シナリオ風テキスト一覧
第1巻

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第2話 「太郎の学校!!」
 
朝の花右京家、太郎の声が聞こえる。
太郎:「僕はヤだよ!! 絶対に行かないからねっ!」

マリエル困った表情をしている。太郎を説得しとうとするが、彼は頑に彼女の言うことをきこうとしない。
マリエル:「ですが太郎様… 太郎様はまだ中学3年生で義務教育が…」
太郎:「学校に行かないとは言ってないよ ただマリエルが決めたような金持ち学校に行くのはイヤだからね」
マリエル:「わかりました すぐに最寄りの公立学校を手配いたします」

お側メイドに取り囲まれる太郎。
お側メイド:「御主人様!私どもがお供いたしますわ」
太郎:「ダメ!! 君達 絶対学校に来ないでよ もし来たらここから出て行くからね」
マリエル:「それではお車を…」
太郎:「いいよ 歩いて行くからっ」

山中の太郎。
太郎:「…………」

太郎は山道で息を切らして立ち止まる。
太郎:「ハアハア(歩いて行くなんて言わなきゃよかった…)」
(太郎ナレーション)
ちょっと強く言い過ぎたかなー 僕のコト心配してくれてのことなのに…

太郎はマリエル達への言葉が過ぎたこと後悔して机に顔を伏せている。
太郎:「ふう・・・」

(太郎ナレーション)
それに家を出るなんて言ってはみたものの…
行くところなんて僕にはもうどこにもないんだよなあー
母さんも死んじゃったしなぁ


遠くから太郎を見ている女子生徒。
女子生徒:「ヒソ ヒソ 」

背後より太郎のことを呼ぶ声が聞こえる。身を起こして振り返る太郎。そこにはメガネを掛け、髪の毛を全て立たせたヘアスタイルの男子生徒が立っていた。
男子生徒:「よう転校生!! なんやさえない顔しとるのー いじめられるでー」
男子生徒:「ワシは三小田春男やよろしくのー」


男子生徒は三小田といった。太郎の自己紹介を遮り、肩を組んでくる。
太郎:「僕は花右京…」
三小田:「ああっ知っとる 知っとるよ えらい変わった苗字やからのー」「わからんコトがあったらワシに聞きやー」
太郎:「うんっ」

その光景をどこからかモニタリングするマリエルとシンシア。スピーカから太郎と三小田の声が聞こえてくる。
三小田:「ワシも去年 高知から転校してきてのー」
太郎:「あっ それ高知弁なんだ」
マリエル:「良かったァ もうお友達が出来たようねっ」
学校の近くにヘリを着陸させ、そこで各員に指示を出すマリエル。
マリエル:「御命令には反しますが 太郎様をお守りするのが我らの役目 ただお帰りを待つ訳にはまいりません シンシアちゃん 太郎様のトレースお願いね」
シンシア:「はい…」

ヘッドホンより流れるマリエルの指示を聞くイクヨとお側の面々。
マリエル 通信:「花右京家当主は男女問わずモテなければならない先代のお言葉です」

続けるマリエル。
マリエル 通信:「よって我々は次の作戦を実行します その名も… “学校でも太郎様モテモテ大作戦!!”」

お側メイド、呆れる。
お側メイド:「ネーミング工夫しようよォ…」
マリエル:「さあみなさん ハリきってまいりましょう!!」
一同:「オーッ」

不意に太郎の背中に悪寒が走る。
太郎:「(なんかイヤな予感がする)」
三小田:「どうした?んー…」
太郎のクラスは数学の授業。
先生:「因数分解の方法 共通因数をくくり出す…これはもっとも簡単な因数分解である 例としてma+mb=m(a+b)を使って4x2y+bx=2x(2x2y)…」
「乗法公式の利用…乗法公式の右辺と左辺を入れかえると因数
分解の公式となる。(1)平方公式の利用…a2±2ab+b2=(a±b)2
・・・」

太郎、先生の言うことが理解できないのか冷や汗を垂らす。
太郎:「(どうしよう・・・ぜんぜんわかんないや)」

何か企んでいるような表情で振り返る先生。生徒は全員恐れている。
先生:「さあてこの問題! 誰に解いてもらおうかなあ?ヒヒヒヒ」「そう言えば今日転校してきたヤツがいたなあ・・・」

太郎、自分のことと確信しビクッとする。そして指名される。明らかに答えは分かっていない様子。
先生:「この問題はムズカシーぞー 花右京か お前やってみろ」
太郎:「(ウーン さっぱりわからん)」

この状況を見ていたシンシアがマリエルに報告、マリエルはイクヨとシンシアに指示を出す。
シンシア:「ピンチです 太郎様には難しすぎます」
マリエル:「イクヨちゃん大丈夫?」
イクヨ:「おまかせ下さい! 私なら楽勝です」
マリエル:「シンシアちゃん準備はいい?」
シンシア:「OKです」
メイド:「発射っ」

閃光弾が太郎のいる校舎に向けて発射される。次の瞬間、強烈な光に教室中が包まれた。
太郎:「ひっ」
一同:「わっ きゃああッ」

閃光弾の爆発で太郎を始め教室の生徒達は目が見えない。
生徒1「カミナリかあ?」
生徒2「目が見えないよう」
太郎:「(ウーン見えん!)」

その機に乗じてイクヨが太郎の右手より近付いてくる。そして彼に気付かれぬように問題の答えを黒板に書く。
太郎:「(なんだったんだろう一体…)」

目が元に戻って見えるようになった時、既に黒板には答えが記されていた。
太郎:「(あれっ出来てる)」
先生:「おっ花右京正解だ!すごいなァ」

教室中が歓声に包まれる中、イクヨは教室の外、胸をなで下ろす。
一同:「オォー!」
イクヨ:「ほっ」
女子更衣室、体育の授業のため女性生徒が着替えている。話題は先程の閃光弾の光について。
女子生徒:「何だったんだろうね さっきの…」
女子生徒A:「UFOじゃない?」
女子生徒B:「………ン」

一人の生徒がふざけてクラスメートのブラジャーを外す。
女子生徒B:「えぃ」
女子生徒A:「きゃっ 何すんのよもー」
女子生徒B:「きゃははは」

紛れ込むべく中の様子をうかがっているイクヨの姿。
イクヨ:「………」

潜入に成功したイクヨがクラスメートに成り済まして話を切り出す。
イクヨ:「ねえねえ 今日来た転校生 いいと思わない?」
女子生徒A:「そうかなあ」
女子生徒B:「私はけっこうタイプかな」
女子生徒A:「おとなしそうな人だよねー」

みんな好きなことを言っている。イクヨは太郎の評価を上げるためさらに続ける。
イクヨ:「とりあえず頭はイイみたいだネ」
女子生徒B:「だけど頭がイイだけじゃねえ」
女子生徒A:「次の体育がみものなんじゃない? ニブそうだもんネー」
女子生徒B:「アレ ところで今のメガネの娘 誰?」
女子生徒A:「えっ何のこと?」

イクヨは物陰に隠れている。
イクヨ:「ウーム 体育がカギかぁ…」
太郎を体育の授業でもサポートすべく、お側メイド達に指示を出すマリエル。
マリエル:「次はいよいよ体育です みなさん準備はよろしくて?」
お側メイド:「愚問よマリエル!」「いいわね お側御用大隊の底力を見せつけるのよ!!」「オー」
お側メイド:「でもコワイよー」「ひーっ」
そこは体育館の屋根の上だった。

体育館の中、太郎に注目する女子生徒二人。
女子生徒A:「あっいたいた」
女子生徒B:「アイツが転校生の花右京ね… スポーツはどうかしら」

目ざとく女子生徒の視線を察する三小田と不安げな太郎。その頭上、体育館の屋根の構造部分にしがみつくお側メイド達。太郎を見ている。
三小田:「ホレ花右京!女子が注目しとるでー」
太郎:「そんなコトいっても僕 運動苦手なんだよ」

「ツー」
お側メイド達は太郎をサポートするための爪の付いたワイヤーを垂らす。
「カチン」
ワイヤーを太郎のハーフパンツに爪で装着する。ゼッケン6番を付けた太郎、気付いていない。
お側メイド、準備完了して親指を立てほくそ笑む。
お側メイド:「ニッ」

バスケの試合開始。太郎は俊敏な動きで男子生徒一人をドリブルでかわす。それを見て感心する三小田。
男子生徒:「!」
三小田:「おっ なかなかやるやんけー」

ゴール前、太郎はシュートの体勢に入る。その時、掛声と共に太郎に付けたワイヤーを力一杯引っ張るお側メイド達。
お側メイド:「今よ!!」
お側メイド達:「うんせ!!」

次の瞬間、太郎の足が床から離れた。驚く太郎。
宙に浮いたままの姿勢でボールを持った太郎がゴールへ吸い寄せられる。太郎、軽いパニック。
太郎:「ひっ」
男子生徒:「!」
太郎:「わーっ」

太郎は豪快に左手でダンクシュートを決める。
太郎:「えっ!?」 
女子生徒A&B「………(ポカーン)」

スルスル、ストンと床に下ろされる太郎。

生徒達の歓声が聞こえた時、お側メイド達は体育館の屋根の上肩で息をしている。
お側メイド達:「はあ」「はあ」

太郎の跳躍力を見たバスケ部とバレー部の部員が太郎を入部させようと勧誘に来る一方で今の出来事を訝しがる太郎。
男子生徒A:「はっ…はっ花右京君…ぜひバスケ部に」
男子生徒B:「いやいや バレー部に来てくれっ!」
太郎:「僕 こんなにジャンプ力あったっけ?」

その後も太郎はお側メイド達のサポートでシュートを決める。太郎は明らかに不自然な感じで宙に浮かんでいる。それを見ている三小田と相手チームの男子生徒。
太郎:「…………」 
三小田:「カッパーフィールドみたいやのー」

重労働の連続で体力の限界に達したお側メイド達は屋根の上、息を切らしている。
お側メイド達:「どうして人力なの?」「そうしないと今回出番がなかったもん!!」
体育での太郎の活躍を見た女子生徒二人が彼の元に寄ってくる。その目は憧れの眼差し。その突然の申し出に困惑する太郎。
女子生徒B:「花右京君ってすごいんだね」
女子生徒A:「私 感動しちゃった」
女子生徒B:「私 花右京君のファンになってもイイ?」
太郎:「えーっ」

それを見て囃す三小田。
三小田:「なんやモテモテやのー コノコノ」
太郎:「やっ やめろよ!」

改めて今日の出来事全てをを疑う太郎と、何故かよろこんでいる三小田。
太郎:「(やっぱり何かおかしい…)」
三小田:「ワシ親友やし」
任務も終了し引き上げを指示するマリエルに、シンシアは緊急事態を報告。
マリエル:「そろそろ下校時間ね 気づかれないうちにお屋敷にもどりましょう」
シンシア:「大変です 太郎様を見失いました」
マリエル:「まあ…どこに行かれたのかしら…」

ヘリのドアを開けて太郎が顔を覗かせる。その表情は明らかに怒っている。
太郎:「僕はここだよ マリエル!!」
マリエル:「た…太郎様!!」

警備部メイドがヘリの周りを警戒する中、機内では太郎が怒っている。
太郎:「おかしいと思ったんだ」

並んで太郎に説教されるマリエル、イクヨ、シンシア。しょんぼりするマリエルとイクヨとは対照的にシンシアだけは指をくわえてよそ見。
太郎:「まったくもう君達は!!」

ひとしきり怒り、気持ちが落ち着いたのか彼女らを許し、太郎は帰宅を促す。
太郎:「みんな家に帰るよ!」

許されたことでマリエルは嬉しそう。続けて太郎は少し照れながら話す。
マリエル:「それでは私どもをゆるして下さるのですか?」
太郎:「…ちょっぴり感謝してるよ 登校初日から人気者になれたし なんか女の子にもモテたしねェ…」

汗だくでクタクタに疲れているお側メイド達を労う太郎。お側メイド達、優しい言葉を掛けてくれた太郎をうっとり見ている。そして彼を取り囲みもみくちゃに。
太郎:「君達もね サンキュー」
お側メイド:「あっ」
太郎:「でも これで最後にしてよっ! あんなのフェアじゃないからね!」
お側メイド達:「太郎様大好きー」

機内であばれているのか、屋敷へ向かう双発のヘリコプターがグラグラ大きく揺れている。
太郎:「わーッあぶないからやめろ〜」

 
第2話「太郎の学校!!」 完

 

制作協力/もりしげる研究所 海猫 明さん
Akira-san


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