マリノアハウス 3年2組

ハシェックのお勉強 その1

(紐付き脚側行進の巻)


今日は晴れ! 梅雨の合間の貴重な訓練の日だ・・・
ボクの担当の先生は、お父さんではありません。もちろん、
お母さんでもありません。まだ見習いの若いお兄さん、T実
習生です。



この実習生がまたトロいんです。
ボクの早い動きについてこれなくて、なかなかお勉強が
進みません。もっと上手に教えてくれたら、ボクだってす
ぐにもロデム兄貴に近づけるのになー・・・・・・

体力勝負では、いつもボクが勝つんだけど・・・・
おつむの方となると、これはまだまだ、兄貴に百歩ゆず
るというところなんです。だからお父さんに教わりたいの
だけど、ボクはT実習生の教材犬

お勉強は毎回、授業参観の日(お父さんが見に来る)な
ので、T実習生は緊張の為か、体が堅くなりっぱなしです。

『つがうべや!。ここはこうすんだべなー、何回同ずこと言わせんのしゃ!』
とお父さんの声がむなしく響く。
『ちがうでしょー!。 ここはこうでしょうー、何回同じことをいわせるの  !』
(おことわり・・・実際は仙台弁を使っていません。誤解しないでね)

T先生を一人前のプロに育てるという、父の責任感をひしと
感じながら、ボクはT実習生に、「こんなやり方もあるよ!」、
「こうしてもらいたいな!」と遠回しにボディアクションをして
みせるんだけれど、わかってくれてるのかなー?



ボクがお勉強している横で、ロデム兄貴が、
「ケッ!、ドンくさい訓練やなァー ほないなやり方してたら
アンさん、基本だけで10年もかかりまんがな!。アカン、
アカン見てるだけでえろう疲れてまうがなー」とT実習生と
ボクにキッー イヤミ。
でも、確かにそれはロデム兄貴の言うとおり、ボクもチョット
不安な毎日です。

「明日も晴れますように・・・・・・・・・・・・・」



今日は曇り空、絶好の勉強日和
なんだか難しそうな【紐付脚側行進】というものをお勉強する
んだって。



T実習生、お父さんから色々教わっていました。さて、実地
教習に入りました。
一緒に歩くことを学ぶのだけれど、ボクはお父さんの所に近
づくとどうしても行きたくなって、リードをピンと張ってしまい
ます。
すかさずお父さんの声 『ほら、リーダーウォークだべや!』
あわててT実習生、リードを引く。
ボクの首輪に力がかかる。

『ナナメ歩きさせんなー、犬が離れでっとー、前に出すなー、
「アトエ」かげろー』とお父さん。
『おめーなー訓練すっとき大事な事なんだー?』
『あなた、訓練にあたって大事なことは何ですか?』
『犬との親和だべっちゃ』
『犬との親和でしょう』
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突然ですが、ここからお父さんの仙台弁を使わないでお話を進めます。
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と言うわけで、ボクはT実習生の所へ、親和をきずくため、
お泊まり保育(強化合宿)が始まりました。
さみしいけれど、一週間に2〜3日は寄宿舎生活です。
お母さん、寂しくて涙流してないかなー。
T実習生と早く仲良しになって、たくさんお勉強しなくっちゃ・・・・・



(脚側停座の巻)
この頃一緒に歩くことは大分出来るようになりました。
次は脚側停座のお勉強だって。
なんか数学みたいで難しそうだけど、なんのことない
「スワレ」の事だって。



簡単なことだと思っていたよ。だって食事の時「お預け」
して「スワレ」覚えたもんね。

けどお父さん、「前足動かして座っちゃダメよ!」だって、
どうしてだろう?お父さんに詳しく聞いてみなくちゃ!

T実習生のお兄ちゃん、例によってお父さんから「スワレ」
詳しく講義受けてたっけ。さて、いよいよボクの出番。

T実習生、ボクのおしり、力任せに押すもんだから、ボク
だっていやだから押されまいとして力入れるもんね!

だけどT実習生、ますます力入れてくるんだもん。なにせ
若いから力すごいんだもん。

仕方ないから座ったけれど、ナナメになって座っちゃった。
お父さん血相変えて『何やってんのよ! ナナメじゃないの』
ロデム兄貴も見るに見かねて『やろが! あーあアホくさ』
と呆れた様子。

T実習生のお兄さん、熱心さはあるので、一日300回ぐらい
お勉強したおかげで、うまく座れるようになりました。

何といったって、訓練は「スワレ」に始まって、「スワレ」に終
わるんだってさ。
あと迅速、確実だってさ。何の事か解らないなー

それにボクの「スワレ」、ロデム兄貴より動作が早いって、お
父さんからほめられたもん!

横目でチラッとロデム兄貴を見たら、ジロッとボクに凄みをき
かして、「なんぼのもんじゃい、われー。 まだまだワイには
追いつかんわ」と負け惜しみ。やっぱりボクのお勉強気にな
るのかなー・・・・・・・



(伏臥の巻)

雨、梅雨だからしょうがないかー
今日はインドアでのお勉強。
でも 『雨降りの外でのお勉強も大切なんだ』 って、お父さん
いってたよなー。だけど今日は濡れずにすむからうれしいな。

「フセ」のお勉強するんだって。
T実習生のお兄さんは、大分張り切っているようだ。前回お父
さんからホメられたからだって。「ホメル」これがないと、ボク
だってお勉強いやになっちゃうもん。人間も犬も同じなんだ。















お父さん言ってたけど、「シカル」 よりも 「ホメル」ほうが
多いんだって。
「イケナイ!」としかられた時は、シュンとしちゃうけれど、お
りこうにしてホメられたときは、本当にうれしくなるもんね。ボ
ク育ちが良くて食い意地はってないから、食べ物もらうよりホ
メられるとずーとうれしいんだ。


ロデム兄貴またジロリと視線
「なにぬかしてけつかんねん! わいかて育ちよろしゅうお
まっせ!
わいのお父さん外人はんやさかい、ナイフとフォークで食事
するんやでー!」

なにバカなこといってるんだか、ああいうノー天気なやつは
無視して、お勉強続けよっーと。

「フセ」の時、T実習生のお兄さん、ボクにのしかかってきて、
ペチャンコにつぶれそうー。こんな事する前に「オペラント訓
練技法」
をやってくれれば、ぼくも短時間で覚えられるのに。

やり方は色々あるんだから、ボクに一番あったやり方をして
もらいたいよー。
それから「フセ」の時、後ろ足を崩して「ヤスメ」の姿勢になっ
ちゃうのも、早く直さないと癖になってしまいそう。
でも外国ではどっちでもいいんだとか聞いたけど、ここは日本
だもんね。

ボクの「フセ」もだんだん早く出来るようになったね。
これでまた一歩ロデム兄貴に近づいたわけだ。

よーーーーーーーーーーーーーーーーし!!

T実習生はこの頃すごく教え方がうまくなってきたよ。なにせ
T実習生とボクはマンツーマンでやってるから、成果が上が
るんだって。



さーて今日のお勉強もおしまい。雨も止んだようだし、ロデム
兄貴と一緒に遊んでやるか。
なにして遊ぼうかな、綱引きや野球、サッカー、レスリング、
徒競走、ハードル跳び、ハイジャンプ、幅跳び、ダンベル運び、
かくれんぼ、いっぱいあって迷ってしまう。



それにしても、ロデム兄貴性格あかるいよなー
やはり関西犬なのかなー?



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