The Word of Poropose

 

第7話「亜空間脱走」

バッフ宇宙母艦戦闘訓練室

スクリーンに細い光が走る。  それが次々と破裂する。 走る光をめがけて射撃訓練をしているバッフ兵達。 みつめるダミド

ダ「ナンバー1、2、7、23、38、51、以上人の者、来い!」  サッと集まる兵士5人

ダ「お前たち5人をロゴ・ダウ前衛攻撃部隊に任命する。すぐに出撃準備にかかれ」

5人「はい」  声「ダミドさま」 振り向くダミド ビラスが来る

ビ「お待ち下さい!」 ダ「なんだ?」

ビ「ギジェ様がロゴ・ダウの異星人に、休戦の為の通信をしています」

ダ「なに?!」 ビ「出撃はしばしお待ち下さいとのことです」

ダ「アバデデ様は承知の上なのか?」 ビ「は、はい、そのようで・・・・・・」

ダ「ええい、何ということだ!(5人に)構わん、すぐに出撃できるようにしておけ!」

 

メイフラワ号メインブリッジ

ベ「・・・・・・コンタクトは中止だ」 ベスを見る一同

ベ「カララを渡そうと渡すまいと、奴らは俺たちを襲うに違いない!」

カ「(瞳を輝かし)闘うのね」

コ「女の子は引っ込んでな」

カ「なんですって!女の子はどうして引っ込んでなくちゃいけないのよ」

コ「足手まといになるからだ」  カーシャ、コスモをキッと見据えて

カ「だったら、どっちが敵を沢山倒せるか競争してみる?!」

コ「始めから分かってる勝負をしてもつまらないね」  カ「まぁ、言ったわね」

ベ「二人ともやめないか! 俺たちは異星人とは闘わない」 えっとなるカーシャとコスモ

 

メイフラワ号ブリッジ  通信コンピュータが作動している

シ「アンドロメダ星雲、地球最前線基地、応答願います。 応答願います」

ベ「シェリル、やめないか?」

シ「何故?あなたはメイフラワ号に乗る多くの人々の事を考えないの?」

ベ「考えている。 だからこそ、やめろと言っているんだ」

シ「あなたは軍人、異星人が来たら闘えばいい。メイフラワの安全は私が守ります。

  指揮は私が取ります」 尚も通信するシェリル

 

バッフ軍来襲 イデオンメカコクピット

カ「コスモ、どっちが敵機を多く打ち落とすか競争よ!」 操縦桿を作動する

モニターにコスモが映る 

コ「受けて立つぜ!」  

ベ「二人とも意気がるな!調子に乗るとやられるぞ!」

 

ガタマン・ザン司令室

「なに?!」と振り向くアバデデ

ア「亜空関ドライブしただと?!」

ギ「はい、ただ今、連絡が入りました」

にやりと笑うアバデデ「ギジェ、ダミドとの先陣争い、優位に立ったようだな」

ギ「はい」

ア「ダミドが戻る前に亜空関ドライブの出来る体制に入れ」

ギ「デス・ファイターで異星人を必ず壊滅させます(行こうとする)」

ア「待て」 立ち止まるギジェ

ア「出撃する前に聞いておきたいことがある」  ギ「?!」

ア「カララ様を救う気があるか、ないかだ」

ギ「まずは異星人を倒すことが先決!そうとしか答えられません」

ア「俺がお前を見こんでいること、忘れるなよ」  ギ「はい」

 

メイフラワ号廊下

ベ「そのダーモグラフをどうするんだ?

軍人「カララに使うのです」  ベ「なに?」

シ「私が運ばせたのよ」と、シェリルが来る。

シ「カララが何のために私たちの所に潜り込んで来たのか、ベスは知りたくない?」

ベ「しかし・・・・・」  シ「危険を犯して異星人とコンタクトをとらなくても、

  身近に貴重なサンプルがあることを忘れていたわ」

「俺は反対だ」と声  一同振り向くとコスモ。

コ「カララが同じ皮膚をしているのかどうか、まだ確実に分かった訳ではない」

シ「それがどうだと言うの?」

コ「ダーモグラフの電気で皮膚障害、いや、万一死んだらどうする気だ?」

シ「皮膚は殆ど人間型です。それに電気は弱いわ、心配無い筈よ」

カ「異星人がどんな性格しているのか、わかるわ、面白そうね」

シ「どのような文化を送っているのか、私が解読してみせる」

コ「ベス、どうする?」

ベ「俺が躊躇っている理由は他にもある」

シ「えっ、何?!」

ベ「もしもカララたち種族が凶悪な生物だというデータの出た時だ」

シ「それが何か?」

ベ「その時、皆はどうする気だ?」 顔を見合す一同

ベ「シェリル?!」  シ「その時は、その時になってみないと分からないわ」

ベス、カーシャを見る  カ「(答えられない)・・・・・・」

ベ「結果を予測する事も出来ないで、ダーモグラフを使うことは控えるべきだ」

シ「ダーモグラフの検査を始めから予測出来る人などいないわ。 

  カララの深層心理を調べることは私たちにとって、今、大切なことよ、私はやるわ」

カ「私も賛成する」 シ「反対の人は?」

コ「俺は今は反対だ」  シ「一人だけ?」

その場を立ち去るベス

 

デスファイターコクピット内

ナブロ「ギジェ様、中性子ミサイル500発、発射完了致しました」

ギ「ナブロ、この闘いで失うものは大きいぞ!」

ナ「ギジェ様、もう躊躇いは無いはず」  ギ「ナブロ!」

ナ「ザラル一族がハングの武人にのし上がれる時です。 ご決断を」

ギ「うむ」と頷く

兵士A「K3、R15の地点にロゴ・ダウの宇宙船を発見!」

「なに?!」と緊張するギジェ

 

亜空関

迫り来るデス・ファイター  飛び立つイデオン。  両者激突

デスファイターがパンチで殴る。  のけぞるイデオン。

コクピット横になる  カ「コスモ、何やってるのよ!」

逆さのコクピット内  コ「お前が1歩下がれば殴られずにすんだんだ!」

モニターに映るベス ベ「能書きはいい、体勢を早く戻せ!」

 

巨大な槍を突き立てるデス・ファイター 横転しながら避けるイデオン

一瞬体勢を入れ替えて、パンチを浴びせる。 のけぞるデス・ファイター

コ「今だ!エナジー・ニードル発射!」

イデオンからニードルが発射。  デスファイターの右肩に命中し、炸裂する

一瞬猛スピードで飛びのくデス・ファイター

 

デス・ファイターコクピット

驚愕するギジェ

ギ「イデオンが亜空間でこれほどの力を発揮するとは思わなかった。

  ええい、ひるむな、ニュートロン・ミサイルで徹底的に攻撃しろ!」

 

メイフラワ号メインブリッジ

ヒート、カプセル砲、発射!」

防戦する軍人たち。  モニターに映るベス

ベ「ジョリバ、ジョリバ!」  振り向くジョリバ

ベ「武器の数は?」  ジ「駄目だ。 敵のニュートロンミサイルにはとても歯が立たない」

 

亜空関

猛スピードで飛ぶイデオンと、メイフラワ号   追うデス・ファイター編隊

逃げながらイデオンがメイフラワにドッキングしていく

 

メイフラワ号・廊下

パイパー・ルウの激しい泣き声が聞こえている。 

駆け込んで来るベス、コスモ、カーシャ  迎えるジョリバ、ベント、シェリル

ベ「このままでは逃げ切れない。すぐにDSドライブを停止しろ!」

シ「無理なことばかり言わないで! 現在位置が全く分からない状態なのよ」

ベ「構わん、異星人に殺されるより、ましだ!」

 

小惑星ザウル星

砂塵を巻き上げて降下してくるメイフラワ号

美しい森と湖が点在する。  うっそうたるジャングル。

一瞬その中から、姿を現す巨大な恐龍。 不気味に咆哮を発す。

着陸するメイフラワ号。

(つづく)

 

 

第8話「対決・大砂塵」

グラム・ザン ラウンジ

ダミド、ワインをグラスに注ぐとアバデデに差し出して

ダ「これで鬼に金棒だ。あんな異星人ども、軽くひねり潰してやれますよ!」

ア「・・・・・・・」

 

草原  着陸しているメイフラワ

シェリル、図面を手にしているジョリバに

シ「もっと修理作業のピッチを上げて頂戴。いつ又、敵が襲ってくるか分からないのよ!」

ジ「しかし、戦闘が終わって休む間もなく修理で、全員疲れが・・・」

シ「言い訳は無用よ。さ、急がせて!」

ジョリバ憮然として離れると、修理する兵士達に、

ジ「急げ!モタモタするな!」

 

同格納庫

Aメカ、Bメカ、Cメカを修理点検するコスモ達

コ「まいるな、シェリルにも!こっちがちゃんとやっているのに、またハッパかけるんだから!」

カ「鬼のいぬ間の洗濯。文句云わないの」

コ「でもこっちはクタクタだぜ」

カ「疲れているのはお互い様よ。もっとも、一人だけ違う人もいるけど」

といい目をやる。  その方向、出入り口の所でベスを眺めているカララ

カ「何よ、ベスに色目なんか使っちゃって・・・あの女のお陰で、大勢の人間の命が失われたのに、

  どういうつもりかしらね!」

コ「・・・・・」

一方ベス、カララを一瞥するが仕事を続ける

 

 

同子供部屋

お人形遊びをしていたファード、入るロッタを見て慌てて人形を隠し教科書に向かう

ロ「ファード、あなた本当にデク達の居所を知らないの?」

フ「うん・・・・・」

ロ「もしかして、探検か何かに出かけたんじゃないでしょうね?」

フ「ボク、知らないよ!デクに、喋っちゃいけないって言われているんだよ!」

ロ「!・・・・そう、それならいいのよ。自習していなさいね」

ファードの頭を撫でると、急ぎ足で出るロッタ

 

恐竜の赤ちゃんを見つけた二人

アーシュラ赤ん坊恐竜に近寄り、頭を撫でてやる

首をすりよせる赤ん坊恐竜。  デク、背中に乗ると

デ「こりゃラクチンだ」

ア「あたしも!」

二人を乗せて歩く赤ん坊恐竜。  愉しそうに笑う二人

と、その時崖の下から、剣龍を追い払った首長龍が戻ってくる

 

森の外れ 暴走する恐竜の群がコスモ達に向かってくる

恐竜たち、再び暴走を始める。

Aメカ、懸命の威嚇射撃!

数頭の恐竜、デク達の隠れた岩の間近を通る

生きた心地のしないデクとアーシュラ

Aメカ、更に威嚇射撃

恐竜達、岩陰を外れて雪崩のごとく走り去る。

コスモ、ホッとなるとAメカを森の方向へ

と、森の木立の中から、ヌッと現れる重機動メカ

コ「ベス、妙な形のメカが現れたぜ! 現在位置ポイントK3」

 

重機動メカ内部

ーモニターにダミドが映っている

ダ「異星人のメカだな!」  ギ「うむ!」

ダ「やるか?!」  

ギ「いや、俺にまかせろ。  重機動メカの威力を試すいい機会だ」

ダ「じゃ、こっちは高見の見物とシャレ込むか」

 

<中CM>

コポラコクピット

ダ「ギジェの奴、生身の体で決着を付けたほうが早いと見たな。

  それにしても大した奴だ・・・・」

部下「さすが、ドバ様に認められた武人だけのことはありますな」

ダ「まあな」

 

森の外れ

ギ「!・・・・・・お前が操縦していたのか」

コ「卑怯者!子供を人質に取るなんて!」

ギ「こうでもしなければ、そっちが降りてこないと思ってな・・・・

  しかし相手がお前では決闘するわけにもいかん」

コ「決闘?!」

ギ「うむ、闘いの決着をつけるには、その方が早いと思ってな」

コ「!・・・・いい共、受けて立つぜ!」

ギ「いや、こっちが断る。子供相手では話にならん」

コ「なにを!ボクの星じゃ、僕の年齢になれば、立派な大人だぞ!」

ギ「ハハハ、無理するな」

 

ベスとギジェの対決を見て

眺めるダミドと部下達

ダ「あの男を倒せるなら、ギジェも大した男だ」

そうつぶやくと、きっと顔を上げて

ダ「しかし、こっちにとっては敵の母船を叩くいいチャンスだ。 出動!」

部「でも、我々の任務はギジェ様を援護することでは?・・・・」

ダ「フッ、アバデデ様のエコ贔屓に一々付き合っていられるか!

  手柄を立てればハルル様に認めていただけるぞ。 さ、急げ!」

部「分かりました!」

 

森の外れ

ギジェ思わず気を取られる  その一瞬!

ベスの鋭い切っ先、ギジェの右腕を掠める

ウッとナイフを落とす、ギジェ。その右腕の服の裂け目から血が流れる

ベ「もう一度、捕虜になるか、それともいさぎ良く死を選ぶか・・・」

ギ「俺は武人だ。あくまで闘う!」

と言い捨てて見を翻すと重機動メカに向かって走っていく

重機動メカに乗りこむギジェ。  重機動メカ、屹立すると、向かってくる

ベ「あの男、なかなかやるな」   微笑すると、Bメカにとび乗るベス。

ベ「コスモ、お前はそこで子守りでもしていろ」 Bメカダッシュ。

コ「なに云ってんだ!」 きっとなってAメカに飛び乗る。

Aメカ飛び立つ  デ「こりゃ、面白くなってきたぞ!」

目を輝かすデクとアーシュラ

 

ガタマン・ザン内部

ア「ダミド!重機動メカが攻撃を受けている。  引き返せ!・・・

  聞こえんのか、ダミド!」

コポラコクピット  -モニターに映るアバデデ

ア「引き返すのだ、ダミド!・・・」

だが、ダミド、答えずにスイッチを切ってしまう。

 

重機動メカ・内部

ギ「!・・・・・今度こそ必ず倒してみせるぞ!」

カッと見開く目。

森の外れ

重機動メカ、イデオンに向かっていく。  激闘!

だが、イデオンの怪力が重機動メカを粉砕する

炎に包まれた機体から、かろうじて脱出するギジェ

 

イデオン内部

カ「ベス、コスモ! あの男を踏み潰すのよ!」

ベ、コ「--------」

カ「どうしたのよ、二人共!ね?!」

ベ「奴は武人だ。  どうせ死ぬのなら、武人らしく死なせてやりたい」

カ「そんな!・・・・・」

 

森の外れ

飛来したコポラ、ギジェの頭上に停止    乗っているアバデデ

素早くマジックハンドが降りてきてギジェを収容する

 

イデオン内部

ホッと息をつくベス。  そしてコスモ

だが、カーシャの顔は激しい怒りに燃えている。

 

<つづく>