My Favorite songs






私の好きな楽曲中、有名なポピュラーソングの訳詩と解説です。
特に、詞が素晴らしいもの、詩として良いと思うものを取り上げてみました。

勿論、私の偏見に満ちていますが(笑)


Those were the days (邦題:悲しき天使)
Gene Raskin (English song)

original:B.Fomin(music) K.Podrevsky(song) Russian song "Along a long road"

かつて杯を交わしたあの居酒屋で、
どうやって何時間も笑っていたのか思い出して、
私たちの素晴らしい日々に思いを馳せて、

友よ、あの遠い日々
いつまでも終わらないと信じていた。
一晩中、歌い、踊り、
自ら選んだ人生を生き、
争って遅れをとることは決して無く、
若さゆえ、自分の確かな道があった。

そして、月日は矢の如く
あの煌くような思いは道を失い
たまたま、あなたをあの居酒屋で見かけたなら、
ちらと微笑み合い、こう言う

友よ、あの遠い日々
いつまでも終わらないと信じていた。
一晩中、歌い、踊り、
自ら選んだ人生を生き、
争って遅れをとることは決して無く、
そんな日々、そう、あれは過ぎた日々。

今宵、あの居酒屋の前に立っても
あの頃とは何もかもが違って見える
グラスに映る、不思議な光景...
この一人ぼっちの女は、本当に私?

友よ、あの遠い日々
いつまでも終わらないと信じていた。
一晩中、歌い、踊り、
自ら選んだ人生を生き、
争って遅れをとることは決して無く、
そんな日々、そう、あれは過ぎた日々。

ドアを通って、愛想のいい笑いに迎えられ、
あなたの顔を見て、あなたの声が私の名を呼ぶ
友よ、齢を重ねても知恵を重ねたわけじゃない
心に残る夢は、あの頃と同じ。

友よ、あの遠い日々
いつまでも終わらないと信じていた。
一晩中、歌い、踊り、
自ら選んだ人生を生き、
争って遅れをとることは決して無く、
そんな日々、そう、あれは過ぎた日々。

しばしば、ロシア民謡と思われていたり、歌ったホプキン自身の曲と思われたり、果ては英詩を書いた ラスキンの曲と書かれたり(アグネスチャンのレコードにはそう書いてあるらしい。酷いモンだ)する みたいですが、原曲はロシアの歌謡曲で、フォーミンと言う人の作曲です。

元の詞は、ロシア革命を皮肉った様な詞らしいです。

しかし、ホプキンは18歳でこの枯れた詩を歌っていたってのはなんか凄い(^^;)
特に解説の要はないでしょうが、何というか、この詞は、正に今の私の心境です(T_T)。

結構、意訳しましたが、それでもなんとなく解り難い所が在ります。これは元の詞が割と丁寧に韻を踏んでいる 為です。そのために選んだ言葉とかが在って、歌にするとリズム良く聞こえますが、 日本語にすると、一部不自然と感じるかも知れません。

あれは過ぎた日々、遠い日々。20年前を、鮮やかに思い出します。



WHERE HAVE ALL THE FLOWERS GONE / (邦題:花はどこへ行った)
words and music by Pete Seeger

野の花々は何処へ行ったの?
あれから永い時が流れた
野の花々は何処へ行ったの?
それは遥かな昔の話
野の花々は何処へ行ったの?
少女が、みんな摘んでいった。

何時になったら気付くのだろう?
何時になったら気付くのだろう?

その少女達は何処へ行ったの?
あれから永い時が流れた
その少女達は何処へ行ったの?
それは遥かな昔の話
その少女達は何処へ行ったの?
みんな、お嫁に行った。

何時になったら気付くのだろう?
何時になったら気付くのだろう?

若者達は何処へ行ったの?
あれから永い時が流れた
若者達は何処へ行ったの?
それは遥かな昔の話
若者達は何処へ行ったの?
みんな、戦場に行った。

何時になったら気付くのだろう?
何時になったら気付くのだろう?

兵士達は何処へ行ったの?
あれから永い時が流れた
兵士達は何処へ行ったの?
それは遥かな昔の話
兵士達は何処へ行ったの?
みんな、墓に入ってしまった。

何時になったら気付くのだろう?
何時になったら気付くのだろう?

その墓は何処へ行ったの?
あれから永い時が流れた
その墓は何処へ行ったの?
それは遥かな昔の話
その墓は何処へ行ったの?
みんな、花に覆われた。

何時になったら気付くのだろう?
何時になったら気付くのだろう?

野の花々は何処へ行ったの?
あれから永い時が流れた
野の花々は何処へ行ったの?
それは遥かな昔の話
野の花々は何処へ行ったの?
少女が、みんな摘んでいった。

何時になったら気付くのだろう?
何時になったら気付くのだろう?



これは、反戦歌です。“野に咲く花は〜”と言う日本語詞も有名ですね。
歌詞が一周して、戻って居ることに注意して下さい。ここが重要なのです。

先ず、少女が花を摘み、その少女を娶った若者が戦争に行き、若者は戦死して墓へ行き、 その墓を覆う花を少女が摘む、と言うストーリーで一巡しています。

“何時になったら気付くのだろう?”(When will they ever learn?)
この一言が意味するものは、言うまでも無いと思いますが、極めて残念な事に、 日本の宰相とか、どっかの大統領とか、何時になっても気付かないようです。



Scarborough fair / (Canticle) スカボローフェア/ (詠唱)
P. Simon/ A.Garfuncle / Traditional song

スカボローの市場へ行くのなら、
パセリ、セージ、ローズマリーとタイム
そこに住むあの人に宜しく言ってください
彼女は昔、僕の真の恋人でした

麻のシャツを縫ってくれ、と伝えてください
   (緑深き、丘の斜面の中腹に)
パセリ、セージ、ローズマリーとタイム
   (雪の冠毛の上に茶色に付いた、雀の足跡)
縫い目も無く、針の痕すら残さずに
   (山の子の毛布と寝巻き)
それで、彼女は真の恋人に戻れるのです。
   (ラッパが呼ぶのに、知らずに眠る)

土地を1エーカー見つけるように伝えてください
   (丘の斜面には木の葉が舞い)
パセリ、セージ、ローズマリーとタイム
   (銀の涙で墓を洗う)
岸辺と海の狭間に、です。
   (兵士は銃を綺麗に磨きあげる)
それで、彼女は真の恋人に戻れるのです

皮の鎌で刈入れするようにと、伝えてください
   (炎と化した真紅の大軍から聞こえる、戦いの雄叫び)
パセリ、セージ、ローズマリーとタイム
   (将軍は兵士に「殺せ」と命じる)
そして、ヒースの束を集めるようにと
   (とうに忘れてしまった理由の為に、「戦え」と)
それで、彼女は真の恋人に戻れるのです

スカボローの市場へ行くのなら、
パセリ、セージ、ローズマリーとタイム
そこに住むあの人に宜しく言ってください
彼女は昔、僕の真の恋人でした



サイモンとガーファンクルの大ヒットです。映画「卒業」でも使われましたね。

しかし、「スカボローフェア」は元々は英国の民謡です。
しかし重要なのはそれではなくて、何か矛盾した歌詞である事に気付かれたでしょうか?

これ、妖精と人間の、英国版禅問答みたいなモノだそうです。

繰り返し出てくる「パセリ、セージ、ローズマリーとタイム」は、全て香辛料です。
市場で売られているものなのと、多分「魔除け」みたいな意味でしょう。

因みに、"Parsley, Sage, Rosemary and Thyme" という題名のアルバム中で最初に発表 されています。

さて、その矛盾した「スカボローフェア」の歌詞ですが、言ってみれば不可能な事が書いてあります。
縫い目の無いシャツを縫えとか、海水と浜辺の間を耕せとか。
そうしなければ恋人には戻れない、と言います。
つまり、もう、戻れない、と言っている訳です。

その不可能な話の間に、『忘れてしまった理由の為に、「戦え」』と詠唱が入ります。
戦いへの悲しみと戦争の無意味さ、戦いが如何に人の心を引き裂くのかを、 詩と歌だけが持つ「力」で、切々と語りかけます。

これも反戦歌です。中学生の頃、私はこの曲で、歌詞の重要さを知りました。



I am a rock/ (邦題 アイ アム ア ロック)

P. Simon /lylic and music

ある冬の日、
深く、暗い十二月。
通りに面した窓越しに
降りしきる雪が、景色を覆い隠すのを
一人、じっとみつめていた。

僕は岩、僕は島だ。

僕は壁を作り上げた。
何者も入り込めない、深く巨大な要塞を
友情なんか要らない、友情こそが苦痛の種
そんなものは嘲笑とあざけりの対象でしかない

僕は岩、僕は島だ。

愛なんかを口するな。
いや、そんな言葉を以前聞いた事はあるが
心の中で眠ってるね。

とうに失われた感情のまどろみに、心を乱されたくはないんだ。
愛することさえなければ、僕も泣く事は無かったのだから

僕は岩、僕は島だ。

僕には本がある
僕の詩も 僕を守ってくれる
僕は鎧に身を固め
自分の部屋に閉じこもり、子宮の中で無事を確かめる
僕は誰にも触れず、誰も僕に触れはしない。

僕は岩、僕は島だ。
岩は痛みを知らないし、島はけして 泣くことも無い

P. Simon 第二段であります(^^;;)

ハイブロウなロックンロールナンバーですが、その詩は、文学的で、かつ都会的な瀟洒なものです。

特に説明の要は無いでしょう。サイモンの詩は、孤独な心の叫びを詠ったものが結構ありますね。サイモンとガーファンクルをして世界的スターたらしめた、“サウンドオブサイレンス”もそうですしね。


私は、失恋する度にこれを聞いていた様な気がしますね・・・(じゃ、一年中聞いてるのかって?^^;;)

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