルタニアン!アナウンスでも「長野に帰ってきました」とか言うし、やっぱり印象深いプログラムです。ステップ格好いい!初日はジャンプミスが多かったものの、2日目の時は何とかこらえてました。ただ、キャンデロロが登場した時客席からあまり反応がなかったのはちょっと残念…。

Kazakova/Dmitrie(RUS) 長野五輪のぺアで優勝したカザコワ&ドミトリエフ。多分曲は「Unforgettable」。しっとりした曲で優雅に滑っていました。ペアはどうしてもスロージャンプとか派手技ばかり目がいってしまうけれど、エキシビションナンバーはいろんなものを見れるので楽しい。

Surya Bonaly(FRA) 昨年かその前かに手術をしたと聞いたけれど(膝だっけ?)、そんなことを全然思い出させないシャープなジャンプ。もちろんバックフリップも披露してくれました。プロになってからの方がジャンプ上手くなってるんじゃないか?相変わらず衣装もゴージャス

Anissina/Peizerat(FRA) 昨シーズンのエキシビナンバー「スザーナ」。アニシナがペーゼラを平手打ちするは蹴るは踏みつけるはの逞しいアニシナっぷりプログラム。01NHK杯ではこれはやらなかったので見れて嬉しい!(代わりにカルミナ・ブラーナを見れてそれはそれで良かったけど)

第2部

高橋 大輔(JPN) 北京帰りでお疲れだったのか、ジャンプが決まらなかった。2日目は何もないところで転んでしまうし、隣に座っていたファンのお嬢さんが悲鳴上げてました。スケーティングは綺麗。そんなに傾いて転ばないのかなと思うくらい(転んだけど…)エッジが傾いてる。

Jennifer Robinson(CAN) 脇が大きく開いたピンクの可愛い衣装で登場。ジェニファーは相変わらず可愛い。曲の囁き声に合わせて客席を見ながら肩をくいっと動かす仕草も本当に可愛い!この曲中尾ミエの「可愛いベイビー」にちょっと似てるかも…。

川口 悠子/ Markuntsov(JPN) ペアの川口&マルクンツォフ組。この黄色のコスチュームは以前見たことがあるけれど、いつのプログラムだっけ?川口さんは相変わらずやわらかくて、そしてとても細い。リフトは凄いと言うより、むしろ雑伎団の雰囲気を感じてしまうんですが…。

中野 友加里(JPN) 四大陸選手権に続き、怪我の恩田の代理出場。そしてこれが噂の「巻き足」ですか!何だかヘリコプターが飛んでいるような妙な迫力がありました。これって競技会では減点されたりするのかな?

田村 岳斗(JPN) 「カルメン」のメドレー。闘牛士の衣装と小道具のマントの使い方が格好いい。去年のエキシビといい、いつも楽しいプログラムを滑ってくれます。でも、最近この曲を使っているミュージカルを見たので、どうしても踊りが見劣りしてしまった…。

荒川 静香(JPN) 02年NHK杯のエキシビションと同じく「Sing, Sing, Sing」。実はこのプログラムはあまり好きじゃないのです。それはさておき、 演技終了後の笑顔が凄く可愛かった。演技中ももう少し笑えばいいのになあ。クールビューティー路線も好きですが。

Jeffrey Buttle(CAN) NHK杯の時と比べて、何だかスピンの速度が速くなってパワーアップいたような…。凄いスピードでたくさん回転するから遠目にも顔が真っ赤になっているのが分かった。TVで「難しい体勢でのスピン中は息が止まる」と聞いた気がするけど、やっぱり息していないのか?

村主 章枝(JPN)これまた02年NHK杯のエキシビションと同じプログラム。こういうやわらかい雰囲気の曲を滑るのはさすがに上手。振りはゆっくりとしているけれど滑るスピードが速いからなかなかの迫力。

本田 武史(JPN) シーズン途中に変更したフリー「リバーダンス」。北京での四大陸選手権では6点満点が出たらしいから凱旋お披露目という感じ。あのステップはヤグディンのまねっこに見えてしまうけれど、振付師一緒らしいから仕方ないのかなあ。

Shen/Zhao(CHN) 曲は「Time to say good-by」。NHK杯のときのベートーベンの曲といい、アニシナ&ペーゼラと同じ曲を使われると「振り付けがちがう〜!」という気分になるなあ。2人が並んでゆっくり前に進んでいくのを見たときは「同じ振りがあったような…」と思いましたが。こういう曲もなかなか似合う。そしてやっぱりダイナミック。

第3部

Anissina/Peizerat(FRA) 昨年のODスパニッシュメドレーのロングバージョン。これも好きなプログラムなので見れて嬉しいっす。ペーゼラが「オーレ!」と叫んでも、客席からは拍手だけだったのがちょっと淋しい。私の席は端っこで、「オーレ!」ってやっているところが遠くて参加しそびれたし。客席をしっかりにらみつつ滑るアニシナは迫力があって格好良かったです。でも、後日友人が撮った写真を見せてもらったけれど、アニシナさんもう少し体絞った方が良いんじゃ…。

Surya Bonaly(FRA) 女性ボーカルの入った、アフリカっぽい雰囲気の曲。バックフリップのみならず、3−3のジャンプを跳んだのはびっくり。軽々と跳ぶなあ…そして安定しているし。少なくともキャンデロロのジャンプより安心してみていられます。衣装がきらきらしていてとても派手。ボナリー、こういう衣装が良く映えると思います。

Kazakova/Dmitriev(RUS) 曲は「マトリックス」から。何度か見たプログラムだけど、何度見ても楽しい。自分を操っていた棒と糸で縄跳びをするのが可愛いなあ。ほかにも小道具を効果的に使っているし、服を脱ぐのも意表をつかれます。

Philippe Candeloro(FRA) 「Wild Wild West」。これはキャンデロロツアーで見たり、何年か前プロフィギュア選手権でも放送されたおなじみのプログラム。踊るは、早着替えをするは、最後はやっぱり脱ぐはでキャンデロロテイスト満載のプログラム。銃の早撃ちの振り付けも好き。演技終了後、マイクを持って話し始めるキャンデロロ。長野オリンピックのときに誕生日を迎え、そしてこの5年後の2月17日の誕生日も長野に!誕生日を迎えるたびに長野を思い出すとのこと。嬉しいなあ。皆でハッピーバースデーを歌いました。私は音痴なので小声でこっそりと。

感想とフィナーレ

 全体を通しての感想は、1日目は、照明が白一色で単純だったり(特に中国ペアの扱いが…現役スケータだから1回しか演技しないのは当然かもしれないけれど、世界チャンピオンなんだからもう少し演出すればいいのにと思った)、投げ込み花束をスケーターが直接全部取りに行ったり(フラワーガールはいたけれど、なかなか出てこない)と気になるところが多かったけれど、2日目は結構改善されてました。こういう改善はスケーターが指示するのかなあ…キャンデロロだったらやってくれそう。彼は、エキシビション終了後もずっと会場に残ってファンのサインに応えてくれていました(ちなみに私もサインしてもらえました!)。このプロフェッショナル根性にはただただ感動します。

 それからフィナーレ。
  初日はリンクサイドの端の方だったので、全員が揃うまでリンクで待っている選手のちょっとした仕草をいろいろ見れて楽しかったです。ずっと前後に足を動かしている中野とそれを真似する高橋とか、申&趙が勢いよく前を通ったので慌てて皆で壁際に逃げたり、ボナリーとハイタッチする本田、手をつないで移動しなければいけないのに、なかなか掴ませないで手をひらひらしているキャンデロロの手首を自ら掴みに言ってがしっと手首を握ったアニシナなどなど。
 同時進行で選手一人ずつが中央に出てきて挨拶がわりのちょっとした演技(ジャンプとか)をしているので、どっちも見たくて視線が行ったり来たりとかなり忙しかったです。

 そして最後はNHK杯と同じくサインボール投げ。
 初日はリンクサイドだったので、投げたボールをキャッチというより直接手渡しでボールをゲットできました。いえー!目の前にアニシナが来てボールを手渡ししてくれた時は非常にどきどきしました。目釘付け。不躾で済みません。
 2日目は2階席だったけれど、趙宏博の投げたボールがストライクど真ん中でした。一歩も動かず手を真上に伸ばしただけでキャッチ成功!周りの人が前のほうへ移動していたから却って取りやすくなりました。ラッキー。そして友人と2人で計6個もボールをもらえました。しかもそのうち2つがキャンデロロのサイン!

 そんなこんなで充実した平日2日間でした。去年、もう当分来ることもないと思っていた長野ですが、きっとまた競技会か何かがあってはるばる来ることになるんだろうな…今度はせめて週末開催がいいです。


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