権勢症候群
    (アルファー・シンドローム)


「イヌの権勢症候群(alpha・syndrome)」藤井邦蔵氏が平成7
年に関係学会に発表した
論文ですが、今日、テレビ、雑誌等で紹介さ
れ広く一般愛犬家に知れわたって
きました

グループ生活を営む動物には統制が必要で、ボスを頂点とした縦型の
ピラミッド順位制度があります。
犬も同じで、相手が強いか弱いかによって自分の順位を知り、たえず
相手が弱い対応を見せると、優位に立とうとします。



犬を幸せにしてあげようと、犬の言う成りに欲望を満たしてあげる対応
をしていると、やがてはボスに君臨して家族を従属者として扱うように
なります。

たとえは悪いのですが、祖母が孫をいたわる様な、過度の愛着から犬を
無視できず犬の支配性を生む家族の対応は、決して愛情とはならず、犬
から見れば、単なる従属的な行動とみなし、権勢本能を発揮して優位性
を示す様になります。

出かける前に犬に別れの意志を伝え、犬に追慕と別離の不安を与え
てから外出し、犬が吠えると苦情を言う身勝手な飼主の行動が分離
不安症候群
を起こします。



飼主に飛びついたり、マウントしたり、手をあまがみしたりする行動を
許しておけば、ボスとして家族を支配するようになり、従わない人間
には、威嚇や攻撃をも行うようになってしまうので、しつけの時期に
摘んで
しまわなければなりません。

この権勢本能は飼主の「まだ小さいし、可愛くて」などの甘い対応
助長され、やがては下位の者の言うことを聞かなくなり、ワガママな
性格になり、要求を無理にでも通そうとします。

飼主の性格上そのような行為を止めさせる事が出来無い人が多く見
受けられ、その為ストレスが飼主、犬共にたまって、楽しくあるべき日
常生活が、苦しみの毎日になってしまいます。



犬から見て頼りがいのある飼主と思われるようにリーダーシップを取り
飼主がボスであるという態度で犬に対応して行けば、犬の服従本能
伸びて、従順率直な愛犬に育っていきます。

犬の持っている従属本能をうまく利用すれば、飼主に守られている安
心感からストレスも無く充実した毎日が過ごせ、犬自身幸せな一生を
過ごすことになります。