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第14回バイオセラピィ学会学術集会総会

「癌免疫治療におけるパラメータと化学療法併用の意義」
〇宇野克明、筑丸志津子、細川丈志、生越喬二、幕内博康、東海大学医学部付属病院外科、医療法人財団コンフォート病院

【目的】悪性腫瘍の病態において、その進行・発病には担癌宿主の有する細胞性免疫機構が深く関与する事が知られ、これを応用した各種免疫治療が実施されている。 今回我々は進行胃癌症例を中心、に植物性多糖類をBRMとして応用した非特異的免疫治療を実施した。 その上で免疫学的パラメータの推移と予後の関係を調査し、望ましい治療法ならびに抗癌剤併用の影響を検討した。

【方法】平成11年2月より平成13年8月の期間に外来診療を行ったStage-IV胃癌432症例を検討対象とした。 非特異的免疫治療は希望者全員に実施し、初回受診時よりBRMとしてキノコ系植物性多糖類抽出物(AHCC)ならびに、ハーブ系植物性多糖類・アミノ酸複合体(D-12)の摂取を行った。 なお化学療法併用例は中止せず、両者併用による治療を継続した。 免疫学的パラメータの検討は末梢静脈・ヘパリンNa採血を行い、PHA刺激にもとづくThl関連サイトカイン(インターロイキン12(IL-12))産生能を測定した。 予後はKaplan-Meier法による累積生存検討を行った。

【成績】治療によって82%の症例に良好なThl関連サイトカイン(IL-12)産生能の上昇を認めた。 予後の検討ではIL-12産生能の上昇・維持可能例において、免疫治療を実施しない群に比較して有意な延命を認めた。引き続く非特異的免疫治療と化学療法併用群の検討では、Thl関連サイトカイン(IL-12)産生能上昇群において良好な予後延長が確認できた。

【総括】植物性多糖類をBRMとして応用する癌免疫治療において、適切なThl関連サイトカイン(IL-12)産生能の上昇・維持が重要であると示唆された。 なお化学療法の実施に際してはIL-12産生能の測定を行い、その産生能改善の良否が治療予後推測に意義あることと考えられた。

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