何かがおかしい
11.14.1999




 先日お送りしました「買ってはいけない」メールに 対して友人から以下のような文が送られてきました。 ワインに造詣が深い彼ならではです。 なかなかこれほどことは書けないものです。


>
>さて、取り敢えず君から来た「買ってはいけない」メールに関して
>私の思うところを述べさせてもらいましょう。
>
>あの本は僕も某本屋で雨宿りをしている時、
>暇つぶしにちょろっと読んだことがあります。
>ちょどその頃はやりの絶頂期だったと思います。
>
>その中に「ワイン」について書かれているページがありました。
>日頃の興味からか、そのページだけ真剣に読んでいたのですが、
>その本曰く、
>
>健康ブームも手伝ってワイン、特に赤ワインは沢山輸入されているが
>あれらのワインには酸化防止剤として亜硫酸塩(二酸化硫黄)が
>含まれている。これは超がつくほどの猛毒である。
>そんな品は許せない。危険である。やめるべきである。
>国内のワインでも入っているのが多いが中にはそういった物を
>一切入れずに作っているすばらしいワイナリーもある。
>そのようなものこそ今消費者が真に望んでいるものであり、
>これから生産者も流通者もその点を心がけるべきだ。
>
>だそうです。これを読んで、私は心底「こいつはあほか?」
>と思ったし、巷で騒がれてる本の内容の無さに情けなさを
>感じたものでした。ちょっとワインをかじったことがある人なら
>すぐ分かる事ですが、間違いだらけです。
>
>確かに亜硫酸塩(二酸化硫黄)は人体に対して猛毒であります。
>しかしそれは量と言うもの。一般にワインに含まれるその量は
>人体に対して影響が出るといわれている量の遥か数百、数千
>分のオーダーです。ちょっとやそこら飲んだところで全く影響は
>ありません。それならフランスやイタリアはとっくに滅んで無くなってま
>す。
>そもそも二酸化硫黄はワイン製造の段階でごく少量ながら
>生成される物質で昔から入ってるんです。日本では本場フランス、
>イタリア、ドイツなどよりその基準値が更に厳しく、数々の逸品が
>そのせいで輸入できていないくらいです。
>
>また、二酸化硫黄が入れられてないワインが出まわっている
>ことも事実ですが、ではこれらのワインがどのように酸化防止を
>しているとお思いですか?
>酸化が起こりワインが腐敗してしまうのはいわゆる細菌の
>働きによるものです。酸化は防げない(何しろ空気は必ず入ってるし、
>コルクなら息もしてるから)から、細菌を無くしてしまえばいいんだ >というのがこれらのワインの特徴です。菌を殺す、と聞いて
>おそらく最初に思いつくのが熱処理でしょう。正解です。
>これらのワインは仏のワインの生成過程に熱処理が加わります。
>この結果、ワインにとって命とも言える香りと味の大半は
>殺されてしまいます。更に他の方法として特殊な膜を通して
>菌を取り除くと言う方法もあります。これとて同じ。菌すら通さない
>膜がワインの成分の事ごとくをシャットアウトしてくれます。
>中にはご丁寧にその両方の過程をふんだワインまであるそうです。
>それで「安全!健康!」を謳ってでかでかと宣伝しているんですが、
>このようなワインの方がよっぽど健全な姿勢から離れていると
>感じるのは僕だけでしょうか?
>
>僕には全く害にならない少量の二酸化硫黄が入っているワインの方が
>素直ないいワインだと思うのですが、まあその判断はさておき、
>(これは個人的好みの問題ですしね)素人でも知ってる
>このような事実に全く触れずに
>
> 亜硫酸塩(二酸化硫黄)
> ↓
> 猛毒
> ↓
> ワインに入っている
> ↓
> そんなワインは害だ!
> ↓
> だから入ってないワインがすばらしい
> それを買うべきだ!それを作るべきだ!
>
>という発想しかないあの本が、それを自信まんまんに
>書いてるあたりが、とてつもなく恐ろしく感じたのでした。
>
>結局あの本は自分達に都合のいい部分のみに目を向け
>ひたすら非難を目指すというコンセプトなのでしょう。
>勿論題材ごとに担当者は違って、ちゃんと調べてあるものも
>あるのでしょうが、大体レベルは推して知るべしってとことでしょう。
>それ以来全く見てません。
>何で非難の声が上がらないのかずっと不思議でした。
>
>今回紹介されたページはまだ見ていないですが、
>言うとおり、世間で言われているからといって
>簡単に流されるようにはなりたくないですね。
>(ちょっとワインの事だったのでむきになってしまったか?(笑))
>