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第34回 日本肝癌研究会

「肝細胞癌術後補助療法としてのAHCC投与が予後に及ぼす影響」
関西医科大学第1外科、アミノアップ化学ら

【目的】近年、癌治療のひとつにBRMが注目され、OK-432,インターロイキン-12,PSKなど様々な物質が開発されているが、 その臨床的効果は必ずしも十分ではない。今回我々は、数種類のキノコの菌糸体から抽出された植物性多糖類、 AHCCをBRMとして着目し、これを、肝癌術後補助療法に使用し、再発率、 生存率に有意な改善を認めたため報告する。

【方法】対象は1992年2月から現在までの当科における肝切除症例で、組織学的に肝細胞癌の診断がつき、肉眼的に治癒切除できた 141例の内、術死2例、入院死6例、異時性同時性重複癌6例、外来経過観察脱落例4例の計18例を除く123例である。 術後経口摂取開始と同時に、AHCC1日3g経口投与を開始した43例を AHCC群、AHCCを投与していない80例をControl群とし retrospectiveな検討を行った。

【結果】背景因子として年齢、性差、肝機能、飲酒量、術前腫瘍マーカー、肝炎ウィルス、術前治療、病期、腫瘍径、腫瘍数、 組織学的分化度、根治度、切除量、出血量、輸血量、手術時間、術後在院期間、術後合併症、再発後治療は量群間で有意差が認められなかった。 これに対し手術後約1年の腫瘍マーカー(AFP,PIVKAU)がAHCC群で有意に低値を示し(p<0.05、p<0.005)、 無再発生存率、生存率ともにAHCC群が有意に良好であった(p<0.05、p<0.05)。 術後1年および2年の生存率はControl群がそれぞれ83%、74%に対し、AHCC群は97%、92%であった。 さらにControl群の内、再発確認後AHCC投与を開始された症例が17例あり、この再発後投与群と、 再発後もAHCCを投与していない38例(再発後非投与群)を比較した結果、生存率は再発後投与群が 再発後非投与群比べ有意に良好であった(p<0.001)。術後2年および3年の生存率は再発後非投与群がそれぞれ63%、40%に対し、 再発後投与群は88%、75%であった。

【結論】これらの結果は肝細胞癌術後AHCC投与が再発を抑制し、生存率の改善につながる可能性を 示唆している。

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