水族館のススメ
なんだかんだ言っても、やっぱりクジラやイルカが好きなのサ!

初めてイルカやクジラを見た頃を思い出して欲しい。
イルカ達は力強く泳ぎ、ジャンプする・・・人間に対してとても友好的な生き物。イルカが大好きになってしまった人はきっと水族館に足を運ぶ事でしょう。そこでは実際に彼らの能力や知的な振る舞いなどを目で見て、音を聞いて、手で触れてみて・・・誰しもがイルカを今まで以上に好きになり、愛するでしょう?

イルカを愛してしまった人は皆こう思っています。
「彼らイルカにとって、この狭いプールで暮らす事は幸せなのだろうか・・」と。イルカ達を愛する人々は「水族館にはイルカは必要ない。一頭でも多くのイルカやクジラが自然の中で生きていれば良い」と訴えます。「好きだから水族館でイルカを見ていたい。でもプールは狭いし…」と思う人それぞれ。
どちらも正しいと思います。命を大切にする気持ちは無くしてはならないのですから。たとえ水族館や動物園を非難する声に変わってしまっても、「動物を愛する、命を大切に思う気持ちの為に」私は水族館を薦めたいのです。

では、仮に水族館からイルカやクジラが消えてしまったら。
そう、彼らを見る為には舟に乗り海に出るしか術は無く、時が経つに連れ「イルカ?クジラって何?」と口にする人が増えて行くでしょう。マグロの作は知っててもマグロを知らない人が居る様に。
古くなったイルカの図鑑や写真を見て「彼らを好きになる人が居るでしょうか?」。やがて人々はイルカ・クジラを保護する理由すらも解らなくなり、誰も彼らを気にしなくなった頃、彼らイルカ・クジラは私たちの知らない海の何処かで絶滅するまで捕られてしまうでしょう。
捕鯨に関してIWC(国際捕鯨委員会)は多くの規制により、乱獲と絶滅からクジラを救いました。(救い切れなかった種類も居ますけど)では何故クジラが大切なのか、何故絶滅してしまうと推測出来たのでしょうか。
それは・・・捕鯨(調査捕鯨も含む)が有ったからだと言っても間違いは無いでしょう。
表現を換えると、捕鯨の際行われた調査が有って初めてクジラの事が解り、結果より多くのクジラが救われたのです。
イルカの保護についてはどうでしょう。
残念ながら日本を含む多くの国で、今も尚、食糧目的又は商業の為に多くのイルカが犠牲になっています。延々と流れる刺し網に絡まるイルカ、マグロを捕る際にマグロの上を泳ぐイルカごと捕獲してしまう巻き網。(世界で捕れるマグロの約30%が日本に輸入さてており、マグロ漁などの影響で年間10万頭以上のイルカが混獲死しています)・・・ですが漁師さんも死活問題がかかっています。網に入ってしまったイルカを逃がす手間をかけている漁師さんもおられますが、揺れる舟・波の音・滑るデッキ・ウインチで巻かれる太いワイヤー・・気を抜いたら死に繋がる事故が起きても不思議ではない状況で全てのイルカに気を配る事が出来ないのが現状の様です。
そんな漁の中に「イルカ保護」の訴えを割り込ませるにはそれなりの「納得できる理由とイルカを網から避ける技」が必要でしょう。
ではどこからその「納得する程の理由と技」を導きましょうか?
「水族館の様々なデータ」・・・このデータの解析と研究機関の協力による結果。つまり今考えられるイルカやクジラを解るための最短ではないかと私は思います。
水族館での様々なデーターは、推測ではない確かな理由と、網からイルカを救うべく方法の確立には最良とは言えないが最短。健在まで私たちが持っているイルカやクジラの行動様式や、生理、認知や知覚能力についての知識は、皆、飼育された個体から、若しくは漂着した個体から得たモノです。洋上での追跡調査では推測の域を越えるのは至難なのです。

悲しく思わないで下さい。
プールで飼育されるイルカは犠牲になっている訳ではありません、多くの人々にイルカを好きになって貰う、イルカを知るための研究データを採取したり、種の保存等の為なのです。もし水族館からイルカが消えてしまうとやがては彼らを愛する人、彼らを知る人、知る術も消えて無くなってしまうでしょう。
さてさて、ムズカシイ話は考えないで、イルカやクジラを見に水族館に行ってみませんか?友人や家族、恋人を誘って行ってみましょう!そしてもっともっとイルカ・クジラを好きになってみませんか?

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