犬 十八の戒励

     ドイツ・シェパード犬の先覚者
     フォン・シュテファニュッツ原書より



 
1. 犬を訓練せんとするものは、先ず自己を訓練せよ。

 2. 犬を飼育せんとする者、犬を訓練せんとする者、
    先ず犬を学べ。

 3. 犬格は飼育者の心を映し、訓練は訓練者の心を示す。

 4. 訓練の秘訣はその犬の天分を正しく認識し、これを
    活用するにあり。

 5. 優れた訓練犬は、犬嫌いの人にも好感を持たれる。

 6. 最上の実用作業犬は、稟性と体型を完備する。

 7. 優秀犬作出の鍵は、良き牝犬を得るにあり。

 8. 作業犬繁殖の基礎は、優良なる稟性にある。

 9. 克己なければ訓練なし。

10. なおすのは、教えるより難しい。

11. 犬の能力を専門的に活用せんとするならば、その素質に
    応じて使役分野を限定せよ。

12. シェパード犬の繁殖のもとは、作業犬の作出にあり。

13. シェパード犬の飼育は、繁殖に始まって訓練に終わる。

14. 犬種全体の向上発展に努力するのが、真の犬種愛好家なり。

15. 贅沢な食餌は自慢にならない。経済的で合理的な飼料で
    育てる人こそ本当の犬飼いである。

16. 近親繁殖と淘汰は車の両輪である。両者平行せざれば、
    最高目的に到達し得ない。新鮮なる血液は時おり注入を
    要する。新血の注入は、車軸油の役割を持つ。

17. 感じの良い外観はこれを得るべく努めるも、この為に犬の
    使役的有意性を無視してはならない。

18. 比較することに依って犬の価値が初めて判定出来るもの
    であり、比較する犬に依って判定の水準が異ならなければ
    繁殖の進歩はあり得ない。