京都 歴史を学ぶコース 2002.8

 2002年8月某日 晴れ

 子供の小学校の夏休みの宿題に「自由研究」というのがあります。我が家の二人の子供もこの課題に対し、なかなか良いアイデアが無く悩みの種でした。やがて、回りまわって私のところに持ち込まれたのです。
 「せっかく歴史のある京都の近くに住んでいるのだから歴史の史跡を一通り回ってみよう」というアイデアを出して、一日かかって夏休みの暑い中京都めぐりをしました。京都は日本の歴史の縮図のようなものです。各時代の史跡がそのまま残っています。二人ともほぼ同じコースをたどって歴史の勉強ができました。その時のコースを紹介します。

近鉄 東寺駅スタート

東寺   (平安時代)

二条城  (江戸時代)

金閣寺  (室町時代)

京都御所 (鎌倉時代)〜同志社 (明治時代)

銀閣寺   (室町時代) 
  


東寺にて!


二条城 

 まず、京阪電車、近鉄電車と乗り継いで、京都駅の一つ手前の「東寺駅」で下車します。ここから徒歩5分くらいで東寺に到着します。車で大阪から京都に国道1号線で入ってきた時に最初に見えるお寺がこの東寺で京都の玄関と言えるのではないでしょうか?このお寺は、794年に桓武天皇の平安遷都の時に朱雀大路の東に建立された宮寺で、弘法大師が住んでいたお寺です。またこの境内の五重塔は日本一高いもので、京都の街を見下ろすようにそびえています。

 ここから、歩いてJR京都駅へ。途中のコンビニで給水のための冷たいお茶と子供のおやつを買っていきます。京都駅でまず「市バス専用一日乗車券カード」を購入。これは均一運賃区間内は一日中バス乗り放題のカードで、しかも500円。ほとんどの地区まで行くことができ、また市内の案内書「バスナビ」ももらえるのでとてもお得です。

 市バスに乗って、まずは江戸時代代表の「二条城」へ。ここは、1603年徳川家康が京都御所の守護と将軍上洛の時の宿泊所として造営し、3代将軍家光によって1626年に完成しました。ここの二の丸御殿で幕末の将軍慶喜が大政奉還を発表したのは有名です。城内は広大で、堀や庭園がゆったりと配置されています。最近はラストサムライの特別試写会をトムクルーズを招いて行い注目をあびました。京都観光の定番です。 

 バスで今度は市内の西北、室町時代の北山文化の中心「金閣寺」へ。正しくは鹿苑寺といい臨済宗相国寺派の禅寺で、1397年足利3代将軍義満が山荘北山殿を造りました。庭園・建築は極楽浄土を現したものと言われています。広い参道を通り、やがて視界が広がると見事な金閣を眺められ、その豪華さに息を呑みます。二層と三層に金箔が貼られ、屋根の上には鳳凰が輝いています。

 次は今出川通りを東へ移動。広大な京都御所に行きます。ここは明治維新まで歴代天皇が住んでいたところで、東西700m、南北1300mという広さです。今話題の幕末には幕府軍、新撰組、薩摩長州の活動の舞台にもなりました。
その京都御所の北隣の元薩摩藩邸の跡地に明治の初期1875年に新島襄により創立された同志社大学があります。ここは京都で一番古い煉瓦建築など米国、英国、ドイツの設計者の素晴らしい煉瓦建築が保存され国の重要文化財に指定されています。詳しくは本HPの近代建築のページを参照ください。

 同志社前から今出川通りを一路東へ。東山につきあたるところに銀閣寺があります。金閣寺同様の臨済宗相国寺派の禅寺で、1482年室町幕府8代将軍義正公により建立されました。祖父義満の北山殿金閣にならい、東山殿を造営したということです。銀閣寺は俗称で正しくは東山慈照寺。山門を入ると右下の写真のような50mもの手入れされた生垣が目に入ります。石垣と竹垣、椿の生垣の調和が美しい参道です。ここを越えると2層からなる銀閣(観音殿)、白砂の庭園が広がります。金閣のような派手さはありませんが、わび・さびを表した名園です。

以上京都の歴史を残した史跡6箇所を巡り帰途に着きました。これで宿題のレポートはばっちりでしょう・・・。


北山文化の象徴:金閣寺

広大な京都御所

同志社大学のレンガの校舎

東山文化!銀閣寺!

銀閣寺入り口の50mもの生垣。お見事!