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第9回 日本消化器関連学会

「Th1関連サイトカインと抗癌剤併用を因子とした消化器癌・免疫治療例の予後検討」
〇宇野 克明、東海大・外科、医療法人財団コンフォート病院

【目的】各種癌における発生と進展には担癌宿主の細胞性免疫機構が深く関与することが知られ、特に抗腫瘍効果を有するTh1関連サイトカインに注目が集まっている。 今回我々は免疫治療を実施した消化器癌患者の治療方針選択手段を検索する目的でTh1関連サイトカイン値ならびに抗癌剤併用の有無を因子とした予後検討を行った。

【方法】平成11年2月より平成13年3月の期間に非特異的免疫治療を実施したStage-4消化器癌(胃癌・結腸癌)患者188名を検討対象とした。 全例とも初回受診時より植物性多糖類抽出物(AHCCおよびD-12)をBRMとして利用した非特異的免疫治療を開始し、治療開始後2ヶ月時点での末梢静脈・ヘパリンNa採血を実施した。 検討項目はPHA刺激にもとづくTh1関連サイトカイン(インターロイキン12(IL-12))産生能である。 予後検討はKaplan-Meier法によって行った。

【成績】両癌腫における予後検討では、非特異的免疫治療に反応してIL-12産生能の上昇を認めた群で延命期間に優位な向上を認めた。 抗癌剤因子追加ではIL-12産生能の良好群でさらなる延命期間の延長を認め、同、不良群での延命期間に短縮を認めた。

【結論】非特異的免疫治療においてIL-12の産生能向上が予後延長に寄与する因子であることが確認された。 また抗癌剤併用に際するIL-12産生能の事前測定は予後延長の方針選択に有用であることが示唆された。

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