ここで疑似科学というのは、あたかも科学であるかのように見せかけて実はそうでは無いものを指します。
コンノケンイチ氏なんかは超科学と言うべきで、明らかに科学では無いわけですから度外視します。
例えばよくあるやつでは「アインシュタインは間違いだ」と言うような論調の本が良くありますが、それをきちんと証明している本というのは無いわけです（あたりまえだ、出来るわけがない）。何か、相対論の仮定（多くは光速度不変の原理）に違反しそうな気がする、とその本の筆者が思いこんだ現象についてとくとくと語っている。
これじゃ、（物理学的知識のある人は）誰も相手にしないやね。（窪×氏の理屈なんか、SFにもならないけど。）
訳のわからん本を書く前に、論文でも書いて頂ければ、一般の読者に害毒を垂れ流す可能性は低いのですが。
アインシュタインの理論だって、そうして出されたものな訳です。
アインシュタインはもともと、市井のアマチュア研究家であったのが、特殊相対論で名をなしたんですね。
勿論、疑似科学的論文が認められる可能性は無いですが、そういう論文が出て無い訳じゃないんですよ。
ちゃんと自分で実験して、それを確かめる環境にあるなら、やってみた上で他人がその実験を追試できる論文を書けば宜しい。
私の所属する電子情報通信学会では、なんと本誌に「幽子」がどうこうとか、これがESPと関係がある、だの訳のわからんものを見たことがあります。
これを書いた人は、勲×等ナントカ賞とかいうような勲章を受賞しているエライ先生なので、周りのセンセー方に止めるだけの政治力が無かったんじゃないかと思います。（「同僚審査」の問題点ですな。無論、良い点の方が多いわけですが。）
これを疑似科学とするか、単なる異端、非主流派であるとするかは難しいでしょうな〜。何しろ物理的な説明は無かったし、言ってみれば思いこみだから。
私はやっぱり疑似科学だと思いますよ。だって実験データも無ければ、それを仮定した時の証明も、論理も無いんだから。「こうあって欲しい」ってだけで。
（但し、これは巧く書けば かなり質のいいSFにはなりそうな気がします。）
で、その先生が引き合いに出したESPなんですが、これが問題です。
SFファンにはなじみ深いこのテーマ、前述のごとく超科学者や疑似科学者の格好の餌食（？）になっています。
ＴＶに「超能力者」を自称する手品師が出てきて、いろんな芸を見せると、信じる人がいっぱい居るからでしょうか。
とはいえ、手品だと証明しようとする物理学者が出たりすると、わたしゃ笑っちゃいます。
あれは、ＴＶ向けの芸ですから、はっきり言って本物だろうが手品だろうが、面白ければどっちでも宜しい。
じゃー、ESPなんか無い？
こういうことを言う物理学者の類もよくいらっしゃいますが、これもまた困ったもんだと思います。
誤解を恐れずに書けば、ＴＶなんか出てこない超能力者（何をもって超能力とするか、の問題はありますが）は、確かにいます。「気功師」です。物理学者のセンセーなんかが、何を言おうが、ご存じの通り中国では医療に使われているし、事実役に立つ。日本にも少数ながらいる。或る意味で、あるかないかでは無く、既に一つの技術として確立しています。
考えて貰えば解るけど、否定することなんか出来るわけないのです。だって、「科学的に」否定するためには、全ての気功師を集めて全てが偽者としなければならない。
一人でも本物がいれば、「気功師は偽モノだ」という説は成立しません。
気功師の研究を実際になさって、実験データを取っている先生もいます。それによると、甚だしい場合は患者と気功師の脳波が一致するんだそうです。私の見た論文では、脳波のウイグナー分布みたいなものを出してましたから、時間波形データと違い、その見方や偶然の可能性は無いと言えるでしょう。（変な本では無く、ちゃんとした学術誌です。）
少なくとも、自分の意志で脳波のウイグナー分布の制御は出来ないでしょうから、これはある種の超能力でしょう。
（但しこれはある種の特殊な能力の証明であって、治癒能力を証明しては居ないので、誤解無きように。）
前述のエライ先生がとんでもない論文を書いたおかげで、こうしたまじめな研究さえも日が当たらなくなるのを、私は怖れています。
こんな事を言う人はどこかおかしい、と人々が思いこむのを怖れています。
理論物理のセンセーの戯れ言のせいで、せっかく役に立つ技術が失われるのを怖れています。
‘かつ’は技術の人間なので、役に立たないESPなんか興味ないです。
だってそうでしょう、手品で同じ事が出来るのなら、手品師の芸をみるのと自称「超能力者」のワザと、見る側にとって何か違いがありますか？
貴方はそれを区別できますか？
（哲学的な意味でのオカルトやESPの研究もありますが、それはこの際、除外します。）
気功は違います。役に立ちますし、症例によっては西洋医学が歯が立たない内容でも治ったりすることもある。
しかも副作用はゼロ。症状の再発も少ないと聞いています。（真実か否かは知らないけどｗ）
中国ではこうした背景からか、子供を使った実験を大脳生理学者がやっているようです。
まぁ、大脳生理学者にしてみれば、「目」以外のもので物を見るなんてのは、ゆゆしき自体だからでしょうかネ。
「特異効能者」とか言う名前で超能力者を呼んでました。（気功以外に「効能」でもあるんでしょうか？軍需かな？）
私が思うに、要するに「常識」の問題じゃないですかね。
物理学的な知識や数学解析能力も、勿論、役には立つでしょうが、前述のごとき意味不明の事を言う工学の先生や、現代物理絶対偏重の理論物理学者は、そうした知識や力を持ってるわけです。
それでも、そうした知識が役に立って無い。「常識」がないからじゃないかな〜。
勿論私は、全面的に気功を信じている訳ではありません。実際問題として言うなら（仮に本当に治癒能力が証明された気功師が居るとしても）金を目当ての詐欺師や横着者、香具師の類の方が多数派である、と言うのが残念ながら現実だろうとは思っています。ただ、実際にそれで治る人にはそれが現実だし、また前述の論文からも否定できないと思っています。
ところで SF との関係ですが、それでも私個人としては、SF に安易にESPを登場させることには反対です。ファンタジーならOKです。
サイエンティフィックに書かれた例が殆ど無い事も問題ですが、SF である必然性というか、SF だからこそのESPと言う物に残念ながらお目にかかった事がないからです。
逆に言えば、誰かに、サイエンスとしてESPを書いて欲しいのです。（アシモフの「銀河帝国」でのそれは、いまいち科学的とは思えません。）
疑似科学者達は、訳のわからん本を書くよりも、よっぽど社会のためになるこの種の本を書いて欲しい。
これは、日本の SF作家の責任であると思います。欧米では気功は一般性に欠けるし、取材旅行もままならないでしょう。
日本ならできるのに、誰もやらないのは何故でしょう？やはり、欧米の SF の後追いに走っているからだ、と思うのは私だけでしょうか？
既に述べたように、サイエンスとして気功を研究なさっている先生も、（残念ながら、私の知る限りはお一人ですが）いることはいる。
何故、SF では、誰も書かないのでしょう？
とりとめのない文章になってしまいました。御精読を感謝します。
相間、トンデモの引用を禁じます。