第1章 幼犬時代

犬を飼う前に

どこの家でも同じだと思いますが、我が家の犬を飼うきっかけもやはり、子供達のおねだりからでした。 (息子小学校5年生、娘小学校1年生の時)
 近所にあるペットショップに”金魚のエサ”を買いに行くついでに、いつもショップの子犬を見に行っては「今日の柴犬は可愛かったね!」「ゴールデンもぬいぐるみみたかった!」と一丁前に犬の評論家気取りで、子供二人とも犬の本を読みあさり、必死で犬のことを勉強したものでした。(もちろん飼ったら二人で世話をするという主張をしていました。)
 最初のうちは、「いつものことでその内、熱も冷めるだろう。」とタカをくくっていた私も、実際ペットショップに行って子犬達を見たり、犬の雑誌を読んでいる内に「犬と一緒に生活する!」ことに少しずつ心を動かされていったのでした。
 実は、私も子供の頃から犬が好きで、小学校から中学校にかけて通算4匹の犬を性懲りもなくもらってきては飼っていました。(もちろん初めの間だけ世話をして後は親まかせだった記憶がありますが・・・)そんなわけで子供が世話をするはずがないのは分かりつつ、家内と相談しましたが・・・

” 猛反対 ” 

「子供達が協力するはずもないし、お父さんも毎日会社に行って、結局世話するのは私なんだから!プリプリ!」と息巻く家内をなだめつつ、
 ・犬を飼ったら野良猫が来なくなるし、用心もよくなるよ。
 ・子供の情操教育にもとっても良いそうだよ。
 ・犬と毎日散歩したら、健康と美容にばっちり。 
等々少しずつ少〜しずつ外堀を埋めていく毎日でした。

《教訓》 犬を飼うにはまず奥さんを説得せよ! 必ず合意をもらうべし!

黒ラブにした理由

  犬を飼うとして、どんな犬にするか?これは個人の好みもあるし、飼育環境の条件もあるし、一概に言えない課題です。我が家でも色々ともめましたが、最終的に黒のラブラドール・レトリーバーにしたのは次のような理由からです。

(1)どうせ飼うなら、いかにも《犬〜!》と感じられる犬が欲しかったから。
   (いかにもぬいぐるみチックでペットと言う感じの小型犬は最初から眼中にはなかった。)

(2)盲導犬、災害救助犬、麻薬捜査犬として人にために働く姿にあこがれた。

(3)近所の黒ラブのいつもの颯爽とした散歩姿にあこがれた。

(4)盲導犬のTVドラマで「大竹しのぶ」と共演した黒ラブ「ベルナ」に感動した。

(5)アメリカのクリントン大統領や、キムタクが飼っているのが黒ラブ!

(6)短毛で手入れがしやすく、黒色なら汚れが目立ちにくそうだったから。

(7)夜中の散歩でも、この犬といっしょなら全然怖くなさそう。

等々、非常にミーハー的な内容も含めて、「やさしそうで、賢くて、元気そうな雰囲気」がとても気に入り、その後は黒ラブ一筋で犬を探しました。
 でも、いざ飼ってみると・・・(続きは後の章にて・・・)

《教訓》 犬を飼うには犬種を絞ろう。思い入れが大切です。

犬を手に入れるには?

さて、犬種を決めたら次はどのようにして子犬をGETするかですが、最も手軽なのはペットショップ。なにしろ、いつも沢山の種類の犬がショーウィンドウに入っていて、気に入ったら即購入できます。但し休日のペットショップに行くとよくわかりますが、お客さんに触られまくって何となく可哀想な気がするのは私だけでしょうか?

 私の場合、色々と犬の雑誌を見て他の入手方法を探しました。ブリーダーから直接買いたかったのですがもう一つ方法が分からず、結局「犬の訓練学校」が子犬を斡旋してくれることがわかり、早速大阪・高槻市の山の中の『大阪第一ドッグトレーニングセンター(以降[犬の学校]とする』に電話して見学に行き、その場で近々産まれる予定の黒ラブを予約しました。専門家の方が、血筋を考えて繁殖させているという点で安心して入手できる方法だと思います。
 数週間後、産まれたばかりの子犬と母犬を見に行ってきました。ペットショップにいる子犬に比べしっかりした体格の子犬で大満足! ちなみに父犬はアメリカ犬で、ベガは実は《日米のハーフ》なのです。

 他にも色々と方法はあるかと思いますが、しっかりした犬を入手でき、私たちのような素人に後々も適切なアドバイスをいただけたりして「よかったな!」と感じています。この[犬の学校]は、主要な犬の雑誌等によく案内が載っていますので興味ある方は一度電話されてはいかがですか? (但し、犬種はほとんどラブラドールレトリーバーのようです。)

《教訓》 どのような子犬にするか迷ったら、まず専門家の方に聞こう。

子犬を迎えて

 1998年 1月3日、新年を迎えて間もなく、ベガがやってきました。生後1.5ヶ月で、真っ黒で鼻の低いぬいぐるみのようなチビ犬でした。ぬいぐるみのようでも子犬は好奇心旺盛で、やんちゃのしほうだい。少し我が家の雰囲気になれるやいなや、かみついてくるわ、ひっかくわで、最初は喜んでさわりたがっていた我が家の子供達も「助けて〜恐い〜!」と逃げまどうほどでした。私も家内もしょっちゅう傷だらけ。しかし、このやんちゃ坊主のおかげで楽しい雰囲気が満ちあふれたのも確かで、犬中心の生活がここから始まりました。

【飼い始めるに当たっての注意点】

《えさ》 次の3種類を混ぜて生後3〜4ヶ月までは1日4回にわけて与える。
     ・ScienceDietの幼犬用を湯でふやかして、おから状にしてさましたもの。
     ・若鳥の缶詰(d.b.f)
     ・犬の粉ミルク(生後3ヶ月をめどに)
 食事の回数はその後3回/日から1歳前後で2回/日にしていきます。量は犬によってまちまちです。適量をあげましょう。

《子犬の住む環境》
 我が家では、最初は玄関ホールに段ボールハウスを作って飼い始めましたが、季節柄寒い日が続き、「子犬は3ヶ月間は体温調節出来ない」こともわかり、2階にある私の書斎(3畳間)を犬に提供し、24H電気ストーブで温度調節して飼いました。

《犬はきれい好き》
 トイレの癖を早くつける必要があります。大きめのトイレトレイを準備し、食事後必ずそこへ連れていき用を足させました。その内自分のオシッコのにおいからトイレの場所を理解し、自分から行くようになりました。
 またシャンプーが出来るようになるまでは、毎朝、湯で体をふいてやり、換気の悪そうな大きな耳はティッシュでふいてやりました。

《ねる子(犬)は育つ》
 子犬はとにかくよく寝ます。(今でもベガはよく昼寝をしていますが・・・) 子供達が遊ぼうと思っても、食事時以外はほとんど寝てました。そんな時はグッとがまんが必要です。

《教訓》 犬を飼い始める時期は暖かい季節(できれば春)にしよう!飼いやすいです。

ベガ緊急入院

家に来て1週間後、突然食欲が無くなり、嘔吐を繰り返しました。そしてぐったりとした様子。犬初心者の私も家内もオロオロするだけ。すぐに犬を購入した[犬の学校]に相談し、犬が産まれたときにお世話になった獣医さんを紹介していただき、飛んでいきました。原因は、風邪と母犬から離れ知らない環境で蓄積したストレスということでした。その日はいったん連れて帰りましたが、なかなか状態がよくならず、2日後の夜に再度病院に行くことになり、今度は『入院』ということになりました。

 小さなケージに入れられて、前足から点滴を受け、私たちが帰るのを不安そうな目でのぞいていたベガがとても可哀想でした。1週間の入院でだいぶ快復したので退院し、その後自宅療養し、約10日間かかり元の状態まで復帰しました。

 その間、私と家内で徹夜して看病したり、入院中のベガを何度か面会に行ったりで、ベガのことを本当の家族の一員として感じ、今後も大事に育てていこうと決心しました。

こんな経験をしたわりには、その後のベガは何の病気もせずにスクスクと育っていきました。(家族全員ホッとしています。)

《教訓》 子犬が体調を崩してしまったら、出来るだけ早めに病院に行こう!
      手遅れは危険!

外での生活

 「犬をどこで飼うか?」は大事な問題です。『子犬を迎えて』で書きましたが、家に来てしばらくは2階の私の書斎が彼のハウスでした。しかし、基本は外で飼う予定だったので、どのような環境を作り、いかにうまく外での生活に慣らさせるか?が大きな課題でした。その過程を紹介します・・・

[2/21]
 
生後3ヶ月目で初めての散歩。近所の通りをぐるりと一周。近所の犬「ミッキー」に吠えられビビッていた。いまだにそこの家の前は通るのを嫌がっている。よほどその頃の印象が強かったのか・・・?

[3/1]
 今日は犬舎を購入、組立する。将来ベガが大きくなることを想定して、ホームセンターで一番大きなサイズにした。最初はなかなか中へ入ってくれなかったが、心配する必要もなく、2〜3日で中へ入ることができた。

[4/5]
 夜の間はあいかわらず私の書斎を占拠しているが、朝の7時〜夜の7時までは外で過ごすことが出来るようになった。また、ハウスで昼寝も出来るようになった。ベガの昼間の活動範囲は、家の周囲の約半分とガレージの上の3m四方のテラスで、そこを仕切で囲って自由に動けるように放し飼いをすることにした。南側の日当たりのよう場所と、北側の涼しい場所があり、状況に応じて快適な方で過ごしているようだ。

[4/10] 
 
生後約5ヶ月。気候もだいぶ暖かくなり、今日から一晩を外で過ごさせることにした。家内からの可哀想という声もあったが決行。ベガ大丈夫!

[4/22]
 早朝にお隣さんから「ベガが庭に入り込んで、雨戸を開けたら家の中にまで入ってきた!」との電話を受け、謝りに行く。どこから抜け出したのやら。今後もベガの大脱走に注意。

[5/3]
 外での生活にもだいぶ慣れた様子。ただ最近だいぶ暖かくなったため蚊が出てきた。朝ベガの顔を見ると目の周りが「お岩さん」のようにはれ上がっていた。フィラリアの薬を飲んでいるのでそちらの方は大丈夫だが、少し可哀想だったので、夜の間だけ玄関先に入れてやることにした。その後は気候的に良い時期を除いて、冬の寒い夜間なども玄関先で夜を過ごしている。その方がベガにとってもよく寝られるようだ。
 このパターンが今のところ我が家での標準的なベガの生活環境になっている。

《教訓》 室外飼育の場合は、犬の立場に立って環境に気を付けよう!安心できる場所を!

 
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