第2回 日本代替医療学会学術集会
P22
「化学発癌に対するAHCCとPMPの相乗効果」
孫歩祥、向田朋美、◯石黒綾、小砂憲一ら 潟Aミノアップ化学 生物化学研究室
【目的】AHCCは免疫賦活剤として癌治療によく使用されている。
一方、PMPはin vitro及びin vivoで抗酸化作用を示すことが確認されている。最近、発癌抑制における抗酸化物質の役割は
重要なものとして認識されている。そこで、PMPとAHCCの癌予防に対する相乗効果が
期待されるため、化学発癌モデルを用いてその作用を検討した。
【方法】雄6週令ddyマウスにAHCC(1%)、PMP(1%)もしくはAHCC
プラスPMPを飲水に溶解し、実験終了日まで毎日自由摂取させた。発癌剤の投与:イニシエーターDMBAを200nM/マウスの量で
脱毛したマウスの背部に1回塗布投与し、プロモーターTPAをDMBA投与後の10日目週2回、投与量は前半5nM、後半10nM/マウス回で
計18週間投与した。
【成績】実験終了した時点で、コントロール、AHCC、PMP、AHCC+PMP
群の腫瘍発生率はそれぞれ11/11、9/9、9/10、5/10であった。コントロール群と比べてAHCC+PMP
群は腫瘍の発生率が著しく減少していた。平均腫瘍数はそれぞれ30.4、15.0、12.7、5.2/マウスであった。
いずれのサンプル投与群においてもコントロール群より有意に減少していた。また、AHCC+PMP
の併用投与群はそれぞれの単独投与群よりも有意に減少し、2つのサンプルの相乗効果が確認された。腫瘍の重量においても、
サンプル投与群のいずrめおコントロール群より明らかに有意な抑制効果が認められた。AHCC+PMP
を投与した真皮には細胞の浸潤、特にリンパ球浸潤が特徴的な変化であった。
【結論】DMBAとTPAのマウス皮膚2段階発癌試験における腫瘍の生成は、主な、メカニズムとして、DMBAは細胞のDNAに多量な付加物を
生成させ、遺伝的に変異を引き起す。一方、TPAは、H2O2の産生を促進により、マウス皮膚の炎症を起こして、変異した細胞の
癌化を導く。この連鎖反応のの中で、ひとつの段階が遮断されると癌化の進行が阻害されて、癌の発生率、発生数が抑制される。
AHCCとPMPはそれぞれDMBAとTPAの作用を阻害することを見出した。
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