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第1巻

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第1話 「ご主人様…!?」
 
(花右京太郎ナレーション)
母さんが死んだ
独りになった僕は東京にいるというジイサンを訪ねることになった

深い森林の中を学生服を着た少年、花右京太郎が歩いている。
太郎:「はっ ひっ 本当にココ東京かよ?」

太郎、立ち止まり肩で息をしている。
太郎:「こんな山奥に住んでるなんて? ジイサンて人はどんな暮らししてるんだよ」
「ヘェ ヘェ ふぅ〜 やっと平地だァ」

目の前に巨大な屋敷が現れる。それを見て驚く太郎。
太郎:「なっ 何だこりゃ〜!?」

さらに太郎の目前、ずらりと並んだメイド達が頭を下げる。彼は胸元やスカートから覗く下着が気になる。
太郎:「こっ これは!? こっこれはまた」
メイド達:「お待ちしておりました御主人様ァ〜」

走りよってきたメイドにいきなりファーストキス奪われ動揺する太郎。
太郎:「なっ 何ですかいきなりィ〜っ」
メイド達:「花右京家のしきたりでございます」「ということでー」「私も〜」「私もォ」
太郎:「ちょっと待って!! 花右京家って何を言ってるん…」
マリエル:「みなさん お待ちなさい!! 御主人様がお困りではありませんか!!」

メイド長マリエルが出てきてメイド達を一喝。そして、太郎に挨拶。
マリエル:「お待ちしておりました 花右京太郎様でいらっしゃいますね」

舌打ちしながら太郎から離れるメイド達。
メイド達:「チッ」
マリエル:「私 花右京家のメイドでマリエルと申します」
太郎:「……てことは やはりここはじいさんの家?」
マリエル:「左様でございます」
太郎:「えーっ!!」
マリエルに連れられ屋敷内の回廊を歩く太郎。
太郎:「すごいお屋敷だねー」
マリエル:「先代のご趣味ですわ 御主人様…」
太郎:「さっきからどうして僕のこと御主人様って?」
マリエル:「現花右京家当主は今日からあなた様… 花右京太郎様でございます!」
太郎:「はっ!? ウソ?」
マリエル:「本当ですわ」
太郎:「とにかくジイサンに合わせてくれーっ」

屋敷内の一室に通される太郎。巨大モニタが設置されている。
マリエル:「先代はただいま留守にしております こちらに……」
太郎:「ビデオ?」

マリエルがリモコンを操作すると巨大モニタに映像が写し出される。太郎は固唾を飲んでそれを見ている。
画面に彼の祖父、花右京北斎がアロハ姿でお付きの女性と共に現れる。
北斎:「おおっ太郎!! よく来てくれたのォ〜 ワシがお前のジイサンじゃ!!」
太郎:「へ?」
北斎:「それにしてもココはいいぞー まさに天国じゃ」「ハハハッ こりゃやめんか!! くすぐったい…」
太郎:「何だこのエロジジィは?」
北斎:「お前がいることは分かっておった! ワシの娘はロクデナシの絵描きにホレてここを飛び出して行ったがのォ…」
「じゃが籍を入れなかったことだけはエライ! この花右京北斎・ワシの孫を残してくれたからのォ〜」
「ワシの孫… 太郎よ… お前が来るのを待っておったぞ!」

映像の中でさらに続ける北斎
北斎:「ワシはのォ… お前の母親からは嫌われておったがのォ… ワシは遊び好きなだけなんじゃ!」
「こっちで楽しく余生を送ると決めたんじゃ! …というわけで花右京家の家督はお前にゆずるから後はよろしく頼むぞ!」
太郎:「かっ… 勝手なコト」
北斎:「それともう一つ… このテープは自動的に消滅する」
太郎:「はあ?」

部屋の中で爆発が起き、窓が吹き飛ぶ。ススにまみれる太郎とマリエル。
太郎:「ゲホッ なんとまあ古典的な…」
マリエル:「先代のご趣味ですわ… ホホホ」
家督をゆずると言われ気が重い太郎。屋敷内のトイレへ入り用を足そうとする。
太郎:「はあ〜 まいったなあ… それにしてもトイレまでこんなに広いのかよ」
「家督をゆずるっていわれてもなあ〜… ?」

太郎がドアの開く気配を感じた次の瞬間、メイドがトイレに入ってきて彼のズボンのジッパーを下ろそうとする。
太郎:「!!! 何するんですかー!?」
メイド:「先代にはこうしておりました」
太郎:「ひー あんなエロジジイと一緒にすんなあ!!!」
メイド:「おとなしくなさってください」
太郎:「やめてよ!!! 出ちゃう出ちゃうよー!!! わー」

股間を濡らす太郎。ショックを受ける。
太郎:「このトシでおもらしー」
太郎は巨大な風呂につかりくつろいでいる。
太郎:「ふぃ〜 ヒドイ目にあった… しかしデッカイ風呂だなあー これじゃプールだよ ん?」

湯舟に異変を感じた太郎の目の前に、裸のメイド達が湯の中から現れる。
太郎:「うわーっ」
メイド:「御主人様 背中をお流しいたします」
太郎:「え!?」

背後から迫られ、もがく太郎。
太郎:「いいですよ 自分で洗います」
メイド:「いけません!」
太郎:「やめろー」
メイド:「石鹸を泡だててと さあ 洗いましょうねっ」
太郎:「やめてくれー」
メイド:「御主人様いけません じっとしていてください」
太郎:「ひいっ さっきから君達はいったい何なんだ!?」

ずらりと居並ぶメイド達。
メイド達:「申し遅れました 私達 今日から御主人様のお世話をさせていただく… 花右京メイド隊 お側御用大隊です よろしくお願いいたします 御主人様…」
太郎:「だーっ」
用意された高級そうな部屋着に着替えた太郎。当主専用の食堂で夕食をとることに。
マリエル:「お湯加減はいかがでしたか?」
太郎:「柔らかかったような 気持ち良かったような…」
太郎の答えにマリエル、首を傾げる。
マリエル:「御主人様 お食事の用意が出来ております」

テーブルの上には大量の料理が並んでいる。
太郎:「食事ってコレ全部 僕が食べるの?」
マリエル:「はい」
太郎:「まあ いいか いただきまーす」
お側メイド:「お待ちください!!」

驚いて吹き出す太郎。
太郎:「ぶっ またですか?」
お側メイド:「私どもがお手伝いさせていただきます!!」

太郎の口に料理を入れようとするお側メイド。
お側メイド:「はい 御主人様 はい アーン」
太郎:「いっ いいですよ 自分で食べますから……」
お側メイド:「御当主たるもの 自らハシをとるなど許されません」
太郎:「そんなムチャクチャなー」
お側メイド:「ご遠慮なさらず どんどん食べてくださいマセ!!」
太郎:「ひえーっ」
無理矢理、大量の料理を食べさせられた太郎がパジャマに着替えて寝室のベッドに横になっている。
太郎:「ゲフッ まったくとんでもない一日だった… それにしてもジイサンといい メイド隊といい なんなんだこの家は…!?」

太郎、回想シーン。病床の母親の手を握っている。
太郎の母:「太郎…… おじい様のところに行きなさい」

太郎の頭の中に花右京家のイメージが現れる。 それはほとんど“悪の帝国”。
太郎:「(僕がこんな家の御主人だなんて…… バカバカしい! こんなこと母さんは望んでいなかったはずだ ?)」

太郎は不穏な気配を感じる。足下の布団が動く。
太郎:「(なっ 何だ!? ま また……)」
お側メイド:「御主人様」
太郎:「やっぱり!!」
お側メイド:「私がお布団を温めてさし上げますわ」「私が…」「いえ 私が…」
太郎:「わあ〜 やめてくれよーッ」
お側メイド:「御主人様ー」

寝室を飛び出し、お側御用大隊のメイドから逃げる太郎。
太郎:「おちおち 寝てもいられないよ やっぱりどこか変だよ この屋敷は〜」
お側メイド:「何でお逃げになるんですか〜!?」
太郎:「そこだ!」

太郎はある一室のドアを開けて、そこに逃げるように入る。部屋の中ではマリエルが編み物をしていた。
太郎:「まっ マリエルさん!」
マリエル:「御主人様…」
太郎:「ハハハ 僕 ワケわかんないよ〜」
マリエル:「どうなさいました?」
マリエル、太郎にお茶をいれ、彼の話を聞いている。
マリエル:「そうですか……」
太郎:「落ち着いて寝てもいられないんだよ なんとかならないかなあ」
マリエル:「御主人様… 彼女達は御主人様に良かれと思い そのように行動しているのです 花右京家のメイドとして有能である… そのように御理解していただけないでしょうか!?」
太郎:「マリエルさん! 僕はここの… 御主人だなんて決めちゃいないよォ〜!!」
マリエル:「御主人様! 私のコトはマリエルとお呼びください」
太郎:「そうそう そのコトなんだけどさあ… それなら僕のコトも太郎って呼んでよ! マリエル ねっ!」
マリエル:「ですが 御主人様…」
太郎:「た・ろ・う OK!?」
マリエル:「はい… 太郎様…」
太郎:「た・ろ・う! 分かったね た・ろ・う ふう〜 今日はとにかく疲れたよ…」

太郎、安心したのか急に睡魔に襲われ、椅子から落ちる。
マリエル:「太郎様っ!!」
太郎:「クカー」

眠る太郎を優しく見つめるマリエル。太郎はマリエルの膝の上、静かに寝息をたてている。
マリエル:「………… 太郎様…」
翌朝、太郎を追いかけるお側御用大隊の姿があった。
お側御用大隊:「御主人様ーっ」

(太郎ナレーション)
何だかわからないまま こうして 僕と彼女たちとの日々が始まったのである

第1話「ご主人様…!?」 完


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