◆ 世界の教科書は日本をどう教えているか


 
ジャンル:  国際

著者:  別枝 篤彦

出版社:  朝日新聞社

本体価格: 680円

発行年月: 1999/9/1

判型: 文庫本

ページ数: 270P

ISBN4-02-261272-X


 


 表題にあるように世界各国の教科書において日本がどのように教えられている かが紹介されている。教科書の中には誤った、古い記述も見られ、そんな教科書で 学んだ人達が日本に対する偏った理解をしてしまうことを嘆く方もおられるであろう。 しかし逆に街角で見られる日本人ではない国籍の人達を”外人”(これは差別用語らしい です。正しくは「外国人」)とあいかわらずひとくくりにしてしまう感覚の方が 嘆かわしく思ってしまう。

 外国を知る、ということで主に社会科の教科書が取り上げられている。我々が 使用した社会の教科書とは大きく異なり、魅力的な編集がなされている教科書に 驚きを感じるとともに、日本の弾力性のない教育にいまさらながら愕然とする。

 「ゆとり教育」とやらで日本の教科書も改訂が進んで行くようである。ただ分量を 減らすことを目的とした改訂からでは良いものを期待できるべくもない。せめて 現場の教員の皆さんが、または親御さん達がこの本を参考にして子供のためになる、 独自の教科書を描いて行ってほしいと願う。