ホタル・飼育・手賀沼・釣り
ヘドロの有効利用
 手賀沼のヘドロは水質の劣化も引き起こすので、環境改善に向けての大きな課題の一つとなっている。手賀沼に限らず、有機物や有害な金属などを含んだヘドロは、各地の海や湖沼、河川の底に堆積している。この対策として堆積したヘドロを浚渫し、埋め立てなどに使うというような対応がとられているが、現在ではこのヘドロに対しての研究も進み、有効利用しようという試みもある。
手賀沼以外の研究も含めて紹介したい。
コンクリート
(財団法人電力中央研究所:手賀沼プロジェクト)
 手賀沼から浚渫したヘドロを原料にコンクリートをつくり、水質浄化と資源再利用を同時に行うことを目指した。
 通常のコンクリートは、セメント、砂利、砂、水で作るが、ヘドロコンクリートは、砂利、砂の代わりにヘドロを全体の50%使用する。このコンクリートは造る過程で高温、高圧処理するが、その際にヘドロの中のケイ素等の成分とセメント系材料のカルシウムが反応して、トベルモライトの結晶が生成する。そのため、普通のコンクリート以上の特殊コンクリートができ、圧縮強度、曲げ強度ともに高い数値を示す。(曲げ強度1.5倍)また、比重も普通のコンクリートが2.5であるのに対し、ヘドロコンクリートは1〜1.5程度と、とても軽い。技術的にはもっと軽く、強いコンクリートにすることも可能。
                                    (資料:電研ストーリーVOL.7 MAY1999)
コンポスト
(財団法人電力中央研究所:手賀沼プロジェクト)
 ヘドロに含まれている亜鉛などの重金属を取り除き、商品としての価値のある肥料を作ることを研究した。
 従来は、酸性薬品を用いてヘドロの中の重金属を溶かし出し、その後アルカリ薬品で中和するのが一般的であった。しかしこの方法では、高濃度の塩がヘドロに含まれてしまうため、肥料としての利用は困難であった。そこでこの問題を解決するために、電気的な重金属の除去法が考案された。これは、ヘドロの中にある電気的にプラスの重金属をマイナス極に吸着させる方法で、深夜電力等を利用すれば、安くコンポスト化できる可能性が高い。
                         (資料:電研ストーリーVOL.7MAY1999 電研ニュース300)
コンポスト
(九州大大学院)
 水と有機物を豊富に含むヘドロを優良な肥料に作り変える研究である。納豆の糸の主成分「ポリグルタミン酸」に着目。ポリグルタミン酸を基に合成した納豆樹脂は、体積の4000倍もの水を吸収する。水と一緒にヘドロの粒子をうまくくるみこみ、しっとりとした畑の土のように変身させることに成功した。シロクローバーの栽培実験でも、十分な成長が確認されている。水が不足し、土壌がやせている砂漠の緑化に有効な材料である。
                                    (資料:読売新聞2001年9月13日)
ブロック・タイル
(財団法人電力中央研究所:手賀沼プロジェクト)
 ヘドロから実用的なブロックやタイルを造れることを技術的に立証した。強度や耐水性、耐久性の問題も通所のブロックと同じレベルでクリアできる。我孫子駅前南口広場でこのヘドロブロックを採用。ヘドロブロックは1u造るのに7000円〜9000円のコストがかかり、普通のブロックに比べればやや高いが、付加価値を加えれば、新しい商品として世間から認識される可能性が高い。このような環境と資源をリンクした取り組みが良いモデルケースとなり、「環境のために、多少高くてもそれを選ぶのが当たり前」という考え方が芽生えることを期待する。
                                   (資料:電研ストーリーVOL.7 MAY1999)
濾過材
(財団法人電力中央研究所:手賀沼プロジェクト)
 ヘドロを混入して焼き固めた礫を濾過材として使用した実験において、一般的な濾過材として使用されている割栗石と同レベルの効果が得られ、県が手賀沼水質改善の目標としているCODの値まで下げられることをが立証された。この実験に使用された礫は、直径8cmの球状で、手賀沼の浚渫ヘドロを約30%使用し、廃棄物の陶磁器屑やレンガの屑と合わせて約1100℃で焼き固めたものである。この礫を使った浄化に植物の植生を用いた浄化を組み合わせることにより、リンや窒素も取り除くことができる。 
                                   (資料:電研ストーリーVOL.7 MAY1999)
アオコ分解
(筑波大学+クリエイト・リソース:共同開発)
 ヘドロをアオコの分解に役立てるという技術を開発。ヘドロを高温処理して水を蒸発させ、固化剤とともに焼き固めて直径約1cmの粒を作り、その表面にアオコを分解する微生物を付着させた。粒には細かな気泡を閉じ込めて、水に浮くように工夫。この粒をアオコとともに水面に浮かべておくと、3日後にはアオコの分解が始まり、特有の臭いも消えた。高温処理で有機物も分解しているため、粒も無臭である。時間がたてば、きれいな砂に風化し、環境浄化に結びつく。
                                   (資料:読売新聞2001年9月13日)
堤防用土
(農業工学研究所)
 軟弱で扱いにくいヘドロをセメントで固めた後に細かく砕き、土の直径と同じ粒状構造にして、建材としての強度を高める方法を開発した。これをため池の堤防用土に利用する。山を大規模に切り開く土砂の採取は、環境破壊につながる。また、国内のため池の大半はヘドロがたまって貯水能力が落ち、決壊につながる。これらの環境問題解決に、このアイデアが活用できる。
                                    (資料:読売新聞2001年9月13日)